シャウエッセン「時代に負けてたまるか」広告が炎上した「分かりやす過ぎる」背景

日本ハムの看板商品「シャウエッセン」が10月からリニューアルされ、その広告が物議を醸しています。

今回、2束商品の内容量は1パック117gから107gへ減少しました。一方で1本あたりの重量を増やし、「肉感」や「張り」「食べ応え」を高めたとしています。そして打ち出した広告コピーが「時代に負けてたまるか」です。

日本ハム「シャウエッセン」

商品改良そのものを否定する必要はありません。実際、日本ハムは1本を大きくすることで食感や満足感を高めたと説明しています。

ただ、消費者から見れば最初に目に入る変化は、「同じような値段なのに量が減った」という事実です。1袋あたりの本数も6本から5本になり、117gから107gへ減っています。実質値上げと受け止められても不思議ではありません。

問題は、値上げや容量減そのものよりも、その見せ方ではないでしょうか。

「改悪を改善顔で出す」違和感

こうした例は過去にもありました。

商品の容量を減らした際に「持ちやすくなりました」「使い切りやすくなりました」と説明したり、サービスを縮小しながら「より分かりやすく、使いやすくなりました」と表現したりするケースです。

企業側としては、ネガティブな変更を少しでも前向きに伝えたいのでしょう。しかし消費者側からすると、「減ったことより、なぜ改善したような顔をしているのか」という違和感が残ります。

今回のシャウエッセンも同じです。

「量は減ります。ただし1本を大きくして、おいしくしました」と説明するだけなら、それほど反発は起きなかったかもしれません。

ところが「時代に負けてたまるか」と大見得を切られると、消費者は思わず「いや、量は普通に減っているではないか」と突っ込みたくなります。

ガリガリ君は正面から謝った

炎上トラブル対応の専門家である新田龍氏は、「改悪を改善顔で出した」という点がいちばんの炎上ポイントと分析しています。その対照的な好例として「ガリガリ君」や「うまい棒」をあげています。

これらの企業は、結果として、値上げへの反発よりも「今までよく頑張った」という好意的な反応が広がりました。値上げを「改善」と言い換えなかったことが、かえって共感につながったのです。

消費者は値上げそのものに怒っているわけではない

今の物価高で、原材料費も物流費も人件費も上がっています。食品メーカーだけに「絶対に値上げするな」と求めるのは無理があります。消費者も、そのくらいは理解しています。

だからこそシャウエッセンも、「さすがに苦しいので量を減らします。申し訳ありません。でも味はさらに良くしました」でよかったのではないでしょうか。

「時代に負けてたまるか」と言いながら容量を減らせば、どうしても「普通に時代に負けているではないか」と見えてしまいます。値上げ以上に高くつくのは、「ごまかされた」という感覚です。

物価高の時代、企業に求められているのは巧妙な言い換えや奇をてらった受け狙いではなく、むしろ率直に説明する姿勢なのかもしれません。

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