養子制度をめぐる「外戚」論
皇族の養子として旧宮家の男子を迎えたら、麻生太郎自民党副総裁が外戚としての影響力を発揮することになるという珍説があちこちから出されている。

麻生太郎氏 自民党HPより
そういう説を唱える人は、だいたい女性皇族に結婚後も皇族に残れるようにするだけでなく、その結婚相手や子も皇族にし、皇位継承権を与えることを主張している。
それでは、この2つの案が実現した場合に麻生太郎氏の立場がどうなるかシミュレーションしてみよう。
女性皇族と旧宮家養子の対象
現在、女性皇族のうち、皇后陛下や皇嗣妃殿下、妃殿下を別にして、愛子さま、佳子さまという2人の内親王、三笠宮彬子女王(44歳)、瑤子女王(42歳)、高円宮承子女王(40歳)がおられる。なお、高円宮家にはこのほか、すでに結婚されて皇室を離れられた千家典子さん(37歳)、守谷絢子さん(35歳)がおられた。
今回の皇室典範の改正案では、両陛下や皇嗣殿下・妃殿下は養子を取れないことになっているので、取れるのは、常陸宮殿下ご夫妻と三笠宮寛仁親王妃信子さまと、上記の3人の女王ということになる(現在の要綱では佳子さま、愛子さま、悠仁さまは養子が取れる側になっているがやや不自然である)。
養子の子が天皇になる可能性
そして、この信子さまは麻生太郎氏の妹であり、彬子さまと瑤子さまが姪であって、養子を迎えることができる。また、養子は皇位継承権がないが、その子にはあるとされることから、麻生太郎氏が天皇の養祖母の兄ないし、養祖母の伯父になり外戚としての影響力を行使できるということらしい。
しかし、この養子の子が天皇になるとすれば、悠仁さまのあとだから、仮に悠仁さまが上皇陛下の退位と同じ年齢で退位されたとしても2092年であり、麻生太郎氏は150歳を超えているのだから、荒唐無稽である。
本当に外戚化するのはどちらの案か
逆に、野田佳彦氏らが執拗に要求している結婚後の内親王や女王の皇室残留を認め、しかも、夫や子も皇族とし、あわよくば皇位継承権も認める案だと、現行法制では結婚と共に皇室を離れなければならなかった彬子さまや瑤子さまは、結婚後も皇室に残れるのみならず、その夫や子も皇族になり、皇位継承権も場合によっては持つことになる。

野田佳彦前代表 中道改革連合HPより
彬子さまの44歳、瑤子さまの42歳という年齢は微妙だが、最近はそのくらいの女性の出産も増えている。つまり、麻生太郎氏の妹信子さんの血のつながった孫が天皇になる可能性が本当に出てくるのである。
外戚としての麻生太郎氏について論じるなら、養子説よりそちらのほうを論じるべきであり、それを防ぐためには、野田佳彦氏らは女性皇族の夫や子を皇族にしようというご主張を撤回されたほうがよほど気が利いている。
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