増税する前に絶対にやってほしいみっつのこと

2011年02月03日 00:53

一部に増税オールスターズと囁かれている菅内閣だが、当然のように「増税の前にやることがある」との批判が浴びせられている。当時、副総理兼財務相であった菅氏自らも「逆立ちしても鼻血も出ないほど、完全に無駄をなくしたといえるまで来たとき、必要であれば(消費税増税)措置をとる」と国会で熱弁していたのはつい最近の話である。そんな民主党政権は、政府のリストラを全く行うことなく増税を断行しようと意気込んでいるようだ。筆者も消費税の増税はいずれにしても避けられないと考えているが、それでも増税する前に、経済成長が止まり、政府債務だけが積み上がっていく、この日本という国家を大掃除してもらいたいと切に願っている。そこで今回は菅内閣に増税する前にぜひともやってもらいたいことをみっつ述べたい。


1.一票の格差をなくす

さんざん多くの識者に指摘されていることである。前回の参院選では、人口900万人の神奈川県民が選出した議員は3人、一方で人口が60万人しかいない鳥取県は1人の議員を当選させた。つまり鳥取県民が一人一票持っているとするならば、神奈川県民は一人0.2票しか持っていないのである。これが民主主義といえるのだろうか。このように人口が少ない県が多大な政治力を行使しうる、県単位で行われる現在の参議院の選挙制度に問題があるのは誰の目にも明らかだ。裁判でもこれらの一票の格差は憲法違反であるという判決が次々とでている。

解決策は簡単で、選挙区を県単位で分けずに一票の重みがほぼ同じになるように地域ブロックを分けるだけなのだ。増税の前にはやくこの簡単な問題を解決してほしい。

2.TPP参加

菅首相は年初に「本年を、明治の開国、戦後の開国に続く、『平成の開国』元年にする」と宣言した。筆者は大変素晴らしいことだと思う。最近の相撲の八百長スキャンダルを見ていても「国技」として聖域化し国に守られ、市場での競争から隔離されているものは腐敗するのである。それは日本の農業も同じだ。様々な補助金と規制により農業を聖域化してきた日本は、創意工夫をしていいものを安く供給しようとする健全な農家をつぶし、都会のサラリーマンよりも年収の多い兼業コメ農家を増やし続けてきた。TPPに参加して、全ての農産物の関税を即刻ゼロにしてもらいたい。

3.公務員のリストラ

民主党はマニュフェストで総人件費2割削減を約束していた。しかしこの約束は完全に破られることになった。当たり前だが、これは政府にあまり無駄がなかったということではない。膨大な数の公益法人や国にぶら下がっている半民半官の民間企業、そしてそれらに天下りする官僚たち。明らかな膨大な無駄が存在している。しかし多くの国民にとって税金が無駄というのがコインの表側だとしたら、コインの裏側は一部の団体にとって手放すことができない利益なのである。結局、民主党政権はそういった利益団体に屈したということだ。

最近では学生の就職先の人気ナンバー1が公務員だそうである。なるほど絶対首になることがなく、その上で給料が高かったら当然である。これの解決策も非常に簡単だ。リスクの少ない公務員の給与を民間企業の平均給与より下にするだけだ。または民間企業と同じように、必要がなくなった仕事は大胆にリストラすることだ。公務員の多くの仕事は単純な定型業務である。優秀な学生は民間企業で付加価値を生み出す仕事をするべきだ。むしろ公務員のような単純な事務作業は、障害者などのハンディキャップを負っている人たちに積極的にゆずるべきなのだ。

筆者は、国家のグランドデザインを議論して、もっと効率的なリストラクチャリングをするべきだと思っているが、それができないのなら公務員の給料を約束通り一律2割カットしてもらいたい。

以上。

参考資料
日本の選挙制度改革:農家の基盤崩し、英エコノミスト誌
いよいよ消費税が切り上がる、アゴラ
若者が搾取される理由、アゴラ
農業と安全保障に関する私見、アゴラ

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