前のコラム(今のままでの「電気料金の値上げ」には疑問)でお話をしたように、要は「電力供給を維持するために」ということを錦の御旗として「東電を破たんさせるわけにはいかない」から「電気料金値上げ(又は増税)」を政府が画策しているということです。でも、東電からみて「最も関係性の低いステークフォルダー(つまり、国民)」が一私企業の事業上の失敗を、真っ先に穴埋めするのは合理的ではありません。「先にやることがあるだろう」と誰でも思うわけですから、「先にやること」をまず考えてほしいものです。
ただ他方で「何故、一元的な電力供給でなくてはならないのか?」という点も考える必要があります。電力供給が事実上の独占状態である以上、東電の発言力が強くなるのは当たり前であり、だからこそ、今のように「東電を“現状のまま”存続させたい」という力が働くのです。
一元的な電力供給について東電等の大手電力各社は「NYでかつてあったような大規模停電が起こらないようにするため」といっているようです。確かに平時においては一元的な電力供給によって大規模停電は起こりにくいのでしょうが、今回の原発事故では、かなり無計画な計画停電が実施され、しかも、その最中でも「これ以上電力需要が伸びると“大規模停電”になるかも」として大混乱を招いたのは記憶に新しいところです。
欧米で一元的な電力供給を続けている国はないようですから、日本も、これを機に多元的な電力供給システムに変化するべきなのではないでしょうか?
すでにスマートグリッドという技術により、多元的な電力供給は可能なのですから、最近あちこちで話題になっているように「送電と発電の分離」を真剣に議論すべきだと思います。
その流れで「補償問題」も考えてはどうでしょうか。
つまり、東電の送電部門と発電部門を分離し、東電は一発電企業として存続させ、送電部門は国が買取ってしまう。東電は送電部門の売却で得た資金を今回の補償に充てるとともに、今後続くであろう補償についても発電部門で得るであろう収益を充てるというスキームです。
送電部門を買取る資金は、一過性の増税でもいいのですが、特別な国債でも良いと思います。というのは、送電の際に発電事業者から一定額の料金を徴収すれば、送電部門は収益を生む事業になるため、当該国債の返済が可能になります。
このように送電と発電が分離されれば、発電事業が自由に行えるため、いろいろな発電事業者が出現することで競争原理から電気料金が下がることも考えられます(今、競争原理が働かないのは、電気事業法によって、事実上、送電が自由化されていないためです)。
また、「どうしても原発が嫌い」という場合には、原発を発電源にしている事業者から電気を購入しなければ良いわけですし、そのような人が多くなれば、市場原理によって原発をなくすことも可能でしょう。
まぁ、それほど簡単な話ではないのでしょうが・・・
ともかく、単に「料金値上げ」などという目先の事態の収束だけを考える政策では、誰も納得はしません。「国民生活第一」であるなら、国民が納得するような政策を提示してほしいものです。
コメント
決して、原発反対派ではない。落ち目の日本が大量の老人の介護のエネルギーに原発を恐れ、石油を使用し始めたら、また別の国際問題が起こるでしょう。許せないのは、①水蒸気爆発を阻止できる分岐点で判断を、トウデン・政府は誤り、最悪の放射能漏れを生起した。②トウデン社長が、ふてぶてしく社員の給料の減額を発表し、あたかも限界まで削減したように嘯いた(仙台では、物流麻痺が頂点に達し、周辺の市町村では、餓死・凍死が現実問題として浮上していた。あの発言は、ほんと心ない・怒りと不快感を仙台周辺に撒き散らした)③その発言とともに、電気事業の独占性優位性を強調するような発言をあのトウデン社長はした、電気は公益事業である・一時的に独占を許されたとしても、それは市民の公益の確保で必要という観点からであり、人質に事業をとるやり方のプレーヤーは日本市場から即刻退場させるべきである ④放射能問題があったからか、政府要人の陣頭指揮の場面が極めて少なかった、むしろボランティアの方々の決死の判断が救命でも避難所運営でも、また物流の回復でも目立つ場面が多かった。選挙となると湧いてくるセンせー方はどうしたのだろう・・国会に写真雑誌を招き入れてセイジカツドーを称していたセンせーは、何をしていたのだろう・・政府広告のALLJAPANは正しいと思う。日本に地震や津波を気にしないで安住できる場所はない。むしろ建築をはじめとして文化として、世界をリードしてきたはずだ。田老テイボーの築立の無能さを言い合っている場合ではない。あの「セブン」は日本どこでも起こり得るとはっきり認識し、人命を守る技術により重点を置くべきと思う。
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日本に地震や津波を気にしないで安住できる場所はない。
天災も事故も賢い人間は確率で判断するのです。飛行機も絶対安全とは言えないが事故の確率が極めて低いから殆どの人は安心して利用する。大津波も東北のように頻繁に来る所と、東京の様に殆ど来ない所もある。極めて危険な場所に自己責任で住むのは勝手だが、被害にあったから税金で助けてもらうのは当然と考えるのはおかしい。田老堤防を住民一人当たり2600万円(一所帯平均1億円)もかけて造るなら高台に移住した方が安全で安くつく。地元の土建屋が儲けようとやったことだろう。田老が許されるなら、富士山の噴火から関東を守るため高さ10キロメートルの壁で富士山を囲むのも許される。
第二次関東大震災はどうするの?リスクを避け、なるべく安全な場所っていのは現地でもすでに選定に入っています。高台を削る、うーん津波にはいいけど、土砂災害って言葉きいた事ありませんか、土木工学って人間の浅はかな知恵が入ったとたん、その場しのぎは良く見えても、いつか大きなしっぺ返しがくる。高台を地層線に関係なく、宅地造成できるくらい削りましょうか、すると結果的に、「セブン」以下のエネルギーでも露になった地層線に沿って、地山崩壊が起こる。現場土木の常識です。
地方分権といっても、ゆくゆくは東北は仙台とその周辺、関東はその周辺、名古屋、大阪に収斂されていくでしょうね。私は特に故郷へ思いいれはないが、危険な場所のそのままの復興はやっぱり反対ですよ。
しかし、群発なんて地震はないっていわれている箇所で群発が起きた・・ほんとは東海・南海の群発が起こりえるといわれていた。宮城県沖は、大きな地震はあるけれども、一発大きな地震があれば、あとは片付けて死傷者の処理ですむといわれていた。群発によるセブンとあの大津波、そして頻繁な余震、マジ頭痛いです。
東京、今回の群発おこったら・・・勝手に国民や税金に援助もとめることはないんでしょう。賢者であると思い込んでいるようだから。