これから投資を始める人が「後悔しない方法」

日本経済新聞の記事によれば、昨年の証券会社の預かり資産が急増しているそうです(図表も同紙から)。

(日本経済新聞から)

(日本経済新聞から)

その中でも、特にネット証券の伸び率が際立っています。もともとの残高が大手証券よりは小さいので、増加額自体はそれほど大きくありませんが、明らかに対面証券からネット証券へのシフトが本格化していることがわかります。

その傾向は、20代30代のような若年層で顕著です。

若いうちから証券投資を始める事は、とても良いことだと思います。ただし、先週の「ロビンフット騒動」のような投機的な動きで短期の利益を狙うアメリカの個人投資家のような方法は避けるべきでしょう。

私が考える投資で「後悔しない方法」は、次のようなプロセスで進めるものです。

まず、なぜ投資するのか。その最終的な目的を腹落ちさせることです。投資はそれ自体が目的ではなく、何かを実現・達成させるための手段に過ぎないからです。

自分が将来どうなりたいのか、あるいは何を実現したいのかという夢や目標を明確化し、それに必要な資産を形成していく。その中に証券投資を位置づけることが大切です。

次に大切なのは、とにかくまず少額で始めてみることです。

資産が増えるのには時間が必要です。勉強して充分な知識を身に着けてから始めようと思っているうちに、あっという間に時間が過ぎていきます。また実際にやってみないとわからないことが、たくさんあるのが投資です。

投資信託であれば、100円から投資を始めることができます。小額でも良いから、ネット証券に口座を開いてとにかく始めてみる。

「走りながら考える」を忘れてはいけません。

そして始めるだけではなく、続ける仕組みを構築することも考えましょう。

途中で挫折してしまう典型的なパターンは、マーケットが低迷しているときに、悲観してやめてしまうことです。そうならないためには、自動積立のような仕組みを作っておくことです。

また、仲間の存在も重要です。投資仲間がいれば、情報交換をすることもできますし精神的な安定を得られます。競争心が出てくれば、モチベーションアップにもつながります。

このようなプロセスで、金融資産への投資にある程度の経験を積んだら、お金を借りるレバレッジ投資や、税金のことも学んでいくのが良いでしょう。

日本人の間にもようやく投資や資産対する関心が高まってきたのは喜ばしいことです。この流れがさらに広がっていくように、資産デザイン研究所も情報発信を続けていきます。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年2月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。