米国の関税政策をめぐり、米国最高裁はトランプ大統領が緊急権限を根拠に導入した輸入関税を違憲と判断し、その後の裁判で企業への払い戻しも命じた。還付額は1700億ドル規模に達する可能性があり、米国の財政や貿易政策に大きな影響を与えるとみられている。
- 米国最高裁判所は2月20日、トランプ大統領が1977年の国際緊急経済権限法(IEEPA)を使って導入した輸入関税を違憲と判断した。判決は6対3で、関税の設定は大統領ではなく議会の権限だと指摘した。
- 関税は薬物流入対策や貿易赤字是正を名目に導入され、カナダ、メキシコ、中国などほぼすべての国からの輸入品に課された。税率は10%以上で、品目によっては25%に達していた。
- 関税による徴収額は2025年末時点で約1330億ドルに達し、判決時点では1600億ドル以上と推計されている。
- 4日、ニューヨークの国際貿易裁判所は違憲とされた関税を支払った輸入企業に対し、利息付きで払い戻すよう政府に命じた。
- 米税関・国境警備局(CBP)は還付システムの準備を進めており、45日以内に整備する方針だが、実際の払い戻しには数か月かかる可能性があるとしている。
- FedExなどの企業が関税返還を求めており、関連訴訟は数千件に上っている。還付総額は最終的に1750億ドルを超える可能性がある。
- トランプ政権は新たな10%関税を検討しているが、今回の判決により議会の承認が必要になる見通しとなった。
- 判決をめぐり政治的な対立が広がり、関税政策を批判する声とトランプ支持者の反論が入り乱れている。
今回の判断は、大統領の貿易権限に強い制約を加えるものとなった。巨額の関税還付が現実となれば米国の財政や企業活動にも影響が及ぶ可能性があり、今後の通商政策の行方が注目されている。

トランプ大統領 同大統領インスタグラムより







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