中道改革連合が次期総選挙で勝利のチャンスがある理由

長野市で「創価学会と中道・公明党」というテーマで、創価学会の会員を主とした500人を前に講演を行った。総選挙で惜敗した篠原孝・前代議士も参加された。

内容は、宗教としての創価学会の良さや強さの背景の分析、自公連立が四半世紀にわたり続いた理由と成果、高市首相がこれを解消したことの不条理、その一方で、いつか自民党政治のブレーキ役ではなく中道主義を中心に据えた政治に公明党が乗り出す必然性があったこと、総選挙での敗北の分析と中道改革連合が次期総選挙で勝つチャンスが十分にある理由と課題などを話した。そこで話したことを紹介したいと思う。

私の家の宗教は浄土真宗大谷派であり、本籍地の村は蓮如上人がお住まいになっていたこともあるので、先祖との縁ということで特別な思いもある。また、フランスに留学・勤務した立場として、フランス文明の一部をなすカトリックに対する特別の愛着も持っている。

その一方で、みなさん(創価学会の方々)の信心は素晴らしいと思うし、日本でも世界でももっと広がってほしいし、公明党の役割も高く評価しており、応援したいという立場である。

ただ、一般の人は驚くほど創価学会のことを知らない。そこで、組織外の人に対してはこのように説明したらどうかという提案として、『検証 令和の創価学会』(小学館)と『今こそ知りたい創価学会と公明党』(宝島社)の2冊を最近書かせていただいた。

自公連立政権の解消については、高市氏は馬鹿なことをしたし、公明党抜きの自維連立政権がいかに危険なものかも指摘したいと思う。

創価学会をなぜ評価するのか

創価学会は日本最大の宗教集団といわれるが、日本では信者数の公的な統計はない。月に何度か宗教的な行為をしている人を信者とするならば、すべての宗教を合わせて2割程度ではないかと思うが、そのうち2割余りが学会員だろうから、宗教団体として数えれば日本最大である。

創価学会の優れた点として、教義が正しいかどうかは立場によって評価が異なるため横に置くとして、「現代世界の普遍的な課題について前向きに取り組んでいる」ことと、「企業でいう顧客満足度に相当するものが高い」「経済的負担も合理的で、いわばコストパフォーマンスも良い」点を挙げたい。

世界的に宗教は冬の時代にある。生命科学が進歩し、人間とは何かが揺らいでいる現代においてこそ宗教は重要である。日本ではすべての宗教が衰退しているが、創価学会は微減ながら安定しているため、時代に合わなくなっているわけではない。宗教全体としての復興をより意識すべきであり、創価学会には宗教界の代表として積極的な役割を期待したい。

創価学会は日蓮大聖人の教えから出発しているが、牧口先生以来、釈尊から日蓮大聖人に至るまでの仏教史を正しく踏まえている点を評価したい。とくに重要なのは、大乗仏教や法華経が成立した時代を理解することだと思う。そうしてこそ、現代世界の問題に普遍的に向き合える。

創価学会の方々は、「言葉遣いがきちんとして礼儀正しい」「本をよく読むなど学ぶ姿勢がある」「迷信やデマに惑わされず科学的」「地域活動に熱心」「環境への意識が高い」「海外への関心も高く国際的」「先祖供養もきちんとしている」といった長所があると思う。したがって、自らがよき日本人、よき地球人であるという意識や誇りを持ち、世間にもそれをアピールすべきである。

自公連立解消と中道改革連合について

自公連立政権は、保守に傾きがちな自民党に対してブレーキ役となり、また細やかな配慮ができる点で公明党が補完し、良いバランスを保っていた。ただ、いずれは公明党が中心に位置する政権ができてほしいとも思っていた。

高市首相の暴走による連立解消で中道改革連合が成立した。選挙結果は不本意だったが、党の基本方針は理にかなっているため、粘り強く取り組めば必ず政権を獲得できると思う。

宗教政党が中道を志向するのは当然である。ヨーロッパではキリスト教民主主義が主要な政治思想の一つであり、19世紀末から20世紀初頭にかけて、資本主義と社会主義の対立を克服する道としてローマ教皇レオ13世が提唱したものである。昨年、レオ14世が誕生したが、新教皇はレオ13世の精神を継承しようとしてこの名を選び、世界平和などについて積極的な発言を行っている。宗教が政治の混迷に対して発言すべき時代である。

公明党について仏法民主主義を基盤としていると説明すると、欧米の人々にはすぐ理解される。生命倫理など価値観が混乱する現代においてこそ、宗教を基盤とした中道主義が正しい道を見いだす必要がある。

「中道」の考え方は正しく、公明党が28名を比例上位とし、小選挙区は立憲とする戦略も理にかなっていた。しかし敗北し、とくに立憲の候補者にとって厳しい結果となった。それでは、なぜ敗北したのか。

  1. 高市氏の明るいキャラクターづくりが成功した。野田氏は同じ政経塾出身で似たキャラクターだが、失敗した元首相という印象があり、高市氏の未知の魅力に期待が集まった。
  2. 党名に「民主」を入れるべきだった。非自民勢力の代表としての民主ブランドには依然価値があり、立憲民主支持者の離反を招いた。
  3. 公明党が小選挙区に候補者を出さなかったのはやや極端だった。また、立憲以外の候補者も一定数擁立すべきだった。
  4. 反中国の風潮がSNSを中心に広がり、中道が中国と近いとみなされ否定的に受け止められた(世界はトランプ大統領の米国に距離を置き、中国との連携に向かう中で、日本だけが孤立している)。

結果として惨敗となったが、次の選挙の見通しは暗くない。最大の理由は、自民党が勝ちすぎたことで次回選挙では新人候補をほとんど擁立できない点にある。国民民主も自民党と連携するメリットは乏しい。郵政選挙後にも同様の現象があり、その結果、民主党に有力候補が集まり大勝につながった。

中道改革連動、立憲民主党、公明党と野党3党による党首会談2026年3月18日 中道改革連合HPより

高市訪米など最近の動きについて

高市訪米は成功とはいえない。高市首相が独断で自衛隊派遣を約束しなかった点は評価できる。憲法を理由に派遣できないとしたが、戦争の趣旨を前向きに評価している以上、財政負担や憲法改正圧力は高まるだろう。「国際法上も疑問があり、日本の利益にならない戦争には参加できない」と明確に述べるべきだった。

憲法改正については、公明党は従来消極的ながら明確な反対もしてこなかったが(第9条の2、第5章説)、高市政権下での改正には明確に反対すべきである。スパイ防止法も、反政府を理由に逮捕される恐れがある。実際、国会でも高市批判に対して与党議員から「スパイ」などの野次が飛ぶ状況であり、SNSでもスパイ防止法を制定して批判者を摘発すべきだという声が見られる。こうした動きを高市首相が明確に否定しないのは遺憾である。

治安立法は、当初の目的を超えて拡大解釈される傾向がある。牧口・戸田両先生が逮捕された治安維持法も、当初はコミンテルンによる革命運動への対処として制定されたものだった。

しかし実際には、牧口・戸田両先生や左派だけでなく、吉田茂元首相も和平工作で逮捕され、岸信介も取り締まり対象となる可能性があった。治安立法の強化は、法治主義と人権意識が極めて高い指導者のもとで厳格な歯止めを設けない限り危険である。

講演の様子


今こそ知りたい創価学会と公明党
【目次】
序章 公明党と新党の今後を展望する
第1章 日本人が知らない巨大教団の実像
第2章 仏教史からひもとく創価学会の歴史
第3章 公明党とは何か
第4章 現代史からひもとく公明党60年史
終章 創価学会と公明党の未来

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