先月、政府が省庁に無駄を見直させる日本版DOGEを自主的に行わせたところ、一件しか見直し対象が出てこなかったことが話題となりました。
【参考リンク】税優遇の見直し「廃止」1件のみ 日本版DOGE、120件点検 財源捻出見通せず
当初目標の1割程度の成果しか上げられなかったとはいえ、約2140億ドル(約33兆円)ものコストカットを成功させた米国DOGEとは比べるのが失礼なほどしょぼい成果ですね。
いったいなぜ日本版DOGEは大コケしたんでしょうか。そもそも、何が無駄かを判断して見直しを進めるのは誰の役目なんでしょうか。
企業改革にも通じる話なのでまとめておきましょう。

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年功序列型の組織に「仕事を減らす」という発想はない
日本で無駄の見直しが進まない理由は以下の3点です。
・そもそも、無駄と分かったうえでやっている事業などない
これ勘違いしている人が多いんですが、そもそも無駄と分かっていて手掛けている事業なんて、政府にも企業にもありませんから。
無駄とわかっていて公金突っ込んでたら大変なことになるわけで。
もう一度繰り返しますが、世の中に「無駄な事業」なんて一つもありません。
「ひょっとして無駄なんじゃないの?」っていう事業ならいっぱいありますし、中には「いや絶対無駄だろ!」みたいなのもありますけど。
少なくとも「ハイ、実はこれとこれが無駄でした、テヘ」なんて向こうから出してくるなんてことはありえません。
・そもそも、役人に要不要を判断する権限はない
これもすごく勘違いしている人が多いんですが、何の事業が必要で何が無駄かを決めるのは有権者、そしてその選挙で選ばれた政治であって、官僚にそんな権限はないです。
どんな政策や事業にしてもなにがしかの法的な根拠に紐づいて運営されているわけで、それを飛び越して勝手に取捨選択なんてできませんから。
いろいろ悪評のあるNPOビジネスにしたって、あれは政府が「新しい公共」の名のもとにNPO法を改正したから役所もそう動いているわけで、好きでやっているわけではないです。
有権者が選択した政権が実現した政策を勝手に見直したらそっちの方が大問題でしょう。
企業も同じですね。たまに「予算を〇割カットしろとトップが命じるだけで民間はすぐに無駄な予算を減らせるのだ」みたいなアホなことを言う人がいます。
もう一度言いますが、各省庁に「2割削減しなさい」でおしまいです
民間で働いてたらこれで普通に通じるんだけどなぁ… https://t.co/DqAamu2zFS
— 長谷川 豊 (@y___hasegawa) July 30, 2025
でもトップが無駄なものを出せと言って「はい、実はこれ無駄でした、てへ」なんていう部下なんていません。せいぜい数字ごまかして粉飾するくらいでしょう。
何が無駄かを判断するのはトップの仕事だということです。
・そもそも、無駄を減らすインセンティブがない
そして最も大きな理由はこれです。そう、日本の役所にはそもそも「無駄を見なおす」というインセンティブが存在しません。
なぜか。それは役所というのはコテコテの年功序列型組織であり、ポストの確保が至上命題である=仕事をどんどん増やしてナンボだからです。
筆者自身も若い頃、偉い人がこんな訓示をするのを聞いたことがあります。
「いいかおまえら!仕事を減らそうとするやつは敗北主義者だ。仕事は常に増やせ。他の部署からどんどん仕事を取ってこい。そうすれば将来出世もできるぞ」
当時はそんなもんかなと思ってましたけど、今思うとただのアホですね。上記の発言者みたいな「働かないオジサン」がふんぞり返る座布団が増えるだけで、組織にとっても社会にとっても害悪でしかありませんから。
要するに、ポストを配分するというのが唯一の報酬である単線型のキャリアパスしかない組織に対し、将来的なポスト減をもたらすような業務改革はそもそも期待できなかったこと。
しかも、本来それを判断すべき立場にある政治家がそれをやらずに丸投げした結果が「日本版DOGE、見直し1件」というオチにつながったわけです。
以降、
組織に無駄を見直させるために必要なこと
無駄を見直せる企業、見直せない企業
■
以降、
日本人でさえも「空気を読む」のを嫌がるようになったわけ
空気を読むことに長けた人ばかり集めても組織は成長しない
Q:「リファラル採用のメリット、デメリットとは?」
→A:「まあ紹介者のメンツの問題はありますよね」
Q:「管理職は罰ゲームですか?」
→A:「少なくとも年功に対するご褒美の時代は終わりましたね」
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