黒坂岳央です。
「独身者は既婚者と会わないほうがいい」という記事をたびたび目にする。何でも「まだ結婚しないのかと聞かれる。子供の愚痴という体裁の自慢を延々と聞かされる」とのことだ。実際にそういう既婚者はいるし、不満はわからなくもない。
その一方で、既婚者の側から「独身者との会話に困る」という話はあまり見かけない。書けば即座にマウントだと反撃されるのが分かっているからだ。だが筆者はむしろ、「独身者」との会話にこそ困った経験が少なくない。
先に結論から言うと問題は既婚者だからでも、独身者だからでもない。ダメなのはその人の人間性で、既婚者、独身者といったステータスが本質ではない。

独身者が既婚者に抱く不満
まず、独身者側の言い分を確認しておきたい。筆者が見聞きしてきた頻出するのはざっくり、次のようなものだ。
1つ目は子供の話題である。独身者にとっては「興味がないし、マウントに聞こえる」というものだろう。
2つ目は「まだ結婚しないの?」この質問の厄介さは、答えが存在しない点にある。したくないと答えれば強がりと受け取られ、したいと答えれば相手は勝手に相談モードに入り、余計な助言を始める。
3つ目は善意による紹介の申し出だ。頼まれてもいないのに知人を紹介しようとする。断られると「贅沢を言っているから決まらない」という理屈に進む場合すらある。
そして最後が老後の話だ。「寂しくない?誰が介護を?」というものだ。不安の押し付けを心配という語で包んでいるだけである。
既婚者が独身者に抱く不満
そしてここがあまり語られることがない、本稿のメインテーマだ。実際に筆者がされてきたものをいう。
1つ目は「結婚っていらなくない?」「子供がいると自由じゃなくない?」だ。「それを既婚者の自分にいうか?」と思ってしまうが、これは本当に少なくない回数言われてきた。
この発言の問題点は相手の重い選択を否定している点にある。「結婚はコスパ悪い、子供は自由を奪う」という可能性は既婚者であれば、耳にしたり悩まない人はほぼいないと言い切っていい。
相手の重い選択を軽く否定する発言はそのままブーメランにもなり得る。それなら「結婚しないのって後悔しないの?」もあり得てしまう。つまりこの発言をする人は「自分に言われたら頭に来ることを相手に言ってしまっている」という状態なのだ。
そして2つ目は家庭持ちである配慮がない。これは本人は未経験者なので仕方がないのだが、「今から家いっていい?」「日曜日って暇?」みたいな提案だ。
家庭を持つ人にとって自分は二の次で家が中心に動いている。独身時代は自分もフットワークが非常に軽いタイプだったが、もうそこの自由はなくなっている。いけないと説明すると「なんだよ、ノリ悪いな」みたいに返ってくると残念な気持ちになってしまうのだ。
以上の2つに絞ったのは、他にも細かな摩擦がないわけではないが、大半は個人差の範囲に収まる程度のものだからだ。
問題は既婚か独身かではない
ここまで両者の不満を並べてきたが、問題の本質は相手が「独身か?既婚者か?」というのは実はまったく関係がない。つまり、イラッと来る発言をするのはその人が相手に配慮できない点に問題がある。ダメなのはその人自身だ。
筆者自身は、会話の相手が既婚か独身かを意識したことがほとんどない。理由は単純で、相手の立場を配慮すればいいだけだからだ。自分は相手から聞かれない限り、自分から家族の話はしないし、相手が既婚でも独身でも配慮をする。
つまり、相手との会話が苦痛になるのは、聞かれていない、求められてもいないのに自分の話を延々と続ける人間が苦痛なのである。まだ結婚しないのかという問いも、「結婚なんてメリットあるの?」と否定的な発言も同じで、相手のデリカシーがない点が問題の本質だ。
◇
相手が独身か、既婚かは本来関係ない。相手の気持ちに配慮出来ない人間は誰からも嫌われるだけの話だ。
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「Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)







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