森衆院議長「野党が求めた党首討論と集中審議を検討してほしい」の不可解

森議長は与党に対して「野党が求めた党首討論と集中審議を検討してほしい」と述べ、皇室典範の改正案については「静ひつな環境で取り組んでほしい」と呼びかけました。

三権の長である議長が、与野党対立の仲介に乗り出す。字面だけを見れば「異例の事態を収める大人の対応」に映るかもしれません。

しかし、よく考えていただきたいのです。いま審議を全て欠席し、国会を止めているのはどちらの側なのでしょうか。

国民民主党の古川代表代行は「審議拒否しているのは与党の方だ」と主張しておられますが、すべての審議を欠席しているのは野党の側であるというのが客観的な事実のはずです。

その状況下で、公平中立であるべき議長の口から出てきた要請が、結果として野党側の要求とほぼ重なって見える。

私にはこれが、どうにも不可解に思えてなりません。

衆議院事務局HPより

同じ問題意識は、我が党の藤田共同代表も明確に指摘しています。

藤田共同代表は、法案審議の順番や日程を議長の影響力で差配することについて、議会運営や三権分立の観点から正しいやり方なのか疑問を呈しました。

国会の日程は本来、与野党が責任をもって協議して決めるものであり、議長の影響力でその順番が動かされるのだとすれば、それは慎重に考えるべき事柄なのではないでしょうか。

そして藤田共同代表は、衆議院の議員定数削減法案や副首都法案など、連立合意に基づく政策は今の国会で全て成立させると改めて強調しました。ここが今回の核心だと私は思っています。

なぜ、終盤のこの時期に、これほど不自然な動きが噴き出してくるのか。

私が気になっているのは、連立合意で約束した議員定数の削減です。これは既得権にメスを入れる、まさに身を切る改革の象徴です。

だからこそ、この改革を心の底では望んでいない勢力が、永田町のあちこちに存在しているのではないか。

あらゆるところに、維新と交わした約束を反故にし、とりわけ議員定数削減を何とかして流したいと考えている人たちがいる。

今回の一連の動きの背後には、そうした思惑が透けて見えるように感じるのは、私だけではないはずです。

表に出てくる一手一手は穏当に見えても、盤面全体を眺めれば、誰が何を止めようとしているのかがうっすらと浮かんでくる。

終盤の国会内は、まさに百鬼夜行。しかしこれで終わるわけにもいかない。明日以降の展開にもご注目いただければ幸いです。


編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年7月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    知人と話してたら「包丁持って暴れているやつ。おとなしいやつ。どっちかに妥協してもらうってことなら、
    おとなしいやつに妥協してもらうほうが脳みそ使わなくていいじゃん。森議長はたんぽぽの花を置く仕事の方が向いてる」
    思わず笑ってしまった。

    閑話休題

    森議長の「野党が求めた党首討論と集中審議を検討してほしい」という発言、私も違和感を覚えます。

    まず整理しておきたいのは事実関係です。
    国民民主党の古川代表代行は「審議拒否しているのは与党の方だ」と主張していますが、記事にもある通り、実際にすべての審議を欠席しているのは野党側です。
    古川代表代行は次の選挙で落選しそうですね。

    ここで一番の論点だと思うのは、「騒いだ側が得をする」という悪しき前例になりかねない点です。
    要求が通らないから審議全体に出ない、という手法を取った側に対して、議長が結果的にその要求をくみ取る形になるなら、それはかなり危うい。
    本来必要なのは、まず審議の場に戻らせることではないでしょうか。
    出席して、反対し、追及し、採決で意思表示する。
    それが議会政治の基本です。
    気に入らない日程や法案があるからといって、国会全体を人質に取るやり方を正当化してはいけないと思います。

    難しい相手との調整を避けて、御しやすい側にだけ「互譲の精神」を求めるのは簡単です。
    しかし本当に価値があるのは、審議拒否という強硬手段を取っている側に「まず議場に戻りなさい」と言うことのはずです。
    そこを避けて譲れそうな相手にだけ譲歩を求めるなら、それは調整ではなく仕事をさぼっているだけ。

    議会政治を守るとは、出席し、議論し、採決で責任を取るという当たり前のルールを、野党に守らせることだと思います。
    この学習が「出席して反論するより、欠席して圧力をかけるほうが得だ」という方向に働けば、最後に損をするのは有権者です。