海軍兵学校・五省:人としてどうなの?の判別ができなくなった日本人

SNSでの誹謗中傷が止まらない。

おかしな世の中になってきたものだが、政治家が恥さらしの行為をしているのだから誹謗中傷は仕方がない。それにしても、こんな人を国会議員にしていいのかと思っても、選ぶ人がいるのだからそれも仕方がない。

人として「していいこと」「してはいけないこと」の判別ができなくなっている。

何度か触れているが、ジャニー氏が悪いのは言を俟たないが、ジャニーズ事務所に所属していたタレントを干す動きはどう考えても人権侵害だ。告発した人が誹謗中傷で自ら命を絶つことは、もっと悲しい。

あくどいホストクラブは糾弾されるべきだが、支払えもしないお金で飲み歩いた人は悪くないのか?まるで、ホストだけが悪いような風潮だが、どう考えても、払えそうにない金額で通い詰める方も問題があるのだ。ねずみ講のような組織は犯罪行為だが、非現実的な儲け話に飛びつく方も悪いのだ。人としての道、人間としての矜持さえ保っていれば、こんなおかしな社会にならないはずだ。

スケートの羽生弓弦選手がわすが3か月であまりに離婚に追い込められた。笑われの想像に絶する誹謗中傷があったのだろうが、SNSの在り方などに一石も二石も投じた問題提起だと受けとめる必要がある。

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そして、指導とパワハラは紙一重と言うが、指導は指導者が指導される方を思いやる気持ちが優位だが、パワハラは相手を思いやる気持ちが欠けている。指導する気持ちが伝わらないこともあるが、その時は自分の人徳の無さを反省するしかない。そして、潔く職を去るしかないのだ。

読者の方に下記のかつての海軍兵学校の五省の精神を学んで欲しいものだ。

至誠に悖るなかりしか
言行に恥ずるなかりしか
気力に欠くるなかりしか
努力に憾みなかりしか
不精に亘なかりしか

この、人としての当然がわからない人が世の中を悪くする。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2023年11月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。