アゴラでコメントしたらヨハネスセンセから質疑が来ましたので自HPで既に公開しましたが、ここでも公開します。
元ネタはこちらです。
ホンマかいな温暖化 — ヨハネス 山城 : アゴラ – ライブドアブログ https://agora-web.jp/archives/1547648.html
死炭素の話 — ヨハネス 山城 : アゴラ – ライブドアブログ https://agora-web.jp/archives/1547888.html
再び死炭素について ~ コメント欄との質疑 — ヨハネス 山城 : アゴラ – ライブドアブログ https://agora-web.jp/archives/1548199.html
コメント欄に書こうかと思いましたが書ききれないかと思ったのと、議論はオープンにしても良いかと考えここに書くことにします。ジオサイエンスの少し専門的な領域にもなるかと思います。
まずはこちら
まず「放射性炭素でもデッドカーボン由来の炭素はありますが」というのが、ようわからん。もしかしたら、ワシが死炭素と訳した「デッドカーボン」とは別物 なのかもしれんが、ワシの言う死炭素とは、「生物体の死などによって大気から新たな炭素が加わることのない物体の中の炭素が、数万年(現在の科学のレベル では5万年とのこと)たって、放射性炭素の大部分が崩壊し、検出限界以下になったもの」という意味や。
もし、この定義なら、デッドカーボン由来の放射性炭素というものは有り得んということになるが、どうなんやろか。
ですが、急いで書き上げたので舌っ足らずでした。失礼いたしました。正しくは「大気CO2中にはデッドカーボン由来の炭素は割合として存在する」という当然の話で、デッドカーボン自体には当然14Cは含みません。寄与率を計算する際に14Cを含まない炭素と現在の値をエンドメンバーをもとに計算していきます。
次は
次に、「現在化石燃料由来可動化を判定するのは大気中のCO2の13Cの方です。(引用順不同)」とあるが、13Cでわかるのは、その二酸化炭素の炭素が 生物起源かどうか、ということだけやと思う。その生物が、古生物なのか現存生物なのかは、13Cだけではわからんと思うんやが、何か方法はあるんやろか。
大気中CO2は海洋中の溶存CO2と交換し平衡状態にあります。また海洋中の溶存CO2はそれよりも膨大なHCO3-と平衡しています。大気中CO2は-7‰の値を取ります。一方で石油由来の13Cは-25~-20‰ですので石油起源物質を燃やすと大気中CO2は徐々に軽い方にシフトしていきます。海洋生物、陸上植物も-25~-20‰の値を取り、石油と見分けはつきませんが、石油燃焼が膨大で海洋との交換スピードより速いため大気CO2のd13Cは-9‰ほどに軽くなっています。しかしながら定量的に寄与率を求められる、という言い方は、他データと併せて概ね求められるかと思いますが、陸上、海洋開発の寄与があることと、様々な平衡状態を吟味する必要が有るため検討が必要かと。失礼しました。
「放射性炭素でもデッドカーボン由来の炭素はありますが、得られた14Cの測定誤差に耐えられません」。ここもわからん。0.03%の二酸化炭素が0.04%になったわけやから、その増分に14Cがふくれていない(死炭素)のやったら、大気中の死炭素の割合は25%減るはずやがな。
でした。失礼しました。別のことを考えていたようです。Suess効果によって確かに14Cの希釈は存在します。それぞれの量と14Cは既知、また陸地や海洋開発などによるCO2放出も概ね見積もられますので、それを用いて大気と海洋の交換のスピードなどを見積もる研究があったと思います。うろ覚えで失礼しました。他の質疑も同様であったため割愛します。
また不明点が有りましたら答えられる範囲でお答えします。既にこの分野を離れてから少したつので時々あやふやになることがありますが。
ちなみに私はシングルモルト派なので体内炭素同位体比は軽めかもしれません。