23区中古マンション平均価格11,960万円で初の1億円超えが暗示するもの

不動産調査会社の東京カンテイが22日に発表した調査によると、2025年の東京23区における中古マンションの平均希望売り出し価格は、1億円を超える1億393万円に達した。家賃負担が所得割合で過去にない水準に達する一方、背景には分譲マンション価格の高騰や供給・需要の構造的な変化がある。

  • 東京23区のファミリー向け賃貸マンションの平均募集家賃が世帯の可処分所得の4割を超えたとの速報値が示された。一般に家賃は可処分所得の25〜30%が負担の目安とされてきたが、これを大きく上回っている。
  • 50〜70㎡の賃貸平均家賃は約25万円前後となっており、都心で暮らす世帯の家計を圧迫している。
  • 賃貸料金の上昇は単独の現象ではなく、新築・中古問わずマンション価格の高騰が賃貸市場にも波及しているとの分析がある。特に「億ション」と呼ばれる1億円超の物件が珍しくなくなったことで、ファミリー層の持ち家購入が困難になり、賃貸需要が高まった。
  • 東京都心のマンション価格高騰の背景には、投資需要、外国人投資家の参入、土地価格上昇、資金余力のある買い手の存在があるとされ、価格上昇期待が市場を支えている面も指摘されている。
  • 家賃が上昇しても、借地借家法による規制で貸主が一方的に家賃を引き上げにくい日本の制度的な硬直性があり、急激な値上げではなく徐々に高止まりする傾向が現れている。これが負担感の蓄積につながっている。
  • 建築費は近年大幅に上昇しており、建設コストの高騰が新築分譲・賃貸供給の収益性を圧迫し、供給側の慎重姿勢を生んでいるという内部事情もある。
  • 高額住宅の価格上昇は、実質賃金の伸び悩みと対照的であり、名目価格だけが上昇しているという批判的な見方もある。株式市場や他の資産と比較すると、住宅価格の体感的な上昇が過大評価されているとの見方も存在する。
  • 一方で、外国人投資家の視点では、賃料利回りよりも値上がり益を重視する傾向があり、主要都市としての東京の不動産の価値は依然として上昇余力があると見る向きもある。
  • こうした価格高騰を背景に、家計では夫婦共働きでの住宅ローン(ペアローン)の割合が増加し、ローン期間も長期化している。育児や雇用状況の変動が返済負担に影響するリスクが指摘されている。

住宅市場の価格・家賃上昇は家計を直撃し、従来の居住戦略を見直す必要性を迫っている。背景には物件価格の高騰、制度的な家賃硬直性、外国人・投資家の需要、建築コストの上昇など複合的要因が絡んでいる。今後の住宅政策や供給調整が家計負担をどう緩和するかが焦点となる。

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