DiamondOnlineで『京都市の「1万円」宿泊税はとんだ見当違い!外国人客の「観光公害」防止へ今すぐやるべきシンプルすぎる対策とは?』で、京都のインバウンド公害の原因は、清水寺、金閣寺など有力社寺に完全事前予約制を導入したらだいたいの問題は解決すると書いたら、ヤフコメなどでも賛成も多かったが、あまり内容を理解せずに反対する意見も多かった。

事前予約制は、京都の寺院では苔寺が早くから取り入れて成功している。苔寺の場合は繊細な苔の保護のために、少数の引率された拝観観客に限定しようというもので、二ヶ月前までに往復葉書で申し込み、3,000円と高額だ。

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京都の皇室関係の施設は、御所は予約が要らなくなったが、仙洞御所、修学院離宮、桂離宮はネットと葉書と両方可能だ。桂離宮のみが有料1,000円だ。無料だからオンライン申し込みが機能しないわけでない。
当日は、マイナーカードや運転免許証のような身分証明が義務づけられている。
桂離宮などの場合は、やはり苔などの保護もあるが、皇室施設だけにテロの危険性に備える必要があるし、それ以上に、ガイドなどをする職員の数が限られているので、あまり多く来られても対応できないということがある。
各種の展覧会でも機能している。最近では、昨年の京セラ美術館の村上隆展がそうだった。
清水寺などの場合は、庭などで入場制限したい場所もないから、いちどに集中するのを避ければいいので、総数を減らすために必要なわけでない。むしろ、平準化することは大きなメリットだし、参道の商店街にとってもそうだ。
時間帯、季節、曜日などで分散させたらいいし、ピークのときは価格を上げ、閑散期は下げればいいし、ホテル料金のように、刻々と変化させてもいいわけだ。また、通勤通学時間は少し抑え気味にしてもらいたい。
料金は事前払い込み制で、来なくても返金しないことでいい。払い込み金額は、拝観料にお賽銭を任意に組み合わせ、お札をプリントアウトできたり来場時にもらえるようにしてもいい。食事なども組みこんでもいい。
前回も書いたが、最近は銀行が両替料をコイン1枚1円以上取るか、電子決済のほうがよほどありがたい。
清水寺をはじめ、金閣寺、竜安寺、銀閣寺、三十三間堂、平安神宮などなどこのシステムがうまく機能するだろう。
紅葉や桜の季節のみもっと拡大する手もあるが、それするなた、普段からしたほうが合理的だ。空いているときにはその場での販売もすればいいが、少し値段を高くすればいい。
もし、嫌う寺社があるとしたら、それは収入を知られたくないだけだろう。
嵐山の混雑は、嵐山にどう入るかがたいへんなので、また別の問題だが、渡月橋の下流にもう一本橋を架けるのは安全上も必要だし、商店街をもう一本つくるべきだ。嵯峨野線も関空特急はるかを山科駅始発にすることで、本数の増加も可能になるだろう。
*世界の人気観光地では、厳格な事前予約制になっている。早い時期からそうだったのは、イタリア・ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の壁に描かれたレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」で、ミラノに行っても見学できないのが普通だった。スペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿の予約システムも厳密で、団体旅行の案内にも事前予約がなければ「訪問できないことがある」と明記されている。
中国では故宮(紫禁城)が安全上の観点もあり予約制になったが、ついには、巨大な万里の長城すら1日6万5,000人に制限するようになった。
フランスでも、ルーブル美術館、エッフェル塔などは予約優先だし、火災後に修復されたノートルダム大聖堂も、これまでは無料だったが、予約制で有料になった。米国の美術館などでも予約制が広がっている。

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