1.本質から乖離するばかりのモリカケ論争
一昨日の朝、森友学園への国有地売却を巡る政府の説明に「納得できない」とする人が8割超という(偏向した)世論調査の結果が報道され、暗澹たる気分になりました。年が明けても、モリカケ問題が国会を席巻し続けると思うと、情けなくてアホらしくて、だらしない与野党への怒りがこみあげてきました。
モリカケ問題の本質は、岩盤規制にドリルで穴を開ける際に少々乱暴な進め方をした役人の問題であり、詐欺罪で逮捕された籠池被告の恫喝に腰砕けになった役人の問題に過ぎないのに、朝日新聞はじめマスコミが煽り、あたかも安倍総理が関与した疑獄事件であるかのような印象操作が続いてきたのです。
行政手続き上の課題であれば、例えば行政文書の保存期間等について改善を図れば済むはずですが、野党とマスコミが政局にしてしまったものだから、いつまで経っても安倍総理の疑惑追及が続き、議論が本質からどんどん離れていく、そうした悪循環を断ち切らねば国益にかかわると思い取り上げた次第です。
2.森友学園よりヒドい野田公園の土地取引
私が考える問題の本質は単純です。森友学園の小学校用地に係る値引き額について、会計検査院が算定根拠が不十分だったと指弾しましたが、そもそも公共用地の価格の見積もり(不動産の鑑定)って、そんなに明確な根拠をもって見積もることができるのかどうか、それは森友学園に特殊なことなのか、です。
森友学園問題を検証する際には、便利な比較対象が隣にあります。豊中市が整備した野田中央公園です。森友と同じように近畿財務局から国有地の払い下げを受けたのですが、森友では近財が9億と査定した土地から地中ごみ撤去費用8億を差し引きましたが、野田公園では逆に9億に5億が上乗せされました。
森友に係る8億円の割引査定が根拠不十分だというのであれば、隣の野田公園に係る5億円の上乗せ査定についても同様に根拠を問うべきですが、朝日新聞も立憲民主党もやらない。なんか後ろめたいことがあるのか、と疑惑は深まるばかりですが、私の検証結果は野田公園も根拠不十分ということでした。
野田中央公園の価格について、近畿財務局の不動産鑑定士は9億円と査定しましたが、豊中市の不動産鑑定士は14億円と査定。後者は、なんと豊中市が内部で見積もった価格との差わずか3千円です。ベースになる単価も割引率も全く異なるのに、掛け算した結果は同じ。これに疑問を持たないならアホです。
3.土建国家の恥部を前に立ちすくむ与野党
私の言いたいのは、マスコミも野党も、追及するなら森友と野田公園と両方やれよ、ということであり、やらないなら、何か後ろめたいことがあるのか、と疑惑の目を向けられても仕方ない、ということです。では、なぜ与党もはっきり反論しないのか。それは、自民党にとっても触れたくない恥部だからです。
同じ土地の不動産価格が鑑定士によって5億円も差が出るようなら、多額の税金を投入する公共事業を支える制度として深刻な問題があると私は考えます。しかし、戦後70年、保守合同から60年、自民党憲政権が営々と築き上げてきた土建国家日本の恥部であり、自民党が改革に踏み込むわけがないのです。
いつまで経ってもモリカケ問題の本質に迫れないアホ野党、アホ野党の追及をかわすこともできないバカ与党、本当に情けない限りです。詐欺で逮捕された籠池被告という怪物を生み出した野党4党(当時)とマスメディア。私は、新しい国会論戦に挑戦しながら、朝日新聞が廃業するまで闘い続ける決意です。
編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2017年12月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。