Re: オバマ大統領のICT政策と日本 - 池田信夫

2009年02月13日 09:58

松本さんの記事を読んで「あれ?日本はブロードバンド大国じゃなかったっけ」と思ってITUのサイトで調べてみると、たしかにブロードバンド普及率は2006年でも第19位ですね。ただ、これはブロードバンドの定義が1.5Mbps以上になっていることが影響しています。内訳をみると日本はFTTHが4割ぐらいあり、スピードでは韓国と1、2位を争っています。


それでもブロードバンド普及率は20%程度。インターネット普及率は70%を超えているので、残り50%はダイヤルアップで接続していることになります。ほんと?といいたくなるような数字ですが、これはメインの接続が携帯になっている影響ではないでしょうか。

アメリカのように地域電話会社の独占によってブロードバンド投資が進んでいない国では、政府が投資を進める意味もあるでしょうが、日本のブロードバンド接続のビットレートあたりコストが世界一安いことは、ITUも太鼓判を押したとおりです。政府がこれより高いパフォーマンスを上げることは考えられない。この状況を作り出したのは、いうまでもなくソフトバンクで、その功績は歴史に残るでしょう。

ここ数年の普及率も、日本の固定系インターネットは毎年2%ポイントぐらいしか増えておらず、成熟段階だと思われます。残りの大部分が無線系だとすれば、日本のブロードバンドの未来はFTTHではなく、無線ブロードバンドにあるのではないでしょうか。その意味でソフトバンクがNTTのFTTHインフラを借りてサービスする方針に転換したのは、賢明な経営判断だったと思います。

これから必要なのは政府のインフラ投資ではなく、周波数オークションなどの競争政策によって、無線ブロードバンドに、かつてのソフトバンクのようなチャレンジャーが現れるようにする政策でしょう。もちろん、ソフトバンクが新たなチャレンジを続けることも大歓迎です。それがOECD諸国で最低レベルの日本のサービス業の生産性を上げ、「内需拡大」によって日本経済が立ち直る道でもあると思います。

追記:ちなみにインターネット普及率とブロードバンド普及率の国際比較は次の通り

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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