国連に「醜い日本人」を売り込む人権屋弁護士


先日のアゴラの記事で指摘したように、国連の「特別報告者」ブキッキオ氏は「日本の女子生徒の13%が援助交際をしている」と発言した。これに対して外務省が13%の根拠を示すよう求めたところ、彼女は「援助交際の規模に関する公式統計は受け取っていない」と認め、発言を事実上撤回した。

とすると問題は、この13%という数字の情報源はどこかということだ。彼女は「公開情報源を利用した」とごまかしたが、そんな公開情報源はない。彼女が面会した伊藤和子弁護士などの「人権団体」が、でたらめな話を吹き込んだ疑いが強い。

こうしたケースは、今回が初めてではない。2012年に来日した国連特別報告者アナンド・グローバー氏は、その報告書でICRP基準を無視して「除染の基準は年間1mSvにすべきだ」と勧告した。彼の来日を「コーディネート」したのも、伊藤和子氏だ。彼女は2014年にも、国連人権委員会の「慰安婦問題の加害者を訴追すべきだ」という見解を日本に紹介している。

1996年のクマラスワミ報告書も、戸塚悦朗弁護士が慰安婦の偽証言を国連人権委員会に売り込んだものだ。このとき外務省は40ページにわたる反論書を出したのだが、当時の河野洋平外相が撤回させた。

このように国連人権委員会は各国の人権NGOの集団で、それを「国際社会の常識」として売名に利用しているのが日本の人権屋弁護士だ。それに対して外務省が事なかれ主義で反論しなかったことが、「醜い日本人」というイメージを世界に定着させてしまった。

今回のブキッキオ氏の報告も人権屋の話の受け売りで、具体的な統計も証拠もない。こういう一方的な情報で、米国務省まで「JKお散歩は人身売買だ」などという荒唐無稽な報告書を出している。外務省は、こうしたデマに徹底的に反論すべきだ。