「いよいよロボットに仕事が奪われる時代の到来か!」と思った時に読む話

城 繁幸

今週のメルマガ前半部の紹介です。昨年のメガバンク各行の万人単位のリストラに端を発するように、大手日本企業の大規模なリストラが続いています。そしてそのほとんどのケースでRPAという業務自動化ツールが活用されており、その存在がにわかに注目されているようです。

【参考リンク】三井住友FG、業務削減量を上乗せ 5千人弱分に
【参考リンク】損保ジャパン、4000人削減 国内損保、RPA活用進む

筆者自身、「RPAってそんなにすごいものなんですか?」的な質問はよくされます。

いらすとや:編集部

結論から言うと、RPA自体は以前からあるありふれたツールであり、あくまでルーチンワークを入力して自動化するだけのものです。AIのように判断能力があったりディープラーニングで新たなものを生み出すようなものではありません。

今回のリストラ大流行の背景に何があるのか。従来のそれとは何が違うのか。いい機会なのでまとめておきましょう。

企業に一連の大リストラを決断させたもの

今回のリストラの背景には、企業内で“働かないオジサン”が増加しすぎたことが理由としてあります。これは以前も述べた通りですね。

【参考リンク】どうしてオジサンたちはやる気無いの?と思った時に読む話

終身雇用制度は、年々組織が成長して(=ポストが増えて)かつ、定年が55歳という前提で設計された制度です。組織が大きくなるどころかスリム化するのが当たり前の時代になり、年金の都合で実質的な定年が65歳に延長されるなんて、制度設計した人たちは夢想だにしてなかったはずです。

当然、組織内にはいろいろな歪みが生じます。その最たるものが“働かないオジサン”問題です。

40前半で幹部選抜を終えて一生ヒラが確定した従業員は、その後の20年以上を消化試合モードで過ごすことになります。そして、50代前半で役職離任した元・管理職もそこに合流し、働かないオジサンは今や社内の一大勢力となりつつあるのです。

既に大卒総合職の過半数がヒラのままというデータもあるので、下手をすると社員の半数近くがその予備軍であるともいえます。こうなると彼らの面倒を見る余裕は、もはや企業にはありません。

と書くと、たぶんこんな疑問を持つ人もいるでしょう。

「だったら、65歳への段階的な引き上げが始まった2013年前後からリストラを進めなければいけなかったはず。企業はこれまで何をしていたの?」

実は、日本企業の多くは65歳に雇用が延長されてもなんとかなるんじゃないかと甘く見ていた節があります。というのも、従来の役職に就けなかったオジサンたちは一生懸命に頑張る人ばかりだったからです。たとえば、

「あの人はヒラだけど地力は凄い」
「部長と同期らしいから困ったときにはあの人に頼もう。ぺこぺこするだけの課長よりよほど頼りになる」

みたいなポジションを得るために必死に努力していたわけです。でも、それは職場にそうしたオジサンが独りぼっちだった古き良き時代の話。

職場に2人も3人も出現するようになると、オジサンたちは開き直るんですね。職場全体が残業している中さっさと飲みに行ったりするなんていうのは可愛い方で、仕事を振られると「お断りします」と公然と(年下の)上司に反抗する人もいると聞きます。

まとめると、一定数を超えた働かないオジサンが現状に甘んじるようになったことが、企業に重い腰をあげさせた最大の動機だということです。RPAはあくまでもその補助的なツールとして使われているだけであり、そんなものが無かったとしても企業は何らかの形で同じアプローチを実施したでしょう。

以降、
従来の配置転換と何がどう違うのか
働かないオジサンを待ち受ける過酷な現実

※詳細はメルマガにて(夜間飛行)

Q:「終身雇用制度の始まりと終わりは共に人手不足がカギにみえます」
→A:「今はどちらかというと双方にメリットがなくなった感じです」

Q:「重箱の隅をつつくのは日本企業の弱点?」
→A:「重箱の隅をつついてると仕事してる気になるんですよ」

Q:「サラリーマンがリターンマッチできる時代は来るでしょうか?」
→A:「好きな仕事に挑戦する人が増えれば社会はもっとよくなるでしょう」

雇用ニュースの深層

Q&Aも受付中、登録は以下から。
・夜間飛行(金曜配信予定)


編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2019年7月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。