中部電力は昨日浜岡原発の全炉停止を決めた。こんな事を個人的に要請する菅首相も異常だが、了承する中部電力もどうかしている。正に破れ鍋に綴蓋と言った所だろうか？
経緯を振り返れば、中部電力は真面に反論すれば菅首相を英雄にするだけではなく、自社を悪者にしてしまう、困った状況に追い込まれた訳である。
今回の様に了承されて良し。拒絶されて更によし。成程、巧いトラップを中部電力に対し仕掛けたものである。流石にテレビカメラの前でむしゃむしゃ貝割れ大根を食べた位の実績しかないにも拘わらず首相に迄登りつめただけの事はある。
政治的能力は皆無であるが悪知恵が呆れる程働く。
それでは、中部電力はどうするべきであっただろうか？矢張り以前指摘した通りうやむやにすべきであった。菅政権は行き詰っており、後2ヶ月は持たない筈である。中部電力の経営陣はその2ヶ月をのらりくらりかわす事から来るであろう、世論の反発と言う重圧に耐えられなかったのであろう。
さて、これから生じるであろう現象を予測する。
先ず、全国的に電気が足りなくなる。結果、製造業の稼働が縮小し企業業績は悪化する。人員整理が行われ失業問題が深刻化する筈である。政府税収は激減し財政は破綻する。真夏の酷暑の最中の停電でエアコンが使えず熱中症で亡くなる方も多数出るであろう。
強調したいのは、今回の菅首相の私的な要請が国民の生活と製造業を破壊し結果、日本経済を死に至らしめ国の財政を破綻させると言う事実である。これは正にテロそのもではないか？
テロの定義や理解は国によって異なるが、日本では下記の通り理解されている。
日本の国内法においては「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為」（自衛隊法81条の2第1項）など複数の文言がある（基準策定の動き参照）。
従って、今後の政局はテロとの戦いそのものである。テロと戦い、勝利し、テロリストを権力の座から追い出さねばならない。
先ず、注目されるのは来月の株主総会で中部電力がどの様な今季予算を提出するかである。政府の支援がなければ当然数千億円の赤字となる筈である。株主による株主訴訟、経営陣に対する損害賠償請求は確実である。
一方、政府支援の約束を取り付けていたとすればこれは当然政府の問題となる。今後の補正予算に繰り込む必要が出て来るが国会で否認すべきである。
ちなみに中部電力は現時点では未定としている
当社は、内閣総理大臣からの要請を受け、本日開催の取締役会において、津波へのさらなる対策が完了するまでの間、浜岡原子力発電所全号機の運転を停止することを決定いたしました。
これらの影響により、平成24年3月期第2四半期累計期間および通期の業績予想につきましては、現時点で電力の需要動向や需給バランスなどを示せる状況になく、合理的に業績を予想することが困難であることから、連結、個別ともに、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益を未定とさせていただきます。
今後、業績予想が可能となった時点で、改めてお知らせいたします。
このどさくさで忘れがちになるが、そもそも現政権は行き詰っており、座して死を待つよりはと今回の暴挙に出た訳である。
飽く迄個人的な推測であるが、根底にあるのは、現政権のどうしようもない行き詰まりではないか。特例公債法の与野党間協議が暗礁に乗り上げ、予算は通したものの財源が確保出来ていない。これでは、予算は絵に描いた餅に過ぎない。今月、来月はやりくりが付くとしても7月以降は歳入欠陥が顕在化し現政権は間違いなく機能不全となる。
次に、今後現政権の欺瞞の中身が、今後白日の下に晒される事である。国会で集中砲火を浴び政権の炎上は確実である。
野党は今回の目くらましに決して惑わされる事なく、従来の路線で内閣を追い詰めれば目的を果たす事確実と思う。それから、心ある民主党の議員も今回の浜岡を機に菅首相支援を止めるべきである。これ以上テロリストに同調すれば政治生命を失うと忠告したい。
最後に、今回の浜岡が国民に与えた教訓とは何だろうか？
一つは、政治に関する常識をしっかり持たねば大変な事になると言う教訓ではないか。市民活動家上がりや社会主義者の政治家などは絶対に政府要職に就けてはならないのである。一発芸、瞬間芸のみの政治家も同様である。
今一つは、ベースは自己責任と言う教訓である。なんだかんだ言った所で、最後に後始末をするのは国民である事をこの際肝に銘じるべきである。
コメント
非常に同感です。ただ、国民生活に対する悪影響はじわじわとしか出てこないので、管首相のお手柄だけが当面クローズアップされるだけかもしれませんね。悪運の強い彼のことですから、今年の夏が冷夏になるかも。
後年、振り返ると彼の判断が日本経済を破壊したターニングポイントになるでしょうが、その判断が出るまで時間がかかることが国民にとって幸福か不幸か、どうなんでしょう。
ゆっくり不幸になるか、急に破滅するかの違いでしかないですが。
浜岡原発停止要請に関し菅総理に辛口のコメントをする方が多いのは驚きです。先般の大津波後の福島原発事故を軽んじているとしか思えません。今回何故停止要請をしたのでしょうか。津波に対する安全対策がされていないからです。行き当たりばったりで、ましてや人気取りでの行動と見る方はよほど曲がった見方が好きなのでしょう。国民の安全を優先して考えるのは当たり前の事です。経済がどうのこうのと論じる方はまず福島原発に行き放射線に晒されながら作業する方達や避難された多くの方達に接してみてはいかがでしょうか？電気は無くても人間は生きる事は出来ますが放射線で汚染された環境では生きていく事は出来ません。少し考えれば解かりそうなものですが見識のある方達が浜岡原発停止を非難するのは理解に苦しみます。
もうこれは管総理のパフォーマンス以外の何者でもないでしょう。
普通なら国会決議とかでするのが民主主義ではないんですか。
マスコミも絶賛しているようですが内容が受けがよければ手法は何でも良いのでしょうか？
これってヒットラーが行った事と何が違うのでしょうか？
東海地震の件もパフォーマンスのための方便としか思えません。
何故なら原発の災害も自然災害の被害の一つです、15メートルの津波は原発施設だけに来るのでしょうか？
福島では津波で犠牲になられた方が1万5千人、家を流され避難生活をされている方が大勢います。
幸い原発事故では社員以外の犠牲者はいません。
もし東海地震を心配されてのことであれば原発以外の防災体制にも言及しなければ嘘です、原発を利用した方便です。
東海地震について騒がれていますが誰も本気にしてないのが実情でしょ、明日にでも来ると心配するなら個人なら転居する、企業なら工場を移転する、国や自治体なら耐震基準の見直しや大動脈である新幹線、東名高速の調査、対策をしているはずですがみんな無関心です、ところが原発の話題となるととたんに明日にでも発生する勢いで15メートルの津波がくる、それさえも甘い、15メートルを超える想定外の津波が来たらどうするとか挙句の果てに隕石が当たったらとか相手を言い負かすための方便としか聞こえないことを言い始めます。このような対立軸で議論していたからリスク前提の対応策を誰も考えなくなったのではないですか。
まずは2年後の防潮堤の完成を待て無いほど緊急性のあることなら原発近辺に住む人間の避難勧告もすべきです、方便でなければ。
また、停止は少なくとも今夏のピークを終えてからでも良かったのではないでしょうか。
一輪車乗りこなせてないってことだ。危なっかしい。
サーカスみたく一輪車にたくさんの人が乗っかる？
驚きのバランス感覚だ。
この話題を論じる際に「菅は思いつきで言った」とする流れに乗りすぎなんじゃないでしょうか。
このての話は一部であっても当事者同士で合意を得てから発表するし、中部電力が一日結論を持ち越したのもパフォーマンスでしょ。
それぞれが「根回しがなかった」とするほうが都合がよかったのでしょう。中部電力は破滅的な事故で東電の二の舞にはならずに済んだし、菅は一定の支持を得た。中電から停止を言い出すのも、保安院が見解を変えるのもいまさら出来ない。そこで突然発表って形をとったのではないでしょうか。
このブログは玉石混交だと思います。この意見は優先順位のわかっていない石の方だとおもいます。
主張したいという意思はわかりますが誹謗中傷の度が過ぎるのではないですか？法律の文言まで引っ張りテロリスト呼ばわりするのも、まず一般常識として地下鉄で爆弾を炸裂させるテロリストと同列にすることはできないのは中学生でも明らかですよね。それこそ批判されているポピュリストが好きなアジテーションのように思えます。さらにテロリストであるかよりも、むしろ投稿自体が著しい名誉毀損罪に適用される方が現実的な気がします。誹謗中傷はストレス解消に有効ではありますが、掲示板等の方が良いかもしれません。
自分達の国の首相をテロリスト呼ばわりする、こんな方の記事がそのまま通るのはアゴラの品位を疑われますよ。
失礼ながら、山口氏は普段から床屋談義以上の記事を書かれることはほとんどないが、今回は特に酷い。
浜岡原発の稼働停止程度のことが何故政府の財政破綻にまでつながるとお考えなのか。そのエビデンスを具体的な数字で示していただきたい。
プロのアナリストでそういう予想をしている人は私の見るところ誰もいないし、株価も中電株以外に特に大幅に下落している銘柄はないが、山口氏には何か根拠があるのだろうか？もし何もないのなら（私は何もないと考えている）、くだらない妄想を書き込むのはいい加減やめにしていただきたい。
テロリストとか・・・笑止千万である。
sakiyuki_ok555さんへ.
菅直人が法律を無視して中電に命令できたのは世論の支持があるから, 正確には「反原発の空気」があるからです. 言い換えれば, 戦争賛成の世論があれば「首相が法律を無視して戦争を起こせる」ということです.
こういう状態をおかしいと思わない人が大勢いるのを見ると, 「昭和初期もこんな感じだったのかな」という感慨を持ちます. よくわからなければ, 山本七平の「空気の研究」(文春文庫)を読むことをお勧めします.
当時も敗戦になるまで止められなかったのだから, 今回も日本がギリシャみたいに財政破綻を起こすまで止められないのではないかと絶望的に考えています.
sakiyuki_ok555さんへ。菅首相が辛口のコメントをされる理由は山のようにありますが、一番分かりやすいのは以下じゃないでしょうか。『調査などを一切せずに思いつきだけで動く』
山口さんへ。まったくもって同感です。最後の『政治に関する常識をしっかり持たねば』のくだりは、『政治家の価値を判断する眼を育てる』ということが大事だと思います。私自身選挙で投票する時に『こういう選び方でいいのか？』と悩むことがあります。というか正直全ての選挙で悩みます。山口さんが選挙で投票する時にはどのように考えて投票するのか。そういう情報を公表していくことが、良い政治家を選ぶ第一歩だと思います。
選挙区を変えろとかいう話はありますが。
あぁ、やっぱり放射性物質をまるで触れたらすぐ死ぬ毒のように思ってる人が多いんですねぇ。
あるいは、福島での放射線量は人間が生きていられない量だとでも思ってるのかな？
普段見たことのない文字をみると怖いんでしょう。
ゴキブリが怖いのと同じレベルでなんだけどな。
ともあれ、管直人は、役人と企業のずるずるな関係を透明化することを求めて薬害とか戦ったんじゃないのかな？それが、公衆の面前でずるずるを要求するとは、、、。目的が正しければ手段は問わないってやつですか。法律は彼にとって方便でしかなかったんですね。ほんとにテロリストだ。
菅直人はテロリストか？当然でしょう。それと浜岡原発の件を一緒にしない方がいい。
「過ちを犯し改めざる事、これ即ち過ちという」なんてコトバを思い出します。
中電（中部電力の事を名古屋人はチューデンと呼びます）は
元々原発依存度が低かった。立地に適した場所、受け入れ容認地が殆ど無かったからでしょう。
唯一といっていい浜岡の地。そこに集中的に原発が出来上がっていった訳ですが、供給が逼迫しているからと原発に関しては、あまり無理をする体質ではなかったのでしょう。東電と違って。全5号基まである原発のうち、１・２号基は完全に休止。
3号基は点検中。稼動は４・５号機のみです。
中電には余力があります。休止中の火力発電所もあります。
過ちを改めようと動いた菅直人の要請（お願い）に応えるか否かは中電の判断であり、屈したとかいう問題でもない。数ある考慮事項の一つ(結構重要度の高い事項として）が首相からの要請だったという事。
中電の判断は合理的だと思います。
それとは別に、菅直人はテロリストか？それは当然その通り！
rityabou5様
政治家や政党を理解したり、判断する為には議員に実際に会って話をするしかないと思います。勿論全ての議員には会えないので限定されますが。なので、時々ですが議員会館を訪問しています。後は、メールのやり取りとか。懇意にしている議員には月例で開催している勉強会（実際は飲み会）に来て貰いアルコールの入った所でざっくばらんな話をするとか。
山口 巌
管直人は、テロリストということに同感です。
まず、原子力災害の初動がおかしい。管首相の視察による原子炉のベントの遅れ、緊急電源車を自衛隊ヘリコプターではなく、陸路で送ろうとしたこと、第３者による対策委員会をつくらないこと、米国の支援を拒否したこと、情報統制をしていることについて疑問です。
特に、情報の公開については、原子力災害時には、情報統制をしてはいけないことに法律上なっていますが、日本学術会議の海外アカデミックへの中間報告書の冒頭には以下のようになっています。
「日本学術会議は、この放射能の漏洩が、日本のみならず地球全体の人々に不安を与えていることを認識し、出来る限り早い機会に各国アカデミーに事態の経過について報告したいと願ってきたが、この間、われわれ自身が十分な情報を持つことができなかったことを正直に告白しなければならない。・・・・・ （中略）・・・・・・・事故に対しては、福島原発を所有する民間企業である東電が直接に対応し、それを国の監督官庁である経済産業省の原子力安全・保安院が指導し、これらに対して鑑定（首相直属スタッフ）が指示をするという体制が取られた。この体制の下で、事故に関する第一次情報は日本学術会議にはほとんど届かず、政府発表、新聞やテレビなどのマスメディアを通じて入手するもの以外に独自に情報を収集することができなかった。・・・・・・・・・（中略）・・・・・・原子力利用の安全性をチェックする政府機関である原子力安全委員会にもデータの開示を求めたがそれは得られなかった。