こんにちは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
都知事選まっただ中ではありますが、先日社会起業家の駒崎弘樹さんと
結局、社会って変えられるんですか? 駒崎弘樹×おときた駿トークイベント
こちらのイベントに出演してきました。
都知事選挙が決まる前から予定されていたもので…
対談トークイベント10分前にも関わらず、対談相手の音喜多駿都議( @otokita )が現れない事態発生。1人会議室で佇む。 pic.twitter.com/ZTq8KJdr0e
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2016年7月20日
当日はまさかの首都高渋滞に巻き込まれ、
開始時間に間に合わない大変な失態を犯しました。。
しかし、イベント自体は熱かった!会場は追加の椅子を出す満員御礼。
映画を見るより高い料金設定なのに、10代の高校生が10人以上も!
おときた都議のスライディング土下座から始まった、駒崎弘樹×おときた駿トークイベント「結局、社会って変えられるんですか?」 、とても面白かった。会場の、高校生・大学生の多さにびっくり。登壇者のツテかと思ったら、自主的に興味を持って来ている子たちがとても多かった。すごいなあ。
— 小池みき (@monokirk) 2016年7月20日
駒崎さん×音喜多さんのイベントに参加。二人とも男子校出身で仲良さそうに明るく話してたけど、内容は超濃密だった。仲良い二人だからこそ、会話の要所要所(重めの話題とか)でうなずく姿とか、実感が超こもってて、大変で思い通りにならないことだらけなんだろうなあ、と。
— ぺんだぱんだ (@pendapanda) 2016年7月20日
言いたい放題で、しかも早口の二人をうまくさばいて下さったのは、
スマートニュースの望月優大さん。名司会、ありがとうございました!
【司会しました】おときた駿さんと駒崎弘樹さんの対談イベント「結局、社会って変えられるんですか?」の司会をさせていただきました!俺得イベントで楽しかったです!高校生がたくさん来ていた!驚 https://t.co/WJf1uoDLhD pic.twitter.com/wggrmaHJzX
— 望月優大 HirokiMochizuki (@hirokim21) 2016年7月20日
そして終了後には多くの高校生たちが、決して安くないのにその場で本を買ってくれて、
二人の前にサインや写真撮影の行列ができるという。参加料と書籍代で、
決して多くないお小遣いが飛んで行くだろうに。。(感涙)
この子たちの未来のためにも、格好いい背中を見せ続けていかないとな、
ということを改めて決意したイベントになりました。
ご来場の皆さま、本当にありがとうございました!
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さて、駒崎さんの話は相変わらず多岐に渡りすべて興味深かったのですが、
その中でもっとも印象的だったことを一つご紹介。
イベントではタイトルの通り、「社会の変え方」について議論をしておりまして、
そのやり方の一つとして駒崎さんが示したのが「育政(いくせい)」理論。
これは「政治家を育てる」という意味の造語だそうです。
政治家にロビイングし、知識を与えて、実際に議会の内外で動いてくれるよう働きかける。
そして少しでも成果が出てくれば、「褒める」ことで政治家を伸ばしていく。
政治家はどうしても批判されがちな職業だけれど、
批判ばかりされてやる気になる人というのはほとんど存在しない。
政治家も人間なのだから、時には褒めて伸ばすことで自分たちの要求を通していくのだ…と。
これ、非常に大切な考え方だと思いますし、
実際に政治家をやっている立場からすれば、
こうした考えをぜひ広まって欲しいところです(切実)。
駒崎さんの著書の中にも、これに関連する記述があります。
ちょっと長いですが、大事なところなのでそのまま引用。
だが、ピュアな市民活動家はそれを許さない。
政治家に対し、「これだけやってくれてありがとう」と感謝するのではなく。逆に、「こんなことをするなんて」「こんなことならないほうがまし」と、責める。ああ、かくして、市民活動家たちは「裏切られた」と断じ、政治家は「二度と彼らとかかわるものか」になってしまう。
そこには深い不信感と断絶だけが残る。そして何も変わらない。
高い目標を掲げるのはもちろん大事だ。でも、ものごとはそう簡単じゃない。現実を一歩変える。そこからはじめて、少しずつ理想に近づけていく。それが一つのやり方だ。二歩目からは一歩目よりも容易になっていくはずだ。
「社会をちょっと変えてみた」P168より
まさに私が日々、様々な政治活動において直面する事実が集約されています。
例えばいま現在だと、都知事選挙に関してアニメやゲームなどの
「表現の自由」「表現規制」についてが一つの論点になっています。
小池百合子候補の「コミケ応援宣言」、その真意は?表現の自由について直接聞いてきた
そこで私がこうした行動をしてブログ記事をアップしたところ、
好意的な反応もあった反面、かなり辛辣で罵倒に近いものも多く少々面食らいました。
この表現規制の分野に関して言えば、
「表現の自由を侵す気はないけど、行き過ぎた内容が子供の目に触れるのはちょっとね」
と感じている「善意なる規制派」が政界や一般社会のマジョリティであり、
彼らに対して表現の「内容」に対して線引を行うのには重大な懸念があることを、
丁寧に説明して理解を得ていく必要があると思っています。
ところが、
「信用できない、表現規制をする気マンマンだ!」
「かつて表現規制を促進する請願に賛成した政治家なんて論外」
「完全に表現規制をする気はないと宣言しろ、話はそれからだ!」
というようなスタンスで可能性をシャットダウンしてしまっては、
ここから物事を一歩も進めることはできません。
確かに人は、ヒーローを求めてしまいがちです。
自分たちの政策や理念を体現してくれる政治家がいれば、どれだけ素晴らしいことでしょう。
(表現の自由界隈でいえば、山田太郎参議院議員のような)
ですが、それをすべての政治家に求めることは難しいのが現実です。
自分たちの手で政治家を「育政」していくことも必要ではないでしょうか。
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ちなみに、あくまで一般論として。
政治家を判断する際、何かの請願に名を連ねていたとか、
○○議連に所属していた、あるいは特定団体で講演していたことなどを根拠として
「あいつはウヨク(あるいはサヨク)だ!」
などのレッテル張りをする傾向が特にネット界見られますが、
請願や議連などは議員同士の付き合いで深く考えずに行動していることが多く、
講演会も知り合いのツテで「頼まれたから」やっているという場合もよくあります。
もちろん過去の言動との整合性を政治家に問うのは重要であり、
それらを判断基準に入れることをまったく否定するものではありませんが、
一事を持ってすべての判断をすると見誤る場合があることは申し添えておきたいと思います。
重要なのは、政治家は変わっていくし、
また有権者やロビー団体の働きかけで変えていくことができるということ。
最初から100点満点の政治家や候補者など存在しません。
その中で最適解を選び、いかに「育政」をしていくか。
(特に選挙期間中の「一票」のちからは強力!)
そういった視点で選挙や政治家を見ていくと、
また違ったものが見えてくるかもしれませんね。
以上、私が都知事選では特定候補者を応援していることは差っ引いて読みつつ、
政治との関わり方の参考にしていただけますと幸いです。
※駒崎弘樹さんは都知事選で特定候補を応援しておりません
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。