3/25夜、新型コロナウイルスの感染者が東京都内で多数発生したことを受けて、小池都知事が緊急記者会見を開き、今の状況を「感染爆発重大局面」とし、今週末の不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。
また、「屋外屋内を問わずイベント等への参加についてもお控えいただきたい」、「少人数でも飲食を伴う集まりもできるだけお控えいただきたい」といった自粛をお願いする発言もありました。
感染爆発を防ぐことは重要なので、この知事の発言は一定の評価はできると思うのですが、、、イベント事業者や飲食店などで働く方々への補償については言及はなく、不十分と言わざるを得ません。
現に倒産する事業者が出てきています!
帝国データバンクの「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査によると、今月23日時点で判明している新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は、全国に12件(うち飲食関連事業者は3件)あります※1。
このまま全国で自粛の動きが数ヶ月続くと、新型コロナウイルスを主要因とする倒産が相次ぐことが目に見えています。
東京都の4兆円の貯金を補償に充てましょう!
一方で、東京都が現在積み立てている基金は、約4兆円あります※2。
基金というのは、通常の年度予算では対応しきれないような大きい事業(東京オリンピック・パラリンピックなど)を行うときのために東京都がこつこつ積み立てているお金です。
今は国家の緊急事態。景気の悪化や雇用の損失は2008年のリーマンショック時と同程度かそれ以上深刻になるおそれがあるとも言われています。今こそこの基金を使うべきです!
この基金のうち切り崩し可能なものを見繕って、半分は低所得者への現金給付に、半分は小規模イベント事業者や飲食店などへの緊急補償に当てましょう。東京都には従業者数5人以下の飲食店事業所が約5万ありますが※3、これらの事業所に300万円ずつ補償したとしても1,500億円程度です。
小池都知事、「みんなで自粛して新型コロナ問題を乗り越えよう!」という根性論だけではなく、具体的な経済対策をお願いします!
※1 帝国データバンク 「新型コロナウイルス関連倒産」は12件 ― 「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査 (3月23日13時現在判明分)
※2 東京都会計管理局「令和元年度公金管理実績(第3四半期)について」
※3 平成26年経済センサス 第8表 産業(小分類)、従業者規模(8区分)、経営組織(5区分)別全事業所数、男女別従業者数及び常用雇用者数-都道府県、市区町村
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2020年3月27日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。