世界一の美食の町の魅力は、日本文化のオマージュ⁉︎

熱の国・スペインに1週間行ってきました。

スペインでは、民間企業、NPO、行政など様々な立場から「食」に関わる日本人メンバー有志と、行政(サンセバスティアン市)の部長、世界唯一の料理大学(バスククリナリーセンター)の幹部、料理教室(サンセバスティアンクッキングスタジオ)の社長などと現地で意見交換を重ねてきたのですが、気づいたのは、スペインの方々は、みんな日本が大好きなこと。

普通のパルや小さなお店に入っても、僕らが日本人と気づくと(けっこうな確率で気づかれます)、

「こんにちは。」
「ありがとう。」

と声をかけられます。他のアジア人と間違えられることもありませんでした。


(サンセバスティアンのあるカフェ)

逆の立場に立って考えてみてください。

日本の小さなお店が、スペイン人と気づくでしょうか。せいぜい「ハロー。」と挨拶するのが精いっぱい。「Hola(オラ)!」という人はほとんどいないでしょう。

古くは浮世絵が印象派に影響を与えたように、日本が大好きなスペインには、日本文化が浸透しています。

そうした観点でサンセバスティアンの取組を見てみると、ピンチョス(小さく切ったパンに少量の食べ物がのせられた軽食。串に刺さっているものが多い。)は寿司の影響を、ミニチュア料理は懐石料理の影響を受けていると思わざるを得ないのです。

(名物パルのピンチョス)

意見交換で、頻繁に出てきたのが「gastronomy(ガストロノミー)」という言葉。

gastronomyは、良い言葉ですね。単なる料理だけではなく、料理に関わる美術や社会科学、さらにはヒトの消化器官にも関連した奥深い言葉で、そういう言葉が定着しているのは、料理に対する世界観が違いますね。

というようなことを通訳の方に話しかけたのですが、すぐさま「日本にも「食文化」という言葉があるでしょう。」と返されました。

おっしゃるとおりです。言われて気づきました。。

日頃、僕は地域で活動する人は地元やその業界しか知らないことが多く、その良さや課題に気づいていないことが一番の課題。僕が出会った人や事例をミツバチ.が花を飛び回るように繋げて、新しい花を咲かせたい、なんて言っていますが、

たまには海外に行かなければ、日本の良さや課題にもなかなか気づきません。1年には1度くらいはこれからも海外で見分を広げようと思います。

そして、そういう時は私費が一番いいですね。昼間から堂々とワインが飲めますから。

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編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年5月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。