水素社会を世界へ「台湾水素産業発展シンポジウム」

台湾政府より「台湾水素産業発展シンポジウム」で講演をして欲しいと依頼され、台南にある国立交通大学に訪問した。台北より新幹線で1時間半、新幹線台南駅の近くにある交通大学の周辺は、空き地と畑で何もないが、3年後、ここはクリーンエネルギーの開発拠点となると言う。燃料電池のLRTが周辺部を走り、水素や再生可能エネルギーで街が機能するエリアになるので、その時には是非見に来てほしいと言われています。

今回のシンポジウムの参加者は、立法院委員、政府職員、大学教授、企業等の水素エネルギーに関係する「政・官・学・産」の皆さんでした。日本もそうですが、この4者がタッグを組まないと水素エネルギー社会は構築することが難しいのです。10時から17時まで1日に続くシンポジウムですが、僕はメインスピーカーとして、11時から12時までの1時間、質疑応答も含めての持ち時間でした。質疑応答が長く続き終了時間をオーバーしましたが、参加者の熱意に驚きました。他は台湾の考える水素政策、企業のプレンゼン、学術発表、トークセッションなどで構成されていました。

ランチタイム、コーヒーブレイクの時間は、参加企業の経営者との交流が持て、どのような製品を研究しているのか、作っているのか、台湾の水素関連事業者の状況を把握することが出来ました。また、このシンポジウムをきっかけに「台湾水素産業発展連盟」という組織もつくられ、この連盟が日本の水素関連企業との交流を行う受け皿組織となります。来年は、日本と台湾の水素関連企業の交流を計画したいと思っています。

蔡英文率いる台湾民主進歩党は、2025年に原発をやめると宣言しているのです。再生可能エネルギーや水素エネルギーを使って社会を変革し、尚且つエネルギー輸出国になりたいと言っています。懇親会の席で元外務大臣や元経済大臣とも話をしましたが、原発の良いところも悪いところも日本から学んだ、だから止めるんだと言っていたのが印象的でした。

地球環境のために、水素エネルギー社会は課題解決の先兵となります。そのためには日本だけが水素エネルギー社会をつくるのではなく、世界を巻き込み一緒になって進むことが大切なのです。政府の政策も企業の技術もお互いが補完関係になり、地球環境の保全と経済の活性化に結び付くことが重要なのです。実は、選択肢は多くはないのです。

僕の役割は、各国政府や企業を結び付けること、そして政治家を結び付けることです。そして各国の国民に、日本が何を考え、やろうとしているのか、テクノロジーはどこまで進んでいるのかを伝えることです。台湾では、高雄の立法院委員とエネルギー庁の職員とテレビに出演し、日本の実情を紹介しました。

やれることは全てやる。次世代に水素エネルギー社会を残したい。そのために、世界中を駆け巡ります。


編集部より;この記事は衆議院議員、福田峰之氏(前内閣府大臣補佐官)のブログ 2016年12月17日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、ふくだ峰之の活動日記をご覧ください。