自分が住んでいる街である「ブエノスアイレス」というキーワードでツイッター検索をすると、けっこうな確率で世界一周をしている日本人のつぶやきが引っかかる。
自分自身、17歳のときに初めて行った海外旅行で、「世界には自分と全く違った価値観、考え方を持った人たちが本当に存在する」ことに驚くとともに、「世界というものが本当に存在するのかどうか」再度確かめに翌年ヨーロッパ旅行に行った。(今を持ってすれば全くナイーブな動機だったけれども、当時は真剣だった)
そして、19歳で単身、「陸路でスコットランドの首都エディンバラに行く」というミッションを設けて、2ヶ月かけて広大なユーラシア大陸を横断した。
カタコトの英語しか話せず、インターネットもなかった頃、特にロシアという未知の国をシベリア鉄道で抜けるのは、かなりの冒険だった。(実際、バイカル湖を見るために立ち寄ってイルクーツクでシベリア鉄道の出発時間に変更があり、一悶着あった)
金も経験もないときに旅をすると、人生を飛び級で進級出来る。なぜなら金と経験で、多くのことが解決出来てしまうからだ。その武器を使えないとなると、人生はとたんにややこしくなる。
そして、今インターネットがある。
さらにこの円高だ。今、若くて金がなくて、日本に悶々としているならば、半年か一年死ぬ気でバイトすれば、100万や200万は貯まる。それで世界一周になんなり行くほうが、半端な勉強しかしない日本の多くの大学にいるよりは100倍いい。(ちなみに自分も旅行と留学費用を貯めるためにウェイターから交通量調査のバイトまで数多くのバイトを経験した・・・・全く楽しくはなかったけど、いい経験にはなった)
世界を旅することは、もうそれほどハードルが高いことではない。
重いバックパックを背負って宿探しに右往左往することもなく、ネットを使って一瞬で明日の宿の予約ができ、カタコトの英語で道を尋ねるよりは、無料のWIFiを使って自分の現在位置をGPSで知り、自力で目的地に着くことも出来る。
そして、世界で得難い経験をすればFACEBOOKやツイッター、それにブログを通じてみんなと共有することも出来る。
世界一周でも二周でもしてみればいい。べつにそれはもはや特別なことではなく、やろうと思えば誰でも出来ることだ。だがしかし、世界を実際に見た人と、インターネット上でしか世界を知らない人との間には埋めようもない差が生まれることも事実だ。それを手に入れるためだけでも日本を出る価値はある。(もちろん、自分のようにブラジルのサルバドールで一週間のうちに二回襲われたり、インドで耐え難い腹痛に悩まされたりするリスクは未だ存在するけど、その価値はある)
「ブエノスアイレスなう」という日本語のつぶやきが増えることが、ゆくゆくは日本という国の未来を明るくしてくれる希望になってくれる気がしてならない。
株式会社ワンズワード 松岡祐紀
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