日本では新たな「ブラック企業」探しが一つのブームのようになっています。とりわけネット上には、魔女狩りのごとく血眼になって「ブラック情報」を探している人も多い。今のブームは、TDL、つまり東京ディズニーランドです。
オリエンタルランドは、TDL、TDS(東京ディズニーシー)、そしてTDR(東京ディズニーリゾート)の持株会社なんだが、バイトなどの過酷な労働環境が明らかにされて「ブラック」認定となっています。さらに、営業がかんばしくないらしい。昔日の勢いはすでにない。諸行無常です。
当方、イクスピアリには足を踏み入れたことがあるんだが、TDLもTDSも行ったことがありません。けっこう珍しがられるんだが、並んでまで乗りたい施設もないし、ウワサでは飲食も決まった場所でしかできないらしい。行かずとも何の問題もない場所ということがわかれば、無理に行く必要もないまま時間が経ってしまいました。
さらに言えば、メディア業界にいるとディズニー系は一種の「鬼門」です。やたらと権利関係にうるさくて、キャラクターの管理なども徹底している。TDLはキャラが「実在」すると主張し、あの着ぐるみの中の人は大変そうだ、と書いただけで抗議してくる。
外から撮った写真を載せたりするだけでネジ込まれたこともあり、触らぬ神に祟りなし、といった状況に辟易している業界人も多いんじゃないでしょうか。一方、TDL系は得がたいクライアントであり、あちら側からのマスメディア対応もかゆいところに手が届くもの。すっかり懐柔され、TDL批判などできない常態です。
しかし、いったん落ち目になると、寄ってたかって叩くのもメディアの特徴です。果たしてTDL関係のタブーは破られるんでしょうか。ちょっとした見物です。
NEVADAブログ
オリエンタルランドの減益
The American Dream Is A Myth In These Parts Of America
BUSINESS INSIDER
「アメリカンドリーム」っていったい何だろう、という記事です。成功願望は誰にだってあるんだが、本当に成功できる人間は限られています。むしろ、希少な僥倖にめぐりあったレアケースでしかない。持つ者と持たざる者の格差は固定化され、こうした「ドリーム」はますます非現実化していく。このモザイク状の地図では、経済的な状況の変化について書いている。色が濃い地域ほど、出自の階層から抜け出ることが難しい、というわけなんだが、米国の場合、南部諸州と辺境地域がそう。同じ地図を日本でも作ってみたら興味深いことがわかるかもしれません。
Business Insider/Andy Kiersz, data from Chetty et.
「どうしても変えたくなる国境線ってある?」というスレが大人気
THE NEW CLASSIC
国家、というのは国境線によって区分けされています。国境紛争があるように、地べたにいつか誰かが勝手に線を引いたわけで、大地にそんな線があるわけではない。昔、航空機に乗ることが珍しかった時代、窓から地上を眺めて「赤道が見える」とホラを吹くヤツが必ずいました。んなこたあない。この記事では、いったいどうしてこんなことになった、という国境線の例が紹介されているんだが、考えてみればバカバカしいものもあれば悩ましいものもあり、人間という愚かな生物について考えさせられます。
辛辣過ぎる外食レビューでブロガーが敗訴して罰金刑、Google検索結果の表示が決め手に
Gigazine
1日2食、というのが常態になりつつある、という話があるんだが、人間、1日3食しっかり食べたら食べ過ぎです。1日に2食として1年では約720食、人生80年とすると5万8000回ほどしか食事しません。この数を少ないと感じるか多いと感じるかで、グルメかそうじゃないかがわかる、という話もある。食べることに執着する人間の場合、1回1回が惜しい。後悔したくないわけで、こうしたレビューに怒りをぶつけたりするのかもしれません。
Almost human: why is art so obsessed with lifesize dolls?
the guardian
「ピグマリオン」というのは、ギリシャ神話に出てくるキプロス王なんだが、理想の女性像を作って「彼女」に恋をしてしまうわけです。人間ではない対象を愛する一種のフェティシズムで、人形を愛する性癖を「ピグマリオンコンプレックス」などといったりする。育てゲーなんかもこの一種かもしれません。人間そっくりの人形を作りたい、という願望は洋の東西を問わないようで、今のヒューマノイドロボットも同じような根源的な欲望からきているんでしょう。
ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)による人形オブジェをモチーフにしたレディ・ガガのアルバム『Artpop』のジャケット。
アゴラ編集部:石田 雅彦