皆さまはDriving Force (ドライビング フォース)という言葉をご存知でしょうか?物事を前に推し進める原動力といった意味で使われるのですが、究極的には「何がそうさせたのか」という考えだと思ってよいかと思います。
人々は常に何かを判断し、行動を起こします。例えば日常の買い物をするにしても友人に会うにしても偶然がそうさせるのではなく、何かがそうさせるわけです。例えば今夜のおかずは何にするかを決める際に子供たちからのリクエスト、テレビで見たなどその因果が必ずどこにあるのです。友人に会うにしても沢山の友人からその人を選んだ理由があるのです。
この原動力が何処にあるかを考え始めるとなかなか世の中の見方も興味深いものを感じます。
例えばトランプ氏がごく最近「ガソリン高を責めるべきではない」と言っています。高いガソリン価格に国民は不満なのですが、トランプ氏は無意味な戦争を仕掛けたという世論をかわそうとするわけです。その理由が「悪を放置してよいのか」と。ではトランプ氏は神なのか、といえばそうではありません。アメリカからはるか遠いイランに手を出す理由は何か、と考えれば先日のブログに書いたように福音派の強いプレッシャーがあり、トランプ氏は一種の操り人形にすら思える時があるのです。つまり「権力の笠を借りた傀儡」であります。
トランプ氏を動かしているのは後ろに控える強力な支持基盤であり、彼らが満足できる強硬な姿勢を貫き通さなければ次回の選挙は厳しくなる、だから一部の国民のインタレストを犠牲にしてでも支持基盤の声は聞かざるを得ないわけです。
政治家は洋の東西を問わず、基本的には同じ構図だと思います。例えば高市氏が現在の政治姿勢を崩せないのは彼女の支持基盤である右派でブレないポリシーを好む層からそっぽを向かれるのが怖いわけです。要は政治家ほど世の圧力により強硬な姿勢を取らざるを得ず、自身の考えの変更は自身の政治生命すらおびやかすものになりやすいとも言えます。例えていうならばハンドルがなくブレーキとアクセルだけの自動車のようなもので、厄介なものであります。

トランプ大統領と高市首相 ホワイトハウスHPより 2026年3月19日
では企業経営者はどうでしょうか?企業経営における主たるDriving Forceは誰か、と言えば顧客、従業員、株主ですが、究極は顧客が満足すれば業績が上がり、従業員にも報酬で応えられ、株主も株価が上昇することで満足するという図式を考えれば「お客様は神様です」ということになり、経営方針は顧客の反応次第であり、経営における顧客からの反応の影響は非常に強いとも言えます。
我々一般人レベルで考えると「あの人、最近変わったよね」というケースがしばしばあると思います。その理由は一般人には影響力や刺激を与える人が比較的少ない中で突然、新鮮な切り口が降臨してきてすっかり変わってしまう訳です。もちろんリアルの人に会うのもあり、ユーチューブの刺激的なトークにハマってしまうのもあり、ファンだったその人のインタビューや番組ですっかりその世界に入りこむこともあるでしょう。特に女性の場合、脳科学的に感性的な受動感覚が強いのでハマりだすと周りが見えなくなるほどになってしまう人もいます。先般も投げ銭で母親を殺した事件もありましたね。
つまり人は常に誰かに影響を受け続けているのだからその影響力が何処にあるのか、思想の支配をしているのは何処にあるのかを見つければ「なるほど、だからあなたはそういう考えなのね」という納得感が生まれるのです。
以前話題に振ったと思いますが、男性が女性と結婚する際にはその女性の母親を見よ、と申し上げました。なぜなら多くの場合、娘は母親と極めて近い関係を大人になっても維持しており、母親の影響力は絶大なものであるのです。よって20代の娘さんが20-30年後どうなるかを想像したければその母親の考え方、生きざま、更には料理や掃除の癖までチェックすることでほぼ娘さんの将来を水晶玉をみるように予想することが出来るのです。
人は一人では生きていけない、とされます。ところが高齢の男性ほど友人が少なくなり、家族とも会話が減り、思想的閉塞感が出やすくなります。すると頑固になるんですね。昔のあの考え方にしがみつき、新しいものになかなか移行できないのです。つまり高齢の男性は逆にDriving Forceとなるバックグランドをもっと積極的に増やすことが必要で、時として興味がないことに取り組んでみたり、耳が痛いことを聞くことも必要だとも言えないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月16日の記事より転載させていただきました。







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