電通事件のストレスで円形脱毛症になり、テレビで丸見え

常見 陽平

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3月28日(火)18時30分、「働き方改革に物申す 院内集会」を断固として開催した。参議院議員会館の101会議室には約100名の学生・労働者・市民が集結し、「働き方改革」という美名のもとにすすめられる「働かせ方改悪」に対する疑問や問題点を共有し、怒りの炎を燃え上がらせたのだ。

「皆さん、”働き方改革”と聞いて、ワクワクしていますでしょうか?」という小生の戦闘的アジテーションから集会はスタートした。働き方改革のアジェンダ設定の問題、「日本的経営」の「外」にいるものへの配慮が十分か、いまさら昭和の春闘みたいな話をするのはどうか、仕事の絶対量を減らすべきではないか、21世紀型労組を構想せよ、なんでもかんでも「働き方改革」が解決するわけではない、「少子化に歯止めを」と何度叫んできたんだ、少子化ありきの社会設計も必要では、「国民ガンバレ」を超えて政治家と経団連が頑張れなど、「働き方改革」なるものの、問題点を建設的に批判し、腐敗しきった日本の労働社会に檄を叩きつけた。「働き方改革」による労働強化、長時間労働へのお墨付き、サービス残業の誘発を指摘。心からの声を振り絞り、集会を戦闘的に高揚させるために、私なりに奮闘した。

その後、「40男」界の気鋭の論客である、赤木智弘、おおたとしまさ、中川淳一郎が弁士として登壇し、それぞれの想いを叩きつけた。個々人の問題意識を共有した後のパネルディスカッションでは、働き方改革の難点、大手広告代理店は本当に変わったかなど、沢山の論点が出た。最後は建設的な解決策の提案も行われた。

質疑応答でも、学生・労働者・市民からの怒れる想いが叩きつけられた。盛り上がりをみせ、各社における働き方改革のあるべき姿、これからの労組の姿についての意見交換が行われた。

議論をうけての、民進党の参議院議員伊藤孝恵先生によるスピーチ、最後は小生による「一億総安心労働社会」「安倍一強から、労働者最強、国民最高社会へ」というメッセージで、集会は終了した。

ざっくりとした振り返りではあるが、これが当日の模様である。詳細は文字起こしして記事化する予定なので、ご期待頂きたい。

おかげ様で、メディアにも取り上げられた。Abema TVがその模様を伝えている。映像もある。ご覧頂きたい。

「働き方改革に対し労働者はもっと怒るべき」(AbemaTIMES) – Yahoo!ニュース

しかし、この映像をみて、複雑な心境になってしまった。私の円形脱毛症がモロに映っているのである。そう、電通自死事件が明るみに出たあと、何度も取材依頼を頂き。ちょうど残業本の執筆もあり。あまりに重い事実に向き合う日々で。ストレスがたまったのか、円形脱毛症になってしまったのだ。10円ハゲというレベルではない。ようやく、うぶ毛が生えてきたのだが。美意識の強い私にとって屈辱である。髪をさらに明るくしたのも、円形脱毛症を隠すためである。

もっとも、この円形脱毛症も、勲章みたいなものである。真摯に問題に向き合い続けた結果だと、自分をほめてあげたい。

「働き方改革」の美名のもとのさらなる労働強化、搾取という腹黒い企みを我々は許してはならない。明るい労働社会、一億総安心労働社会の創造に向け、たたかいぬく決意をうちかためたのである。

院内集会に集まって頂いた学生・労働者・市民、場をご用意頂いた民進党の参議院議員伊藤孝恵先生、登壇者・スタッフに感謝。


私の円形脱毛症が治ることを祈って、ぜひ、本を手にとって欲しい。お願い。読んで。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年4月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。