ニューズウィークで、冷泉彰彦氏が「朝日の誤報で日本人は誤解されていない」という。だから彼は朝日の誤報問題を追及する必要はないというのだが、奇妙なことに日本政府が誤解を解く努力は誤解をまねくという。
第4の誤解は、「狭義の強制はなかった」という点など、「枢軸国日本の名誉回復」を進めることが、国際社会での日本の立場を強化するという考え方です。これは大変に危険な誤解です。というのは、この考え方で押し切れば、中国や韓国は「現在の日本政府や日本人は枢軸国日本の名誉にこだわる存在」つまり「枢軸国の延長」だというプロパガンダを国内外で展開することが可能になります。
ここを読んだだけでも、彼が問題を理解していないことは一目瞭然だ。慰安婦問題は「枢軸国日本の名誉」とは何の関係もない(韓国政府でさえ、そんなバカな主張はしていない)。こども版でも説明したように、これは日韓の請求権問題なのだ。
このコラムには「日本が誤解されていない」という具体的な証拠は何も示されていないが、日本が誤解されている証拠はいくらでもあげられる。私がFacebookで紹介したら大きな反響を呼んだのが、高成田享氏のコラムにつけられた次のようなコメントだ。
私がボストンの大学で働いていた頃、アニメーションサークルに所属する韓国系の学生達が、日本軍の慰安婦狩りに抗議する目的で、以下の内容のアニメを制作し、大勢のアメリカ人学生達に公開していました。
泣き叫ぶ13-14歳の少女達を、日本軍人達が、少女達の腹をにやにや蹴りまくり、軍用トラックに無理矢理乗せて戦地に強制連行した上で、1日に100人以上の日本の軍人達が集団で、身体をわなわな震わせる少女達を強姦する内容でした。
「これ程、おぞましい光景を見たことはない、20万人以上の少女達が拉致され戦地に連れて行かれたことを、これまで私達は全く知らなかった」と目に涙を浮かべる現地の女子学生達や、「日本軍が行ったホロコーストを告発した学生達は本当に立派だ」という賞賛が男子学生から上がりました。
私はいたたまれず、以前、話したことがある、このサークルに所属する韓国人の留学生に、「これらは、韓国人達が作った全くのでっち上げだ!」と抗議したところ、「日本の政治家のトップがこの事実を認め、慰安婦狩りに関しては、日本の一流新聞が特集記事を掲載し、多くの日本人がこの事実を知りながら、未だに誰一人、謝罪していない」と激しく逆ギレされました。
国際社会の中では、このように吉田証言をもとにして、「日本人=猟奇的な民族」というイメージが燎原の火のように広がっているのです。吉田証言を朝日が、”事実”として喧伝しなければ絶対にこのようなことは起きなかった! アメリカから慰安婦問題を長年見てきましたが確信を持って断言できます。
この他にも、海外の親しい友人から茶飲み話で「昔の日本人はセックス狂だったんだね」といわれたといった話はたくさんある。アムネスティもいうように、世界27ヶ国の議会で慰安婦非難決議が出ているのだ。
朝日新聞やNYTの執拗なデマ報道が「まじめで礼儀正しい日本人」という国際的なイメージを傷つけた罪は大きいが、NYTはまだ謝罪もしていない。彼らが20年かかって壊した日本人の名誉を元にもどすことは困難だが、彼らはこれから自分の嘘を徹底的に検証し、世界の有力紙に全面広告を出して謝罪する歴史的責任を負っている。