フィットネス大会で便失禁しながら優勝した豪選手が謝罪してタイトル返上

中国・北京で9月12日に開催されたフィットネス競技「HYROX(ハイロックス)」で、オーストラリアのジョアンナ・ウィートリク選手が競技中に突然の便失禁に見舞われながら、そのままレースを続行して1位となった。

しかし映像がSNSで拡散すると、衛生面や他の選手への影響を問題視する批判が殺到。ウィートリク選手は後に謝罪し、遡って大会から棄権して獲得ポイントを放棄すると表明した。

「勝ちは勝ち」から一転して謝罪

HYROXは、1kmのランニングと機能的トレーニングを交互に8回繰り返す室内競技である。選手はスキーエルゴやそり押しなど、同じ会場設備を次々と使用する。このため今回の問題は、単に本人が恥ずかしい思いをしたという話ではすまなかった。

ウィートリク選手は体調異変の後も競技を続け、最終的に1位でフィニッシュしたが、排泄物がコースや共有設備に付着したとして、他の選手や観客から衛生面への懸念が噴出した。

本人はSNSで「勝ちは勝ち」と投稿をしていたが、その後削除された。そして17日、声明を発表。「レース開始時には完全に健康で、体調を崩す兆候はなかった」と説明する一方、「振り返ればコースを離れなかった判断を後悔している」と謝罪した。

中国の人々、他の競技者、観客、大会関係者に迷惑をかけたとして責任を認め、レースから遡って撤退し、獲得したポイントを放棄するとした。

大会運営側も「止めるべきだった」

批判の矛先は選手だけでなく、大会運営にも向かった。HYROX共同創業者のモーリッツ・フュルステ氏は、運営側がすぐに競技を止めなかったことは誤りだったと認めて謝罪した。

これまでのルールでは、こうした突発的な事態への対応が十分に定められていなかったという。大会側は同様のケースで競技役員が選手を止められるよう手続きを見直している。

HYROXはマラソンとは異なり、室内で多数の選手が同じトレーニング器具を使う。したがって、排泄物による汚染は本人だけの問題ではなく、次に器具を使う競技者やスタッフの安全にも直結する。

「根性」よりも競技者としての責任

激しい持久系スポーツでは、運動に伴う胃腸障害は珍しくない。長時間・高強度の運動によって消化管への血流が低下することなどから、下痢や腹痛などを起こす選手は一定数いるとされる。問題は、その後どう行動するかである。

ウィートリク選手自身も今回の経験から「人生にはレースより大切なものがある」と学んだとしている。今回の騒動は、スポーツにおける「根性」と「責任」の境界線を、何とも強烈な形で世界に問いかけることになった。

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