中道改革の「受け子」に渡辺創氏:党員1人で政党交付金の使途は不透明

事実上の解体が決まった中道改革連合で16日、小川淳也代表が辞任し、渡辺創衆院議員が新代表に就任した。中道に残った国会議員は渡辺氏ただ1人。他の48人は同日までに離党した。公明党出身の28人は公明党へ戻り、立憲民主党出身者は新党「民主改革の会」を結成する。

渡辺創氏(産経新聞)

ところが中道改革は解散しない。2026年分の政党交付金約23.4億円のうち、すでに半分程度が交付され、残る約11.7億円が10月以降に支給される予定だからだ。このため渡辺氏1人を残し、精算が終わるまで政党を存続させる。アゴラが「受け子」と揶揄したら、これがネット上の呼び名として定着した。

11.7億円は何に使うのか

小川代表は批判に対し、衆院選でポスター作成など多額の発注を行い、業者に分割払いを認めてもらっていると説明。「10億円あまりを踏み倒していいのか」と反論しているが、どの会社に何の業務でいくら支払うのかという明細は不明だ。「選挙の支払いが約10億円ある」という雑な説明だけでは、中道に投票した1000万人は納得しない。

渡辺新代表は会見で、総支部の整理や政治資金収支報告書の作成を急ぎ、会計監査には顧問弁護士を入れる方針を示した。国会議員は渡辺氏だけだが、非現職の総支部長や党職員代表らも常任幹事として意思決定に加わるというが、正式の機関決定ではない。

法律上は使途を制限できない

さらに問題を複雑にしているのが政党助成法である。同法4条は、国が政党交付金の「使途について制限してはならない」と定めているので、1人で12億円受け取ってもかまわない。精算が来年に1日でもずれこむと、約17億円の交付金を受け取ることになる。

政党助成法は、政党が税金を原資とすることを自覚し、国民の信頼にもとることのないよう適切に使用する責任を課している。一定額以上の支出については、後に使途等報告書で支払先や目的、金額などを報告する仕組みになっている。つまり「違法ではない」ことと「政治的に妥当である」ことは別問題なのだ。

新党「民主改革の会」の小川氏は、新党では政党交付金を受け取らず、「形式的に残る1人中道」で社会的、経済的責任を果たすと説明している。 そこまでして11.7億円を旧党に残すのであれば、支払先と金額を可能な限り早く公開すべきだ。

「政治とカネ」を批判してきた側だからこそ

中道や旧立憲民主党は、自民党の政治資金問題を厳しく追及してきた。その勢力が、今度は自ら税金を原資とする約12億円について「法的に問題はない」と説明するだけでは説得力を欠く。

政党交付金は政治家の財産ではない。国民1人あたり250円を基準に税金から拠出される公金である。渡辺氏の役割が単なる「受け子」ではなく、本当に債務を整理するための「清算人」なのであれば証明する方法は簡単だ。

約11.7億円について、誰に、何の対価として、いくら払うのかを公開することである。「政治とカネ」の透明性を求めてきた政党なのだから、自分たちのカネについても同じ基準を適用すべきだろう。

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