国際通貨基金(IMF)が2026年10月13日に公表した世界経済見通しによれば、日本の名目GDPは2027年にインドと英国に抜かれ、世界4位から6位に後退する見通しとなった。日本は2010年に中国に抜かれるまで長く世界第2位を維持し、2023年にはドイツに抜かれて4位となり、2026年にはインドに抜かれて5位になりそうだが、2027年には6位になるということになる。
日本ではもう諦めの境地なのか、それほど大きな話題になっていないが、中国のテレビニュースではさっそくトップニュースで報じている。

モディ首相と会談する高石首相 首相官邸HPより 2026年7月
2027年、日本はGDP世界6位に転落
GDP世界上位10か国の推移
| 順位 | 2025年 | 2026年(予測) | 2027年(予測) |
|---|---|---|---|
| 1 | 米国 | 米国 | 米国 |
| 2 | 中国 | 中国 | 中国 |
| 3 | ドイツ | ドイツ | ドイツ |
| 4 | 日本 | 日本 | インド |
| 5 | インド | 英国 | 英国 |
| 6 | 英国 | インド | 日本 |
| 7 | フランス | フランス | フランス |
| 8 | イタリア | ロシア | ブラジル |
| 9 | ロシア | イタリア | イタリア |
| 10 | カナダ | ブラジル | ロシア |
2026年については、各種予測のなかでインドが日本を抜いて4位になるのではないかという予測もあるが、IMFは2026年には日本は4位にとどまるとしている。日本が英国に抜かれるのは、従来は2029年と予測されていたが、それが2027年に前倒しになるようだ。
購買力平価でみた日本の経済力
ちなみに、歴史的な動向としてよく使われるPPP(Purchasing Power Parity、購買力平価)では、①中国、②米国、③インド、④ロシア、⑤日本、⑥ドイツである。円安で日本はドイツや英国に抜かれても、物価が安いので、PPPではまだドイツや英国に負けていない一方、通貨が低く評価されているロシアなどよりGDPは高いということだ。
さらに、PPPとGDPを歴史的にみるとこうなる。
歴史から振り返るインド、英国、日本のGDP
1.PPP換算GDP総額の順位変遷
| 年 | 順位 | 備考 |
|---|---|---|
| 1870年 | インド、英国、日本 | インドは英国より大きい |
| 1913年 | 英国、インド、日本 | 英国がインドを逆転 |
| 1950年 | 英国、インド、日本 | 戦後の出発点 |
| 1973年 | 日本、英国、インド | 日本が両国を逆転 |
| 1989年 | 日本、インド、英国 | インドが英国を再逆転 |
| 2008年 | インド、日本、英国 | マディソン旧推計での順位 |
Angus Maddison, Contours of the World Economy に基づく。
ここでの「インド」は、1913年以前についてはインド亜大陸全体を意味する。
2.名目GDP(ドル換算)の順位変遷
| 年 | 順位 | 備考 |
|---|---|---|
| 1965年 | 英国、日本、インド | 日本と英国がほぼ並ぶ |
| 1966~67年頃 | 日本、英国、インド | 日本が英国を逆転 |
| 2022年 | 日本、インド、英国 | インドが英国を逆転 |
| 2027年(予測) | インド、英国、日本 | インドと英国が日本を逆転 |
国力の衰退を認めることが反撃の出発点
世界の歴史において、ほとんどの時期に最大の経済圏だったインドは、18世紀から英国に過酷な収奪を受け、独立の時点では英国本土にPPPでも抜かれていた。また、日本はGDPでは1960年代後半にインドや英国を抜き、PPPでも1970年代に上回った。
それが、いまやGDPでは両国に抜き返され、PPPではインドに逆転された。この国力の衰退を率直に受け止めることこそが反撃の出発点である。
私がこういうことを言うと「あなたは日本が嫌いなのか」という書き込みが殺到し、国賊だという者までいる。これでは反撃も何もあったものではない。
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