もしあなたが合コンの幹事を任されたとしましょう。場所を確保して、いよいよ席の配置を考える段になりました。あなたならどうしますか?
男性5人女性5人とした場合、テーブルで男性陣と女性陣が向かい合う形をとる人が多いのではないでしょうか?初めての相手方となると、左右に同性の味方(?)がいた方が心強いですよね。
しかし、私だったら、男女が隣同士になるように配置して、誰がどの席に座るかはくじ引きで決めます。なぜ「隣同士」にするかというと、初対面の男女がそれぞれの「パーソナル・スペース」に入ることができるからです。
一般にパーソナル・スペースは密接距離が45センチ以内を指します。対面座席では入れませんが、横並びであれば入れるのです。
パーソナル・スペースは人間にとって「なわばりの空間」なので、一般的に他人が入ってくると不快感を感じます。エレベーターで3、4人が乗り合わせると、ほとんどの人が他人とは距離を開けて立つでしょう。満員電車で息が詰まりそうだったのが、大勢の乗客が降りて空間ができるとホッとしますよね。
ところが、「お互いのなわばり」に入ることによって親しくなれるのも人間の性格なのです。昔から「裸の付き合い」と言われるように、自分のパーソナル・スペースへの侵入を許すことによって親しみが湧くのでしょうね。
これは同性同士でも当てはまります。
かつて説得の達人と言われた三木元総理は、説得相手が落ちそうになると相手の横(パーソナル・スペース)に座って「やろうじゃないか!君!」などと言って相手の膝をポンと叩いたそうです。これで籠絡された政治家は数知れず…との噂ですが。
もっとも、嫌いな相手が自分のパーソナル・スペースには入ってくるのは(男女ともに)大きな不快感を感じ、一刻も早く距離を置きたいと感じるものです。
パーソナル・スペースに入ったところ、相手が距離を置くような仕草をしたら、早々に退散することをお勧めします。別の機会に挽回するか、別の相手を探した方が貴重な時間の無駄遣いにならずに済むでしょう。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。