イーサリアムで何が実現するのか?

大石 哲之

イーサリアムについて、一部のひとが注目し始めた。私のブログをみてといあわせて来た方もいて、普及に一役かえたのはうれしい。

イーサリアムは、スマートコントラクトを、ブロックチェーンで実現するプラットフォームである。

ビットコインはもともとスマートコントラクトが実行可能なスクリプトを備えているプロトコルだったが、ビットコイン自体がお金のように扱われてきたので、あまり怪しいスクリプトを走らせるのは致命的なセキュリティホールになる可能性がある。そのため、ビットコインのブロックチェーンではなく、別のブロックチェーンを作って、柔軟にコントラクトを記述できるようにしたのがイーサリアムだ。

イーサリアムでは、次のようなことができる。

・イーサリアム上の通貨

通貨は、イーサリアムの主要なアプリケーションで、イーサリアム上で、簡単に好きなだけ新しい通貨を作成して発行、流通することができる。

・デリバティブ契約

イーサリアム上で、金融の契約を作ることができる。契約とはすなわちデリバティブなので、デリバティブを簡単につくれて、簡単に譲渡でき、その決済は、イーサリアム上で自動的に決済される。このデリバティブの履行は第三者の強制力が不要で、イーサリアム上で契約を作った時点で、それが約束される。

・証明

イーサリアムのブロックチェーンに何かを記録するのは非常に簡単だ。記録のためのスクリプトは1行で書くことができ、簡単に記録できる。この記録により、改ざんできないタイムスタンプつきの証明が低コストで行える。

・分散ストレージ

イーサリアムのコントラクトを使うと、クラウドに革命がおこる。現在クラウドは相当の費用をかけてメンテナンスする必要があり、テクニカル上でもコスト上でも決して有利だとはいえない。イーサリアムのコントラクトでは、分散ネットワーク上のノードのハードディスクの空きスペースを、クラウド・ストレージとして提供する事ができる。そしてストレージの利用につき、いくらといった単位の決済も同時位行うことが出来る

・Decentralized Autonomous Organization / Decentralized Governance

これはあたらしすぎて、何をいっているのかわからないかもしれない。これは、コントラクトの組み合わせで自動的に執行可能な組織を作る方法だ。

例えば、ファンドであれば、投資の意思決定について、パートナーの3名のうち2名のサインが必要だとか、利益配分は20%を組織にのこし、あとは出資者に配当するとか。そういったルールをコントラクトとして記述することで、自動執行できるヴィーグルができあがる。そのコントラクトを変更するには、出資者の2/3の決議が必要といったことも記述でき、およそのファンドの契約などはこれで記述できよう。

この高度に自動化されたファンドは、銀行不要だし、持ち逃げされることはなく、コントラクトによって自動的に動く。これは凄いことだ。

イーサリアムとスマートコントラクトが実現できれば、すさまじいインパクトが多くの領域で生まれる。

今後の記事では、それぞれの分野のインパクトについて、さらに深堀していこうとおもう。

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