日本人が投資にネガティブな理由を「投資の日」に考える --- 内藤 忍

アゴラ

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10月4日は投資(104)の日。という訳で、東京国際フォーラムで開催されるこんなイベントに登壇することになりました。

日本人の投資との関わり方を、グローバルに比較して考えてみようという試みです。私以外は、外国の方。しかもモデレーターを担当することになり、どんな展開になるのか、想像もつかない状態になっています。


日本人は投資に向いていない訳ではありません。世界で最初の商品先物市場は、大阪の堂島の米取引だと言われていますし、資産運用会社で活躍している日本人も数多くいます。

しかし、投資に対する一般の人たちの反応は、ネガティブになりがちです。例えば「ファンド」という言葉を聞くと、「ハゲタカファンド」のようなイメージを持つ人が多いようです。

その根底には、「汗水たらして働いて得られたお金は尊いが、投資で得られたお金はアブク銭」といった間違えた考え方があるように思います。

汗水たらして働いて得られるお金とは自分が働くことによって得られるもの。一方の投資で得られるお金とは、お金に働いてもらって得られるお金です。

その違いは、世の中に労働力という価値を提供するのか、資金という価値を提供するのかの違いです。投資をするということは、自分が持っているお金を社会の発展のために還流させるということです。もし、100億円持っていたとしても、それを金庫の中にしまっていては、自分のものにしかなりません。ところが、投資によって、資金を必要としている人に届けることができれば、それによって新しい商品やサービスが生まれ、世の中を便利で豊かなものに変えていけるのです。

どちらで稼いでも、その報酬は提供した価値に対する市場からのご褒美なのです。

果たして、日本以外の国の人たちは、投資に対してどんなイメージを持っているのか、そしてその原因は投資教育にあるのか?パネルディスカッションの中で、明らかにしていきたいと思います。ご来場をお待ちしています!

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年9月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。