以前にちょっとだけ取り上げた際に「氷山の一角なので、他党も早めに自己申告した方がいい」という話をしていた“国保逃れ”の件ですが、やっぱり出てきましたね。
【参考リンク】「国保逃れ」巡り立憲民主党福岡県連、所属議員41人のうち17人が社会保険に加入…党本部が実態調査へ

この中の何人が「国民健康保険料を払いたくないための形式上の法人への就職」に当たるのかはまだわかりませんが、まあ議員になる前からやっていた兼業の方の社保に加入し続けていたようなケースを除けば“節税”目的なのは間違いないので、他党をごちゃごちゃ言う資格はありませんね。
ことに立憲民主党なんて、そうした個々の事情をスルーして「国保逃れに違いない!」と率先して維新を叩いていたわけで。
そもそも、わざわざ別口で就職してまで法人の健保に逃げるメリットってなんなんでしょうか。
そして、それをふさぐためには何が必要なんでしょうか。
いい機会なのでまとめておきましょう。

保険料を激安に抑える古典的な手法
たまに「会社員になれば労使折半で会社が半分負担してくれるからお得なのだ」と考えている人がいます。メディアにもそういう理解をしているところもありますね。
【参考リンク】「国保逃れ」1万1610人が実態ないままに法人の社会保険に加入、保険料軽減か 新たな手法も~厚労省

個人事業主やフリーランスの人は国民健康保険、国民年金に加入し、保険料は全額自己負担ですが、その人が法人の役員になり、その法人の健康保険や年金に加入すると、保険料は本人と法人とが半額ずつ負担するので、本人の保険料負担が減ることになります
でもいつも言っているように会社負担分も実質的には本人負担なので、そのロジックは成立しません(会社は本人に払われるはずだった人件費の中から会社負担分を払ってるだけ)。
じゃあなんでわざわざ法人に就職するのかというと、報酬そのものを激安に抑えることで保険料も激安にするためなんですね。
たとえばざっくり年収2千万円ほど、健康保険料は上限の年113万円の自営業がいたとします。毎月の保険料が約10万円なので、確かにやってられないと思う気持ちはわかります。
でも、何かしらの会社に腰かけ的に就職して、激安の報酬を受け取ったら。たとえば月に9万円の報酬を得つつ、その会社の健康保険に加入、国保の方は脱退すればどうなるか。※
大雑把に保険料率10%として月に9千円、年間約10万円に節約できるわけです。
そりゃ国保から脱北する人も出てくるでしょう(苦笑)
地方議員ですか?
地方議員にはもともと地域で中小企業を経営していて兼業で議員を務めているような人が多いので、そのまま法人の健康保険に加入している人は少なくないです。
でも、じゃあそういうのは問題ないかというとそうとも言い切れなくて、当然ながら「国保と会社の社保、どっちがおトクか」は見てるでしょうね。
まあそれくらいならいいんでしょうけど。極端に法人の報酬を低くしてる人は普通にいるでしょうね。「自身の法人を利用して国保逃れしている」ことに変わりはないわけで、問題なしというわけにはいかないでしょう。
余談ですけど、たまにXとかで「私は法人からはほとんど報酬はいただいておりません(キリッ)」みたいにドヤってる医療法人の代表とか見かけるんですけど、あれ美談でもなんでもなく、単に社会保険料安くしてるだけですからね(苦笑)
似たようなのいっぱい地方議員にはいるとおもいますね。
ひょっとすると我々は今、パンドラの箱を開けようとしているのかもしれません。
※一般従業員であれば週20時間以上勤務が加入の条件になりますが、役員ならそうした条件はありません。
■
以降、
キックバック狙いの法人役員募集はアウト、でもその他の線引きが難しいわけ
問題の本質は、取りやすいところから取ってきた結果、負担のゆがみが生まれていること
Q:「うちの会社のジョブ型って本当にジョブ型なんでしょうか?」
→A:「それは単なる職務等級でしょう」
Q:「日本人のブルーカラー離れの原因は?」
→A:「米国のようなトレンドの反転が起きにくい理由はメンバーシップ制でしょう」
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