海外不動産投資も「お金を借りる力」を考える時代に

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昨日はイギリス不動産投資セミナーでした。リバプールの駅直結の好立地物件をご紹介。日本の税理士やイギリスの弁護士も登壇し、税務・法務も網羅した濃い内容。終了後の懇親会では来場者の方とイギリスのお酒で懇親。30名のお客様で会場は満席でした。

今まで、海外不動産投資というと現金での購入、あるいは現地の金融機関での融資というのが資金調達の主な方法でした。現地の金融機関融資の場合でも、借入の比率はあまり高くすることができず、また借入金利も日本国内に比べると高いという問題がありました。また、最近は融資の条件も厳しくなり、現地金融機関で日本人が借入をするのは、あまり現実的とは言えなくなってきています。

そんな中で、資金調達方法として注目されているのが、国内の政府系金融機関からの円での借入です。私もベトナムの物件を購入する際に借りることができましたが、最長20年で、固定金利で、1%以下の借入も可能です。

ただし、円で借りて外貨に投資することになりますから、円高になると資産より負債が大きくなる為替リスクがあることに注意が必要です。また、借入の条件があり、誰でも簡単に借入ができる訳ではありません。

さらに口座開設のハードルが高い方法ではありますが、スイス系の銀行を使って金融資産担保に借入を行う方法もあります。株式、投資信託、預金などの金融商品を預け入れ資産として、その時価の一定割合まで有価証券担保貸付してもらう方法です。

預入資産は円になる場合が多いと思いますが、借入は外貨で行うことが可能ですから為替のミスマッチリスクはありません。さらに優れたメリットとして、元本返済は最終期日まで必要なく、短期の借入をロールオーバーして、その都度金利だけを支払っていく返済方法になります。また、現状の金融情勢では、借入金利がドルやポンドのような外貨借入でも2%以下と低いのもメリットです。

例えば、10万ドル(約1150万円)を3ヶ月間年利2%で借りると、金利は3ヶ月毎に500ドル(約5万3000円)となります。元本の10万ドルは借入を終了する時に一括返済ということになります。金利は3ヶ月毎に見直しですから、短期金利が上昇すれば、次回の借入金利も上がります。また円安になると円換算の借入金額が大きくなりますから、外貨での借入可能金額が小さくなることもあり得ます。

現金、海外金融機関、国内金融機関、スイス系金融機関と、海外不動産の資金調達方法もバリエーションが広がってきました。1月22日に開催する4か国不動産投資セミナーでは、物件の選び方だけではなく、資金調達の方法について、具体的な銀行名を含めてお話する予定です。

一歩進んだ海外不動産投資をお考えの方のご参加お待ちしています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。