大規模接種予約システムは既に崩壊しているのか

新型コロナウイルスワクチンの供給が遅れている問題が指摘されて久しい。私も未だワクチンを接種できていない。接種したくないのではない。注射が怖いわけでもない。接種予約したくてもできないのだ。接種券(東京・大規模接種会場)は既に届いている。

skodonnell/iStock

ちなみに、毎週金曜日の18時から、東京の大規模接種会場は予約を受け付けている。もう何週間も前から、パソコンやスマホ片手に予約せんと頑張っているが、困難を極めている。18時に予約サイトに素早くいっても「只今、混雑をしています」との表示が出るばかり。そうこうしているうちに、数分が経ち、画面が切り替わったと思ったら「予約は既に終了しました」との無情な文字が! もうこの文言を何度見たことか!

自宅から予約しようとしていたので「きっと、ネット環境が悪かったり、速度が遅いのが原因」と思い、某カフェに行って、そこの無料通信を使い、予約しようともしてみた。しかし、これも、あえなく、撃沈! これまでと同じことの繰り返しであった。私などは足元にも及ばない、凄まじいまでの予約枠争奪戦が繰り広げられているに違いない。それにしても、予約に成功した人は、何か「裏技」でも使っているのであろうか? そう思いたくなるほど、ワクチン予約は困難だ。

ところが、これは何も私だけではない。ネットを見てみると、私と同じように「撃沈」した「敗残者」の群れが沢山いる。大規模接種会場を設け、ワクチン接種を行ったこと自体は、良いことだ。成果もあったと思う。しかし、現状において、多くの人々がワクチン接種予約ができないということであれば「大規模接種」の仕組み事態が既に崩壊しているのではないか? 大規模接種予約のみではない。

自治体関連の接種予約も難航している。私の住んでいる自治体の病院やクリニックも、ワクチン供給不足が原因で、大半が予約を中止している。これは既に、大規模・小規模問わず、ワクチン接種の仕組みが断絶してしまったとみて良いのではないか。なぜ、このようなことになってしまったのか?

自民党の下村博文政調会長は、新型コロナのワクチン接種体制を議論するプロジェクトチームの会合で「ワクチンが足らないという風評が広がっている」と述べたという。ワクチンが足りているのであれば、なぜ予約が停止されているのか。

河野太郎(行政・規制改革相)によると、それは供給計画の見通しの甘さにあるという。河野氏は「要望が強かったことを見誤ったのは私の失敗だ」と述べたが、同氏は国民の多くがワクチンを接種したくないとでも思ったのだろうか。何も難しいことを見通してほしいと言っているのではない。早め早めの準備ができず、先見の明がないのであれば、将来の首相候補として如何なものであろうか。

preload imagepreload image