なぜ領土紛争は国民を熱くするか - 石水智尚

人間というのは自分の土地に対して強烈な所有欲を有しているようです。多くの人間が集まった国家というのは、更に強烈な領土欲を持っているようです。自分が所有している訳でもない辺境のゴミのような島に対して、なぜ国民は強い執着を持っているのでしょうか。


私のおじさんは若い頃に東京へ出て電気屋をしていましたが、田舎に残る親類の勧めもあり、70歳を越えてから故郷の町に帰ってきました。おじさんが住む土地として選んだのは、自分が生まれ育った家があった土地で、少なくとも40年以上は草ぼうぼうの荒地でした。

荒地は整地されて、きれいな家が建ちました。そこでおじさんの家には、お祝いの為に親戚一同が集まってきました。そのほとんどは70歳を越える老人で、その土地にまだ家が建っていた頃に、ここで育ったおじさんの兄弟たちでした。

おじさんは自慢の家の隅々まで案内する為に、みんなを連れて庭をぐるっと一周しました。その時、あるおばさんが不審な声で言いました。
「あの井戸が動いている!」

むかしこの家の庭には井戸がありました。その井戸は、隣の家の境界線から2メートル以上離れていたとの事ですが、今見ると、井戸は隣の家のすぐ傍にあります。次に、誰かが言いました。
「井戸が動くわけはないだろう」

そうです。この話は「日本むかし話」とは違いますから、井戸に足が生えて夜中に自分で動くというオチはありません。当然の帰結として、その日からおじさんと隣家の家主との間で境界線紛争が勃発しました。

何度か話し合いがもたれました。隣家の家主は、おじさんの父親や母親(とっくに鬼籍に入っている)の名前を出して、口約束だが「使って良いと言った」と主張します。あまりに死んだ人の名前ばかりを出すので、別のおばさんが提案しました。
「それじゃ、イタコを呼んで来て、本人に聞いてみよう」
一同大爆笑しましたが、それで和解できる筈もありません。こじれた境界線紛争は、どうやら次の世代に持ち越されてしまうようです。(*)

個々の人間でも、土地に対する執着はなみなみならぬものがあるようです。これが国家となったらどうなるでしょうか。日本は、韓国とは竹島、ロシアとは北方領土、中国とは尖閣諸島で領土問題を抱えています。政府が領土問題を解決する為に妥協案を出せない・呑めない主な理由はおそらく、たとえ誰も住んでいない辺境のゴミのように小さな島であっても、他国から削られる事は1ミリたりとも我慢できない、という国民感情がある為だと推測します。

たとえば尖閣諸島の問題では、経済的妥協案に反対する方の意見を、もともと我々の領土という愚のコメント欄で沢山頂きました。それらの多くは、中東に匹敵する油田があるとか、潜水艦基地ができるとか、シーレーンが危ないとか、次は沖縄が取られるとか、誇大妄想的な意見が多かったと感じています。そういう荒唐無稽な意見を真面目に主張する方が多いという事が、領土問題が人間の心理に与える影響の強さを物語っているようです。

*「おじさんの境界線紛争」は、領土問題の前フリとして考えたネタなので、現実世界とは関係ありません。

コメント

  1. mikean より:

    あなたの主張はナンセンスです。

    短期の経済という一面でしか合理的ではないからです。
    長期的に考えれば、デメリットがはるかに多いです。
    それに相手国が協定を絶対に守るという前提に立っています。外交はそんなに上品ではないでしょう。

    だいたい、辺境のゴミのような島を、なぜ彼らはほしがるのか
    中国の戦略家になったつもりで、長期的かつ多面的に考えれば、理由は見えてくるはずです。

    尖閣諸島とその海域には、軍事的、政治的、経済的、国際法的に価値があると思います。

    あと、国民感情だけに理由を求めるのはよくないと思います。

  2. ap_09 より:

    領土の問題というのは、単なる感情論ではではなく、軍事、経済的に他国からの支配・被支配という影響をもたらすので、深刻になるざるを得ない問題だと思うのですが、この件に関してあれほど反対論が出たのにもかかわらず、未だにお気楽に「辺境ゴミのような島」と言い切れてしまうところが、ある意味すごいなぁ、と、逆に感心したくなります。いくら平和ボケとはいえ、日本の多数派がここまで“平和ボケボケ”でないことを祈ります。

  3. haha8ha より:

    なにがいいたいのか分からないが、あえて釣り堀で考え膨らませるのもアゴラかと思うので。
    尖閣の流れとしては
    もともと有人島が、無人島になり、他国が使用、(いずれは他国領?)
    別に尖閣だけではないわけで、与那国島、西南諸島も同じ流れかと思われます。そのころは本土だって、どうなっているやら分かりませんからねえ。
     
    で、それでいいという意見と、いけないという意見があり、いけないという意見で考えてみるのですが、ありそうなのが、「日本から分離独立」。日本の借金から逃れることができ、小さい政府で機動力も発揮できます。
    「アメリカの州に編入」というのもおもしろそうです。
     
     妄想記事なので、妄想コメントでした。

  4. srx600_2 より:

    石水智尚さんはゲーム理論をまったく考慮に入れてないみたいですね。それともあえて書かないのか。
    次の条件が絶対なら誰も領土など気にかけないですよ。

    これからすべての国が自国以外の領土を主張しない、又あらゆる侵略・暴力行為を行わない。

    あなたのtwitterでのコメントをみると、中東でのテロや宗教間対立、中国の民主化が混乱を生む可能性などに言及していて、世界の紛争に対する危機意識をお持ちのようですね。
    それならば、それらが日本に波及し領土問題を引き起こす可能性ぐらい当然理解していると言うことですね。その上で日本人は領土問題を意識するなと石水智尚さんは主張なさるわけですね。

    これを我々の業界ではダブルスタンダードといいます。

  5. srx600_2 より:

    残念ですが日本を完全に見放している人と議論するのは無益かもしれませんね。
    下記のtwitterを見ると日本が中国領になった後の事まで想定なされていますね。本文では中国に対する危機意識が妄想だと断言されてますが、日本人には甘んじて中国の支配を受けろというのが本心だと理解しました。

    親中国かと思っていたが、あなたは中国人になりたいわけだ。

    石水さんのtwitterからの切り抜きで申し訳ありませんが。

    # 日本がチベットのような直接的同化政策の対象にならない理由は、同化過程で起こる欧米的価値観や人権意識の逆直流入が中国全体の治安維持のリスクを高めるからです。RT @L_star: @mutteraway チベットのようになるという人もいますね。 5:55 PM Oct 24th Osfoora for iPhoneから

    # チベットのようにならない合理的な理由があります。香港と深�祁市の間に実質的な国境が未だにあるのと同じ理由です。RT @L_star: @mutteraway 香港は理想的な敗北時の落とし所なのは同意しますが、チベットのようになるという人もいますね。

  6. bobby2008 より:

    srx600_2さん

    繰り返しになりますが、親中国でも反中国でもありません。国家の未来や隣国との関係においては、願望よりも現実を重視したいと考えています。

    中国が高度成長期にあるのは事実です。経済発展をあと10年間続け、稼いだ外貨で軍備の近代化・増強を続ければ、政治的にも米・露に比肩する大国となる事は明白です。そして、中国の経済発展が止まるという根拠はどこにもありません。

    一方の日本は、狭い列島に1億数千万人が住み、資源がないので貿易で外貨を稼ぐしかないにもかかわらず、バブルが弾けてからの過去20年間、内向きになって衰退を続けています。

    現状維持で日本の衰退を座して待つ事も、勝てない相手へ運まかせに無謀な戦いを挑む(たとえば日露戦争や太平洋戦争など)事も、決して日本の為になるとは思えません。

    アジアの経済圏が中国を中心にブロック化して、衰退した日本がその圏内にあれば、未来の日本が取り得る現実的なオプションは容易に推測可能ではないかと考えます。

    そのようなオプションについて真剣に考える事は、日本人にとって必要な事かと思います。

  7. izumihigashi より:

    確かに領土となるとどの国も熱くなります。
    領土、領海は近隣国同士にとって、権益の
    隣接線になりますからね。こちらが引っ込めば
    あちらが出っ張る、こう言う関係になっちゃいますから、
    双方譲り合うなんて事は難しいですね。

    ちょうど故郷の土地の井戸の話と同じ事です。
    こと領土、領海問題になると、摩擦を避けるために
    こちらが引くという行為は解決策にならないのです。

  8. bobby2008 より:

    mzchさん(TB頂きました)

    典型的なポジショントーク記事、楽しく読ませて頂きました。

    日本国政府が国民に負っている義務の中には、国民の生命財産を守り、生活を守る事が含まれていると考えていますが、そのどちらにおいても、日本が中国とどう付き合うかというの関係は極めて重要なファクターです。

    中国市場がなくてもやってゆけるという「願望」を持っている人がいるようですが、ならば中国市場なしで、どのようにして日本が経済を維持・発展させるのか、現実的な対案をお聞きしたいものです。(もしあればですか...)少なくとも欧州諸国や米国は、政府も企業も、中国市場へのアクセスを高めようと益々努力しているようです。

    尖閣諸島を断固守って、日本企業が中国市場で不利益を受け、その為に国内で失業者が増えたり、労働者の収入が減少して生活が苦しくなる事を「国益を守る」というのでしょうか?

  9. bobby2008 より:

    izumihigashiさん

    >ちょうど故郷の土地の井戸の話と同じ事です。こと領土、領海問題になると、摩擦を避けるためにこちらが引くという行為は解決策にならないのです。

    感情論を抜きにして一歩引いて考えれば、隣家が侵食した土地(あるいはその周辺の土地も含めて)に対して租借料や売る提案をする事は、紛争を解決の糸口になり得ると思います。

  10. kaku360 より:

    > 政府が領土問題を解決する為に妥協案を出せない・呑めない主な理由はおそらく、たとえ誰も住んでいない辺境のゴミのように小さな島であっても、他国から削られる事は1ミリたりとも我慢できない、という国民感情がある為だと推測します。

    どうしてそんな風に推察されるのか不思議でなりません。日本人は感情的になっているというよりものすごく冷めた見方をしてるというべきでしょう。
    日本人の多くは隣国と仲良くしたいと思っていますが、相手がそうさせないのです。けんか腰でこられたら、こっちも身構えるしかない。多くの人が騙されているのに、少しずつ変わってきているから信用しろと言われても難しい。

    ご自身の誤った認識を元に投稿されることは、屈折した底意を感じさせるので改めた方がよいのではないでしょうか。

  11. bobby2008 より:

    mzchさん(TB頂きました)

    >現実にこういう事が起きれば登記簿を取り寄せて談判するなり、裁判を起こすなりの行動が続くのですが、何がいいたいのでしょうね。

    田舎の土地問題は国家間の領土問題に(少し)似ています。登記簿は(居住地も山林も)古くて曖昧なままのものが多い。紛争勃発を恐れて、役所が積極的に測量とかしたがりません。紛争相手が町の顔役なら、裁判を起こす事が自分の利益につながらない事が多い。そういう状況を利用して、めったに人が来ない山林の境界線を積極的に侵食したがる人もいるようです。

    >頼みもしないのに、儲かりそうだからと勝手に出て行ったのですから、自分の尻くらい自分で拭く決意があるのかと思いきやとんでもない。

    失礼ながらmzchさんは、家電も自動車も、中国へ進出している日系企業の多くが、国内の雇用を守る為に、「必要に迫られて」日本から押し出されたという事実をご存知無いようです。(私は好きで日本を脱出したのですが)

  12. bobby2008 より:

    kaku360さん

    >日本人の多くは隣国と仲良くしたいと思っていますが、相手がそうさせないのです。

    kaku360さんのような方が多ければ、私がこの記事を書く必要も、ここのコメント欄が賑わう事もなくて、隣国との良好な関係を築く事も容易なのですが...

    >日本人の多くは隣国と仲良くしたいと思っていますが、相手がそうさせないのです。

    日本の新防衛大綱が香港で報道されていましたが、「中国敵視」に対して、こちらの人は日本の軍事力に恐れを持っています。日本人と同様に隣国の国民も、「相手がそうさせない」と感じているという事を、我々は理解するべきではないでしょうか。

  13. srx600_2 より:

    石水さん

    できれば初めから本題(本音)の投稿記事が見たかったです。twitterのタイムライン上には高度な分析に基づいたコメントがあるため、そちらを引用させて頂きました。

    そう遠くない内に軍事・経済両面で否応なく中国に飲み込まれると仮定においても、今の段階で外交上の譲歩を重ねるのは得策でないと考えます。限界まで牽制できるカードを残しておかないと、後々より不利な交渉を飲まされるはずです。

    時間が許す限り日本はアジア圏で多角化の可能性を追求するべきです。まだ妥協するにはリソースが多すぎる。

  14. mzch より:

    bobby2008さん
    >日本国政府が国民に負っている義務の中には、国民の生命財産を守り、生活を守る事が含まれていると考えていますが、…
    元記事をよくお読み下さい。私は中国市場について何らの言及を行っていません。国家が国民の声明財産を守るのは当然のことですが、目先の利益に惑わされて大局を見誤ってはいけないということを申し上げています。そもそもなぜ中国に進出した企業にだけ特別な便益を図らねばならないのです?
    領土問題は利害が最も対立する問題であるだけに主張が先鋭化しやすく、そのため極論も多くなりがちですが、同時に本音が露わになりやすい問題でもあります。それを指摘しているに過ぎません。

    >中国市場がなくてもやってゆけるという「願望」を持っている人がいるようですが、…
    そもそも経済成長が必要なのかという議論がなされていませんが。経済成長=利益獲得が絶対善である時代は終わったという認識すら登場している昨今、ア・プリオリに経済成長が必要=だから中国市場に進出している企業は何があっても守られるべき、という議論は再考を迫られていると愚考しますが。

    >尖閣諸島を断固守って、日本企業が中国市場で不利益を受け、…
    尖閣を守ろうが、守るまいが、日本企業は中国市場で不利益を受け続けますよ。蒸し返すネタにはこと欠きませんからね。いくらでも日本のサヨク勢力が提供しますから。その楽観論はどこから出てくるのですか?

    最後に、私の議論のどこかポジショントークなのでしょうか。あなたの議論は中国進出企業に有利な議論であることは一目瞭然ですが、私の議論のどこが誰かに有利な議論なのですか? 誰からも煙たがられる類のものだと思うのですけどね。

  15. mzch より:

    bobby2008さん
    >田舎の土地問題は国家間の領土問題に(少し)似ています。…
    だからこちらから差し出せというのは、マフィアやヤクザに迎合する論理ですよ。そんなことをしなくてもよい環境を作るのが公平な政治というものです。現状を追認するだけなら政治は不要です。

    >失礼ながらmzchさんは、家電も自動車も、中国へ進出している日系企業の多くが、国内の雇用を守る為に、「必要に迫られて」日本から押し出されたという事実をご存知無いようです。
    それこそ失笑ものの主張です。確かに正社員はおいそれと解雇できませんから守られているように見えますが、日本全体を見ればそれが口実に過ぎないことは明らかです。企業の内部留保がかつてないほどの巨額に達し(総額200兆円を越えています)、労働人口減少対策と称して1000万人移民を入れろと言いながら、レベルが低いだの帰属意識が低いだのと言って若年労働者を正規雇用しないのは企業の方ですよ? 中途採用に至っては昔と何ら状況は変わっていません。ここ数年で労働者の意識が劇的に変わったのではありません。企業が日本の労働者を不要と判断し始めただけです。どこが雇用を守っているのですか?

  16. kaku360 より:

    こんなことは言いたくないのですが、少し休養されたほうがいいのではないでしょうか。私が言いたいことは現状認識が間違っているということです。

    >日本の新防衛大綱が香港で報道されていましたが、「中国敵視」に対して、こちらの人は日本の軍事力に恐れを持っています。日本人と同様に隣国の国民も、「相手がそうさせない」と感じているという事を、我々は理解するべきではないでしょうか。

    中国の人が日本を敵視しているというならそれは中国政府の責任です。反日教育の賜ですね。報道の自由がない国ですし。

    もう一度言いますが、このような投稿はご自身のために止められた方がいいと思います。レッテルを貼られるだけです。

  17. bobby2008 より:

    mzchさん

    >そもそも経済成長が必要なのかという議論がなされていませんが。

    興味深いご意見です。アジアの中で、「日本だけ衰退」を民意が選ぶのなら、それは国民の自由です。そういう貴方には、同じアゴラの下記記事をご紹介します。

    「人や会社が日本を捨てて税金の安い国に出ていくのは真に愛国的な行動である – 藤沢数希」

    >正社員はおいそれと解雇できませんから守られているように見えますが、日本全体を見ればそれが口実に過ぎないことは明らかです。

    海外へ押し出されたのは、社員の身分が不安定な、地方の中小零細企業です。国内本社の損失を、海外工場の利益で補填しているからこそ、それでもなんとか雇用を維持できているという「現実」を認識されるべきと考えます。

    >企業の内部留保がかつてないほどの巨額に達し

    内部留保は労働者へ分配可能な現金ではありません。下記記事を読んで、内部留保の意味をもう少し勉強される事をお勧めします。

    http://rionaoki.net/2010/10/4732

  18. bobby2008 より:

    kaku360さん

    >中国の人が日本を敵視しているというならそれは中国政府の責任です。反日教育の賜ですね。報道の自由がない国ですし。

    kaku360さんは、「日本人の多くは隣国と仲良くしたいと思っていますが、相手がそうさせない」と主張しますが、それは一方的な主張です。尖閣問題が起こるまで、日本は中国人にとって、大変人気のある海外旅行希望地でした。多くの中国人も、個々人のレベルでは、日本と仲良くしたいと考えている人は少なくありません。

    香港は基本的に親日的で、組織的な反日教育が行われたなど聞いた事もありません。にもかかわらず、日本の軍事力に対して「脅威」という報道があります。

    相互理解という言葉をご存知と思います。日本人が日本人の価値観で「中国と仲良くしたい」と主張しても、隣国の一般人のほとんどは理解できません。あなたが、中国人が日本をどう考えているか、日本のメディアの偏向した情報以上にご存知無いのと同じ事です。

    中国の軍備増強と近代化というシグナルを、日本は「脅威」と受取ります。それと同様に、自衛隊の軍備増強や兵器の更新を、隣国は「脅威」と受取ります。日本に憲法9条の縛りがある事なんて、隣国の一般人はだれも知りません。日本の憲法が変え難い事も知りません。

    中国はけっこう真剣に、日本や米国が帝国主義国家で、圧倒的な軍事力を背景とした政治力を用いて、中国の領土や経済を侵食しようとしているという「脅威感」を持ち続けています。それは中国内の報道でしばしば目にする事実です。

    傍から見ると、両者の誤解はこっけいなまでに明白です。そして、お互いの誤解を解く事が、相互理解の出発点だと考えます。日本の良き未来の為に、この誤解を解く事は、日本にとってより必要であると考えます。ゆえにアゴラで、読者が中国を理解するための努力を行っています。

  19. mzch より:

    bobby2008 さん
    >興味深いご意見です。アジアの中で、「日本だけ衰退」を民意が選ぶのなら、…
    経済成長至上主義を改めることが「衰退」だとはとんだ詭弁です。それとご指摘の記事は税金を最大限に効率的な運用できない国からは企業や富裕層が逃げていくという議論ですが、富裕層はともかく企業は出て行くでしょう。というか既に現実になっていることです。それは企業経営が利益追求を第一義にする以上当然のことですが、それ自体を疑うべきだという議論にこの記事を引用される意図がわかりません。誤解のないよう言っておきますが、利益を追求してはいけないと言っているわけではありません。それが絶対善でありすべてに優先するという論理を検証すべきだと言っているだけですよ。そういう意味では共産主義者でも社会主義者でもありません。そして論点は「中国市長進出企業が特別待遇を受けるいわれはない」です。そこをお間違えなく。

    >海外へ押し出されたのは、社員の身分が不安定な、地方の中小零細企業です。…
    それが日本の雇用を守っているなら、なぜ非正規雇用が急速に拡大し、若年者の就職が不振なのでしょう。私は就業形態として非正規雇用があってもよいと思っていますが、バブル崩壊後の急速な雇用構造の転換は異常だとも思っています。その上に年金等を負担する現役世代が少なくなるから移民を1000万人入れよという掛け声が上がっているのです。日本の雇用の多くを支える中小企業が海外に押し出されていくなら、その主張に何の意味があるのでしょうか。それに、そもそもその数多くの非正規雇用者はもともとどこにいたとお考えでしょうか。彼ら全員がある日突然湧いて出てきたわけでも、フリーターだったわけでもありません。中小企業が雇用を支えきれなくなったから非正規雇用が急拡大したという現実をいかに捉えていらっしゃるのでしょう。
    ついでに申し上げるならなぜ国内本社が「損失」なのです?

  20. mzch より:

    >内部留保は労働者へ分配可能な現金ではありません。…
    件の記事は既読でした。もちろん存じ上げております。私はすべての企業がぼろ儲けしているなどと申しておりません。では逆にお伺いしますが、そのお金はどこから来て、どこへ行ったのでしょう? 財務省によると日本全体では400兆円に達するそうです。資本金10億円以上の企業がうち200兆円を占めています。狂乱バブルの頃でさえ、資金調達が容易であったという事情はあるにせよ、全体で79兆円だった額がここまで膨らむ理由は? その間、労働者の所得は年々下がり続けているのは? 2009年は1997年比で23兆円減少しています。累積で一体どれくらいカットされたのでしょうね。件の記事は、企業が資産を溜め込んでいる、あるいは社内投資していることから意図的に話をそらしており、その点については何も言っていません。つまりなぜ雇用に投資できないかは何も説明していないので、反論の論拠たりえていません。

    >傍から見ると、両者の誤解はこっけいなまでに明白です。…
    全くもって仰る通りでしょう。それは一民間人の視点から見ているからです。ならば一民間人としての視点を透徹されてはいかがでしょうか。政治のレベルに話を持ち上げるには、双方とも下ろすに下ろせない振り上げた拳というものがあり、それを解決しなければ国家として進展はありません。くどいようですが、自らの利益ではなく、日中双方の国益という観点からの議論を願ってやみません。

  21. kaku360 より:

    > 傍から見ると、両者の誤解はこっけいなまでに明白です。そして、お互いの誤解を解く事が、相互理解の出発点だと考えます。日本の良き未来の為に、この誤解を解く事は、日本にとってより必要であると考えます。ゆえにアゴラで、読者が中国を理解するための努力を行っています。

    自分の言っていることに矛盾があると感じませんか?

    日本人が中国を理解するために努力されているなら、日本人は感情的だなどという投稿する必要はありません。データを示しながら、中国の現状や領土に対する考え方を投稿するべきです。
    そして中国の人が読まれるサイトで日本のことを投稿すればいいでしょう。

    それを読んで、参考にして以後妥協して付き合いを続ける人もいるだろうし、我慢できなくて離れていく人もいるでしょう。あなたがいい悪いを判断する必要はないんですよ。あまり読者をバカにしないことをお勧めします。

  22. bobby2008 より:

    mzchさん

    領土の問題から外れますが、日本にとってなぜ中国との関係を保つ必要があるかという問題に関連するので、以下の内容をコメントいたします。

    >それが絶対善でありすべてに優先するという論理を検証すべき
    私も資本主義は、「国民を食わせる」という目的において、他よりマシだと思っているだけです。

    >「中国市長進出企業が特別待遇を受けるいわれはない

    政府税収の主要収入源の一つは企業です。日本の企業が外貨をたくさん稼げる国に対して、日本政府は特に注意して2国間関係を保つべきです。それが貿易に依存せざるを得ない日本の宿命かと思います。中国が米国を抜いて世界最大の消費市場であるのなら、かつて日米貿易摩擦の時に日本政府が行ったように、中国に特別な注意を払うのは当然ではないでしょうか。

    >労働者の所得は年々下がり続けているのは?

    アジア(中国・韓国・台湾・ベトナム・タイ・フィリピンなどの労働者)の賃金が上昇しているのに、日本の賃金が低下しているとすれば、それは20年以上続く経済停滞の為であり、企業の内部留保と無関係なのは、ご存知の通りです。

    >(内部留保)のお金はどこから来て、どこへ行ったのでしょう?

    ざっくりと言えば、外国(消費市場)で儲けたお金を、外国(生産国の工場)へ設備投資したと思われます。

    >なぜ雇用に投資できないかは何も説明していないので
    一言で言えば、グローバリゼーションが進んでいるからです。個別的な理由は、国内労働者の賃金がアジア生産国に較べて非常に高いので競争力を失うから。国内は解雇規制が強く、労働市場の流動性が低いから。もはや日本は生産国としては適さなくなっているからです。

  23. bobby2008 より:

    mxchさん

    >自らの利益ではなく、日中双方の国益という観点からの議論を願ってやみません。

    はい、私が中国関係の話題で、現在のコメント欄のような逆風覚悟でアゴラへ投稿するのは、まったくそのような同機の為です。

  24. mzch より:

    bobby2008 さん
    >領土の問題から外れますが、日本にとってなぜ中国との関係を保つ必要があるか…
    ああ、いえ、私は敵対しろと言ってるのではないのですよ? 中国の言い分を丸呑みするなと言ってるわけで。

    >政府税収の主要収入源の一つは企業です。日本の企業が外貨をたくさん稼げる国に対して、日本政府は特に注意して2国間関係を保つべきです。…
    それには反対しません。ただ、対米従属だとか植民地とか言われるような依存は敗戦と復興という時代背景からやむを得ず選択された外交姿勢であって(日本の外交下手もありますが)、それを中国にも適用してしまうと抜け出せないジレンマに陥ることは明白です。中米の利害は基本的に太平洋を挟んで対立していますので両面外交の挙げ句自滅しかねません。

    >アジア(中国・韓国・台湾・ベトナム・タイ・フィリピンなどの労働者)の賃金が…
    いえいえ、先進国内でも日本だけが下がっています。経済停滞は確かですが、リーマンショック以前、企業は空前の利益を上げてましたよ。でも下がってるんです。

    >ざっくりと言えば、外国(消費市場)で儲けたお金を、…
    実は設備投資へ回しているのでしたら、統計上内部留保が増えることはありません。この点経済101さんの記事には誤りがあります。財務省の統計で内部留保を押し上げているのは利益剰余金であり、これが年々増えているのです。詳しくは私のブログの最新記事をご覧下さい。

    >一言で言えば、グローバリゼーションが進んでいるかです。…
    そうなんですが、外国人を国内で積極的に雇用するところが増えているのと矛盾するような…国内規制は日本人に限定されていないにも関わらず、です。もちろん、雇用の硬直性がその主因であることは私も同感です。ですが、単なる工場労働者は既に派遣にとって変わられており、問題はそこではありますまい。

  25. bobby2008 より:

    mzchさん

    >対米従属だとか植民地とか言われるような依存は

    2国間関係で重要な点は、相互の必要性・依存性かと思います。中国は外資による技術移転や工業化の基盤を作り終え、外資に対する優遇措置を撤廃しました。日本に要求された役割は既に終りました。

    日本から見た中国は、これまでは生産基地でしたが、世界の生産基地としての優位性は(労働者の賃金高騰で)失われつつあり、今後は世界の消費地としての役割がより重要になります。

    今から考えれば、有利な対中関係を構築する機会は、中国が日本からの投資と技術移転を切望していた1980年から2000年にかけてありました。しかし日本政府はその機会を見過ごしてしまったようです。

    中国はいま、世界最大の市場になった事を自覚しており、その立場を最大限に活かして、中国を中心とした経済ブロックの構築を行おうとしているように見えます。中国が日本を必要とするよりも、日本が中国を必要とする度合いが非常に大きくなったこの状況下で、「対等な2国間関係」を構築するのは難しいのではないでしょうか。

  26. bobby2008 より:

    mzchさん(リンク先n記事について)

    ブログ内容から離れますが、蛇足としてコメントします。

    >詳しくは私のブログの最新記事をご覧下さい。
    >内部留保とは、資本金+資本剰余金+利益剰余金+自己株式+αのことである。

    資本金を内部留保の算式に含める事は間違いではないでしょうか?

  27. ap_09 より:

    医師とか官僚とか、それ以外の人からしたら専門職としての情報の非対称性があって、当該項目については同等に議論を進めるのが難しい「日本人」に対しては激しく糾弾口調、米国にも糾弾口調のbobbyさんが、中国に対してだけは、
    『日本は中国にはかないっこないのだから、対等な関係を築くのはあきらめたほうが良い』
    という25のコメントは、たいそう不思議に感じます。

    どうして中国人と、日本人やその他の人や国に対する態度にそれだけ相違があるのですか?

    ご自身のブログの中でも、ベトナム人について、南方系と違って中国系のベトナム人は向上心が強いという言い方をされてますが、私には中国人以外は人にあらず、中国人だけが尊敬に値するというお考えにしか聞こえません。中国でビジネスを展開するというのは、人の心をこのように中華至上という精神に変えてしまうのでしょうか?

    日中両国の良好な関係というより、日本人は中国人に同化すべきという御主張にしか聞こえません。日本人をやめて中国人に同化する利点は、中国からは領土、領海を拡張、太平洋を挟んで北米に軍事上王手がかけられますね。しかし、それは日本人にとって何の利点があるのでしょうね?

    また、中国人にとって領土の拡大は大歓迎でも、異質の日本人は邪魔にしかなりませんから、かりに日本人が素直に恭順の姿勢を示して、素直にクビを差し出したとても簡単にはすみませんよ。それは、チベット、東トルキスタンのみならず、お隣の朝鮮半島の歴史を見ても明白だと思うのですが・・・

    だから日本のことを考えていると表面ではおっしゃっていても、
    「日本を中国に売れ」
    にしか聞こえないのです。

  28. mzch より:

    bobby2008さん
    >中国はいま、世界最大の市場になった事を自覚しており、…
    その点は全く同感です。実際、目端の利く企業は生産拠点をインドや東南アジア諸国へ移していっています。今後は消費市場としての奪い合いに変化していくのだと思います。ただ、肝心の中国の経済基盤がどこまで盤石かが気になるところではあります。中国政府はさらに不動産バブルを加速させる構えのようですが、無限に続けることはできないわけですし、実際、既に高騰しすぎて中間層では手がでない状態になっているというツイートもあります。実体経済の方はというと、中国でパチものがよく売れるのは安いからで本物(?)を継続的に購入する経済力は一部富裕層を除いてまだまだという評論も読んだことがあります。経団連の誰だか忘れましたが、あからさまに中国富裕層が購買ターゲットと明言してましたが、そんな数%いるかどうかの層が国中の需要を引っ張れるはずもなく。中国に進出した企業のためにも上手くソフトランディングしてほしいと切に望む次第です。

    >資本金を内部留保の算式に含める事は間違いではないでしょうか?
    私もちょっと違和感があるのですが、財務省の統計上は内部留保の扱いなんですよ。

  29. minourat より:

    次のような視点も必要ではないでしょうか?

    http://www.prati.info/c/back/interview/38.html
    http://www2.big.or.jp/~yba/intro/umiwokoete.html

  30. shuu0522 より:

    領土問題だから多数のコメントがあるのではなく、あなたの主張がおかしいからコメントが多いと気づいてはどうでしょうか?
    無茶な主張でも最後まで言い続ければ勝ちという中国的な発想でしつこくレスする石水さんの対応では収束する議論なんてありません。

  31. bobby2008 より:

    >領土問題だから多数のコメントがあるのではなく、あなたの主張がおかしいからコメントが多い

    領土紛争は双方に自国の「道理」があるので、双方の主張は平行線をたどります。故に道理を説くだけで解決させる事ができないという事は、世界の領土紛争を見れば明白です。かといって、日本は領土紛争を武力で解決する事も憲法9条縛りによってできません。

    私の主張が「日本の側の道理」を主張する日人の神経を逆なでしている事は確かです。それがこの記事の目的の一つでもあります。

    領土とは何か?どうしたら解決できるのか?

    理想論を叫ぶ事は気分が良いのは確かです。しかし、理想と現実には大きなギャップがある。実現可能な事は何か、どうしたら実現可能か、冷静に考えてみて頂きたいのです。

  32. corey385 より:

    確かに、中国の勢いと実力は目を見張るものがあり
    このままでは再びアジアの覇者となるでしょうね。

    しかし、急速な発展と国際的建前から不安定要素も多く
    経済におけるバブルの懸念は良く言われることです。
    最も危険なのは石川様も仰る、まさにこの部分
    【欧米的価値観や人権意識の逆直流入が中国全体の治安維持のリスクを高めるからです。】
    この一文に在るかと思われます。

    長い歴史を見ても中華領域というのは多くの民族を抱え、漢民族同士でも地域により言語的・文化的差異がかなりあります。
    そして、それを治めるためには中央集権的な構造が必要であり、中央に必要な権力の度合いは領土の広さに比例します。
    このような国に欧米並みの民主主義が入り、選挙によって代表が選ばれたらどうなるでしょう?

    だからこそ今年のノーベル平和賞があったのだと思います。
    あの賞の性根については中国政府の弁のほうが正しいと思いますが、日本がどちらに付くべきか
    甘い考えを排すれば答えは出るでしょう。

    先に「友好的な入植」を行ったものを母国が「踏み台」にして権益を拡大する、これも歴史の常です。

  33. minourat より:

    私は、すべての日本人が同一の考えをもつわけではなく、中国人についても同様であるとおもいます。

    30年ほど前に、 開放政策に沿って送り出された最初の若い中国からの国費留学生と話したことがあります。 私が中国をどう思いますかとたずねたところ、 ためらいのあと小さな声で「あの国にはだれも住みたくない」と答えました。 彼も、毛沢東思想の科目にも良い成績をとり思想傾向も問題がないとして国費留学生に選ばれたはずです。 私は中国も変わりうると思います。

    中国は東南アジアにおいて経済的に支配的地位にある華僑との連携もつよめています。 また、米国内においても、 増大しつつある優秀な中国人留学生の多くが残留することをかんがえれば、 中国系米国人が今のユダヤ系米国人のような影響力をもってくることも考えられます。

    最近、 石原慎太郎氏の日本国憲法破棄論を読みました。 そこで気になったことは「白人」に対するこだわりです。 石原氏のように、米国に対して「No」といい、 韓国民・中国人を侮蔑し、 さらに白人国家を敵にまわせば、 残るのは日本から離れた国しかありません。

    日本も核武装しますか? そうすればもちろん韓国も核武装します。 今でも12月7日(日本では8日)には(卑劣な)真珠湾攻撃についての新聞記事を読んでいる米国民はどう反応するでしょうか?

    私はもちろん「平和ボケ」です。 それでも、米国民にたいしてのダライラマひとりの思想的影響力は日本全体からのそれよりも強いようです。 東南アジアの国々やイランからの学生に「おしん」を知っているかといわれて「あれ」と思ったことがあります。 「火垂るの墓」なども結構受け入れられるとおもいます。 要するに、「菊の文化」による攻勢です。 「オバQ」も人気があります。

    それにしても、石水さん孤軍奮闘がんばっておられますな。 ご健闘をいのります。

  34. izumihigashi より:

    中国の領土意識、版図意識を考えさせられる動画があります。
    武田邦彦、宮脇淳子の対談形式の動画ですが、
    ニコニコ動画にUPされています。
    番組名は「現代のコペルニクス」です。
    機会があればぜひ一度、ググって頂いて、動画閲覧してみてください。
    中国的な感覚を知る手がかりになると思います。

    この感覚を、日本を知る中国人に直接聞くのが早いと思う人も居るかもしれませんが、
    そのルートだけでは見誤る可能性があります。

    今の日本人を知る中国人が伝統的な領土感覚を持っている
    かどうか怪しいからです。

  35. bobby2008 より:

    中国の海軍力増強の理由について、パラセル諸島など近海での海洋権益確保以外の観点から述べている興味深い記事がありますのでご紹介します。

    【なぜ中国はそんなに空母が欲しいのか?】
    http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20110115/1295069783

    中国にとって重要なシーレーンを事実上庇護している米国と、軍事同盟を結んでいない中国は、自国の経済発展の規模に応じて、海軍力を増強せざるを得なかったという内容です。

    客観的な視点から書かれた(と私には思えるのですが)冷静な記事です。ぜひご参照ください。