古謝玄太知事が辺野古転覆事故遺族と面会:玉城前知事との対応の違いが鮮明に

沖縄県の古謝玄太知事は10月17日、名護市辺野古沖の船転覆事故で亡くなった同志社国際高校2年の武石知華さん(当時17歳)の両親と県庁で面会した。

事故から7カ月。事故当時の玉城デニー前知事は在任中に遺族と面会しなかったが、古謝知事は遺族の訴えに直接耳を傾け、再発防止に取り組む姿勢を示した。両知事の対応の違いが浮き彫りになった。

玉城前知事が面会しなかった遺族と向き合う

事故は3月16日、辺野古沖で平和学習中の高校生らを乗せた小型船2隻が転覆し、武石さんと船長の金井創さん(当時71歳)が死亡したものだ。ほかに生徒12人と乗組員2人が負傷した。

船を運航していたのは、米軍基地建設への反対運動に関わる「ヘリ基地反対協議会」だった。遺族は7月、学校や運航団体の関係者ら計11人に対する告訴状を提出している。

玉城前知事は辺野古移設に強く反対してきた。しかし、基地建設への賛否と、事故で命を失った高校生の遺族への対応は別問題である。

玉城氏がなぜ在任中に面会しなかったのか、その理由は十分に明らかになっていない。ただ、遺族との直接対話が実現しなかったことは事実である。

古謝知事は事故現場で献花し、遺族の声を聞いた

一方、古謝知事は面会に先立ち、辺野古漁港を訪れて事故現場に向かって献花した。その後、県庁で遺族と面会し、安全管理の徹底を進める考えを伝えた。

武石さんの父親は、全国の子どもたちが沖縄で学び、無事に家に帰れるようにしてほしいと訴えた。遺族が求めたのは政治的な対立ではなく、同じ悲劇を繰り返さないための具体的な対策だった。

古謝知事は再発防止に向けた検討を約束した。遺族と知事が並んで記者団の取材に応じたことも、今回の面会を象徴している。

平和を訴える前に子どもの命を守れるか

今回の事故で問われるのは、平和学習に使われた船の安全管理である。事故を起こした2隻は海上運送法上の事業登録をしておらず、学校や旅行会社による安全確認のあり方も問題となっている。

平和教育は重要だ。しかし、どれほど立派な理念を掲げても、参加する子どもの安全が確保されていなければ本末転倒である。

古謝知事の面会だけで事故の問題が解決するわけではない。今後は安全管理のガイドライン整備など、具体的な成果が問われる。

それでも、玉城前知事の在任中には実現しなかった遺族との対話が、古謝県政の下で実現した意味は小さくない。

辺野古移設をめぐる政治的立場がどうであれ、子どもの命を守る行政責任に違いはない。今回の両知事の対応は、沖縄県政が何を優先すべきなのかを改めて問いかけている。

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