ヤフー、LINE統合報道の衝撃で「楽天、メルカリは?」の声

アゴラ編集部

ヤフージャパンとLINEの経営統合の動きが13日夜、表面化し、ネット上は大騒ぎになっている。

コラージュ編集部作成

共同電から広がった衝撃のニュース

報道各社で第一報とみられるのが共同通信。21時36分に「ソフトバンクがLINEと包括提携検討」と速報を打ち、ここからネット民をざわつかせはじめた。ただ、この速報段階では「ソフトバンクが子会社のヤフーを通じ、LINEと包括提携する検討」であり、経営統合の話にまでは踏み込んでいなかった。

そして、共同速報のわずか9分後、日経新聞も「ヤフーとLINE経営統合へ」の見出しで速報配信。経済ニュースの「横綱」として数々の大型M&A報道を抜いてきた日経が追随してきただけでなく、「経営統合」の文字が入ったことで、ネット上の激震がさらに走ることになった。

そして22時47分、誤報に最も慎重な“皆さま”のNHKも「ヤフー LINEと経営統合に向け交渉」と報じたことで、マスコミ報道の大型流れは最高潮に達した。

各社の報道によれば、11月中の経営統合をめざして交渉中。統合が実現すれば、新会社はソフトバンクのグループ会社になる見通しだ。

田端氏「関ヶ原が終わった感」

ツイッターでは、ネット企業の当事者や内情に詳しいインフルエンサーも続々と発信。

LINEで広告事業を統括し、昨年ZOZOに移籍した田端信太郎氏は「なんか、戦国時代の終わり感がすごい。関ケ原の戦いが終わった感がある。」としみじみ。

IT企業役員を歴任し、現在はnoteプロデューサーをつとめる徳力基彦氏は驚きながらも、「GAFAと対抗するとしたら論理的にはこれしかない」と評価していた。

文春とホリエモンが予見

唐突にもみえるヤフーとLINEの統合に向けた動きだったが、実は、ここ数ヶ月、一部では予測する見方もあった。週刊文春(10月10日号)では、ベテラン経済記者の森岡英樹氏が「ソフトバンクグループの窮地で孫正義が狙うLINE買収」と題したレポートを発表している。

巨額を投資した米ウィーカンパニーの資金繰りの悪化で、ソフトバンクは7〜9月決算でファンド事業で5726億円赤字を計上。孫正義会長が「真っ赤っかの大赤字」と開き直り気味に述べた反省の弁が経済ニュースの記事で踊ったが、森岡氏は、銀行筋の見立てとして、「アマゾンへの対抗策」への切り札としてLINE合併の可能性を指摘していた。

また、堀江貴文氏も9月のヤフーのZOZO買収の記者会見の際に、「つぎはLINEあたりがターゲットかなー」と孫会長の動きを予見。その通りの展開となり、ネット上では堀江氏の正確な読みを評価する声も出た。

楽天とメルカリの動向は?

ネット上では、PayPay、LINE Payのサービス統合になった場合、日本のキャッシュレス普及に弾みがつく可能性も指摘する見方が出ていた。

一方で、90年代のネット黎明期からトップカンパニーだったヤフーがZOZOを買収し、さらに2010年代のスマホ時代をリードしてきたLINEとも手を組むことになれば、楽天やメルカリの動向も気になるところだ。ツイッターでは、

ASKUL、ZOZO、LINE、ヤフー最強過ぎて楽天やメルカリは震えてそう:(;゙゚’ω゚’):

YahooとPayPayとZOZOに加えてLINEまで持つことになるのか。冷静に見直すとすげーな楽天とか勝ち目どこにあんのって感じ。もうちょいしたらメルカリも買っちゃいそうな気がするわ

といった意見もみられた。関ヶ原終戦にもたとえられる大型統合模索の動きを受け、さらなる再編の可能性に目が離せなくなりそうだ。

(追記 10:45)両社はコメントを発表し、経営統合交渉の報道に交渉の事実は認めたが、確定事項ではないとしている。