2014年も今日で終わりです。一年間、アゴラを愛読していただき、ありがとうございます。2015年も内容の深く濃い記事を提供させていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。
さて、今年、各月で人気の記事はどんなものだったのでしょう。一年を振り返りつつ紹介させていただきたいと思います。ちなみに、この結果は2014年12月31日15時現在のものです。
1月は、米国で「オバマケア」がスタート、そしてインドシナのタイでは非常事態宣言が発令され、年が明けてもシリア紛争も解決できない状態が続いていました。また、中韓が共同でハルビン駅頭にテロリストである「安重根義士記念館」を開設して話題にもなった月です。1月でアクセストップになった記事は、站谷幸一氏による「世界にとって「右翼のルーピー」となった安倍首相:ダボス会議の衝撃」でした。国際関係における日本の首相発言がどんな影響を与えたのかについて論じたエントリーです。
2月には、ロシアでソチ冬季五輪が開催。タイの情勢がさらに紛糾し続けます。この月のアクセストップは池田信夫の「NHKは本当にだまされたのか」です。いわゆる「佐村河内守ゴースト騒動」についてのエントリー。作曲家で大学講師だった新垣隆氏(43)が、自らを広島生まれの被爆二世で「全聾の作曲家」として知られる佐村河内守氏のゴーストライターだった、と告白した騒動です。NHKは2013年3月に佐村河内氏の特集番組を放送。NHK出身の池田が、NHKの「危機管理」について分析しています。
3月は、中国の昆明市で爆発テロ事件が起き、マレーシア航空370便がインドシナ近辺で消息を絶つ、という今でも同機が発見されていない事故がありました。ウクライナ情勢が緊迫の度を増す中、欧米とロシアとの関係が悪化していきます。日本のテレビ界の話題では、フジテレビ系の『笑っていいとも!』が31年余りの歴史を終えました。この月のアクセストップは、石井孝明氏の「ネット炎上中の小西洋之民主党議員の姿から考える」でした。
4月には、チリでM8.2の地震が発生し、台湾では学生を中心とする対中宥和政策への反対派が台湾の国会である立法院を占拠して話題になりました。さらに大きな事件が韓国で起きます。修学旅行の高校生らを乗せたフェリー、セウォル号が珍島沖で沈没。死者294名を超える大事故で、乗客を置き去りにして退艦した船長やフェリーの運航会社への避難が韓国内で高まりました。アクセストップは、藤沢数希氏のエントリー「STAP細胞は単なる仮説のひとつに戻った」。自殺者まで出した科学界の大騒動を取り上げています。
5月にはタイの情勢がさらに緊迫化し、タイ陸軍が戒厳令を施行し、その後、クーデターで憲法を停止しました。この月のアクセストップは、山城良雄氏の「再びあの船長を擁護する」です。4月に韓国で起きたセウォル号事故で、世界中から批判を浴びていた船長を「擁護」する、という内容。世の中の「正論」にあえて異を唱えることで異論反論など多くの注目を集めたエントリーでした。
さて、6月にはサッカーのW杯がブラジルで開催されました。日本代表は一勝もできず予選リーグで敗退。その原因も深く掘り下げられないまま、次の代表監督が決まりますが、今では八百長疑惑にさらされています。ウクライナ情勢は米欧とロシアが揉み合いを続け、中東ではいわゆる「イスラム国」が出現し、勢力を拡大していきます。アクセストップのエントリーは、新田哲史氏の「“から騒ぎ”では済まない都議会のセクハラ野次」です。東京都議会で、今はなき、みんなの党所属の女性議員に対し、議場からセクハラ的な野次が飛んだ、という騒動に関する内容です。地方議会と地方議員とマスメディアの関係について書いています。
7月は、いわゆる「慰安婦問題」がさらに紛糾し、中韓が共同声明に付属文書をつけるようなことも起きます。中東ではイスラエルがパレスチナのガザ地区へ本格的な攻勢を始め、さらにウクライナではマレーシア航空17便が撃墜されます。ロシア、ウクライナ双方が相手の仕業だと批判合戦をし、この犯人はいまだに判明していません。この月は航空機事故が連続で起き、これについての都市伝説にさらなる1ページを加えることになりました。7月のアクセストップは、岡本裕明氏の「韓国に果たして「反日」している余裕があるのか」です。
8月には、エボラ出血熱が西アフリカ諸国で猛威をふるい始めます。世界保健機構(WHO)が緊急事態宣言をする事態になり、世界的に危機感が醸成され始めました。また日本では、デング熱が69年ぶりに国内感染者が出て話題になりました。中東ではいわゆるイスラム国に対し、米国を中心とした有志連合が空爆を開始。その米国では、ミズーリ州ファーガソンで白人系警官が黒人の青年を射殺し、抗議活動が燎原の火のように燃え広がり始めます。この月のアクセストップは、石井孝明氏の「朝日新聞、慰安婦問題は「女性の人権」? 嘘つくな」。いわゆる「従軍慰安婦」に関して長期間、誤報をタレ流し続けた朝日新聞が、自らの非を認めて検証記事を掲載したことに関する内容です。マスメディアのダブルスタンダードの欺まん性を鋭くえぐった良エントリーになっています。
朝日新聞本社。
9月には、中露を中心として、化石燃料などエネルギー開発の協定などが活発に締結されます。モンゴルやタジキスタンなどを巻き込み、米欧とロシアとのウクライナ情勢をめぐる対立を背景にした、第二極の国際関係の強化が模索され始めます。日本では、御嶽山が噴火し、登山客ら50人以上が亡くなる惨事になりました。香港では、行政長官選挙をめぐる民主化の運動が活発化。警察などの催涙弾を防ぐために民主派が雨傘を掲げたため「雨傘革命」と呼ばれるようになります。アゴラのアクセストップは、池田信夫の「韓国政府は何をしてほしいの?」でした。いわゆる慰安婦問題に関し、韓国政府がもとめるものはすでに何もない、と喝破しています。
10月、高速鉄道網の建設やエネルギー協定、宇宙開発などで中露がさらに接近し、米欧に対するカウンターパートになっていきます。世界各地で皆既月蝕がや部分日食が観察されるなど、秋の天体ショーが繰り広げられました。この月のアクセストップは、池田信夫の「太陽光バブルって何?」でした。東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発の事故により、再生可能エネルギーの研究開発が進み、期待が高まりました。行政も太陽光発電を活用しようとし、経産省が固定価格買い取り制度を導入。これが一種のバブル化し、申し込みが殺到したため、各電力会社が新たな申請を断る、という騒動になりました。この背景にある問題についてわかりやすく解説しています。
11月には、米国で中間選挙が行われ、オバマ政権の野党である共和党が上院下院で過半数を制しました。日本では、安倍首相が衆議院を解散し、12月に総選挙が実施されることになります。また、欧州宇宙機関の無人探査機「ロゼッタ」が初めて彗星へ着陸。長期間の観測観察へ入ります。11月のアゴラ、アクセストップは池田信夫の「1000兆円の借金を返す方法」でした。日本が金融緩和政策へ入っていくのとほとんど連動するかのように、米国が金融引き締め政策へ移行しました。その結果、金利が上がれば、日銀の持っている莫大な国債は金利だけで大きな損失になり、日本は大増税せざるを得ないが、という予測です。
欧州宇宙機関のロゼッタ。
いよいよ12月です。日本では総選挙が行われ、自公与党は現状維持、野党第一党の民主党は漸増、共産党が倍増、といった結果になりました。安倍政権の2年間を総括する、という目的のわりに、国民の下した判断はボンヤリとして判然としないものに。一方で、円安と株高を維持して一年を終えています。韓国ではナショナルフラッグキャリアの大韓航空から、また燃料が投下されました。社長の長女である女性副社長が、いわゆる「ナッツリターン事件」を起こし、韓国司法は彼女を逮捕。しかし、来年も韓国が何をしでかすか、目が離せません。アゴラ12月のトップは、山田高明氏の「韓国にもこういう声がある(拡散希望)」。ネット上の掲示板には各国のものがあり、多種多様な意見が書き込まれています。韓国内のネット掲示板も同じ。その中には日本を擁護したり、慰安婦問題に対して公平公正な見方をしたり、といった書き込みがあり、それらを紹介したエントリーです。
2015年は、いったいどんな一年になるんでしょうか。アゴラでは、各分野の専門家や投稿メンバー、一般読者を中心にして、そのときどきに起きた事件や話題に対し、多種多様な意見を掲載していきます。ネット界初の言論プラットフォームとしてのアゴラ。2015年もどうかよろしくお願い申し上げます。
アゴラ編集部:石田 雅彦