TBS『バナナマンのせっかくグルメ!!』の編集が思いがけず一般人を「悪役」にしてしまう

TBS系の人気番組『バナナマンのせっかくグルメ!!』の高知ロケが、思わぬ形でSNSの議論を呼んでいます。

10月4日の放送では、Snow Manの深澤辰哉さんとお笑いコンビ「ザ・たっち」が高知市を訪れ、地元住民におすすめグルメを尋ねました。

バナナマンのせっかくグルメ!! VIVANT軍団・阿部寛×Snow Man深澤! TVer

物議を醸したのは、高知市内の商店街での街頭インタビューです。

女子中高生が考えているところに別の女性が登場

一行が声をかけたのは、Snow Manのファンとみられる女子中高生4人組でした。おすすめの店を聞かれたものの、すぐには候補が決まらず、スマートフォンを見ながら考えていました。

そこへ、様子を見ていた別の女性が会話に加わりました。女性は「市場から直送の生きた魚がある店がある」「カツオのたたきやキンメダイがおすすめ」といった情報を提供し、夫が漁協関係者であることも説明しました。

番組はその情報をもとに、高知市廿代町の「うおとっと」を訪問。店では藁焼きカツオのタタキや金目鯛の炙りなどが紹介されました。

ところが放送後、SNSではこの場面が「横取り」のように見えたとして批判が広がりました。

「最初に聞かれた女の子たちがかわいそう」「割り込むのは図々しい」「最後まで4人に探させるべきだった」といった声がある一方で、「10分以上決まらなかったなら助け舟ではないか」「これで炎上するのはおかしい」と擁護する意見もあり、評価は真っ二つに割れました。

「横取り」に見えた視聴者

放送後、Xでは「最初の4人組が置き去りにされたように見える」「割り込んだ女性が図々しい」「最初に声をかけた子たちに最後まで紹介させるべきだった」といった批判が相次ぎました。

一方で、「10分以上答えが出なかったなら助け舟ではないか」「これで一般人を叩くのはやりすぎだ」と擁護する声も多く、意見は真っ二つに割れました。

反響を受け、番組側は10月7日に公式Xで経緯を説明しました。

女子中高生には10分以上考えてもらったものの取材先が決まらず、その様子を見ていた女性から提案があり、「番組の判断」で店を訪れたということです。また、地元の人々の協力が番組には不可欠だとして、協力者や店舗への非難を控えるよう呼びかけました。

悪役を作ったのは誰なのか

ここで重要なのは、最終的に店を選んだのは女性ではなく番組側だという点です。

女性が出演者を強引に連れていったわけでも、女子中高生から取材を「横取り」したわけでもありません。提案を採用し、その場面を編集して全国放送したのはテレビ局です。

テレビ番組では、10分、20分のやり取りが数分に圧縮されます。その結果、「長時間答えが決まらなかった」という前提が弱くなれば、「突然知らない女性が割り込んできた」という印象にもなります。

つまり、視聴者が違和感を覚えたこと自体は理解できます。しかし、その違和感をそのまま一般人への人格攻撃に変えるのは別問題です。

テレビとSNSの危うい組み合わせ

かつて街頭インタビューは、その場限りの軽い娯楽でした。ところが今は、数分テレビに映っただけの一般人が、放送直後からSNSで何万人もの視聴者に品評されます。

しかも視聴者が見ているのは「現実そのもの」ではなく、編集された映像です。

今回の騒動で問われているのは、「割り込んだ女性が非常識だったのか」ということではありません。

テレビが切り取った数分間から人物像を作り、SNSがその人物を悪役として叩く。その構図こそが問題です。

テレビ局には誤解を招かない編集が求められますし、視聴者側にも「これは編集された映像だ」という最低限の想像力が必要でしょう。

『せっかくグルメ』の小さな炎上は、テレビとSNSが組み合わさった時代の難しさを、意外なほど鮮明に映し出しました。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント