民進党の蓮舫代表は11日午後の党執行役員会で、自身が日本国籍と台湾籍の「二重国籍」だった問題について、「戸籍(謄本)を示し、近々説明する」と述べた。党幹部が明らかにした。
とうとう蓮舫民進党代表が戸籍謄本を公開するそうだ。これは、アゴラ編集部が昨年の9月29日と10月19日に蓮舫氏に対して出した公開質問状で、その公開を要求していたことであるので、遅きに失したとはいえ歓迎したい。(経緯は拙著「蓮舫二重国籍のデタラメ」(飛鳥新社)に詳しい)
しかし、二重国籍問題が戸籍謄本の公開で終わるわけではない。まず、日本の戸籍法で認められていない二重国籍であったことは国民として、まして、政治家として許されない過去となる。
また、戸籍謄本の公開では疑惑のごく一部が解明されるに過ぎない。つまり、戸籍謄本の公開によってわかるのは、蓮舫氏が国籍選択宣言を行うという、それをしないと国籍剥奪にまでつながることもある義務を果たしたということだけである。それをしていなければ、とくに罪はもっとも深いのだが、そこをクリアするだけである。
アゴラ編集部では昨年10月15日の第2次公開質問状で次の要求をしている。
①10月7日にされたという国籍選択後の戸籍謄本
②9月6日に台湾の代表処に出された台湾旅券を含むすべての書類
③9月23日に台湾の当局から受け取られた国籍喪失証明書
④「法定代理人を含めやりとりし、法務省から(国籍法)違反に当たらないとの考え方を文書で頂いた」という文書。
また、書類の問題でないが、次の点についての見解を新たに明らかにすべきだ。
⑤戸籍謄本をみれば容易に知ることが出来るはずの「国籍選択をしていないこと」に気がついたのは、いついかなる経緯だったか。
⑥過去の自分が二重国籍であるとの発言は、結果的には真実だったとわけだが、もし、蓮舫さんが言うように虚偽であると主観的に信じながら発言していたということになると、タレントおよびキャスターとして許されない経歴詐称を意図的にしようとしていたことになるが、その道義的責任についての見解は?
とくに、台湾の国籍を離脱したことを証明する書類がない限りは、もっとも強い義務である国籍選択ははたし国籍剥奪の可能性はなくなるが、よほどのことがなければ実行すべき台湾籍からの離脱をして、二重国籍状態から脱したことにはならない(③)。
また、台湾の旅券を使ったことがあるかどうかという問題にこたえるのは②の公開が必要である。
戸籍謄本を公開するときに、まさかそのごく一部だけのコピーの公開にとどめるなんてことはないと信じたい。これまで頑なに公開を拒否していたのは、なにかほかに国民に知られると都合が悪い重大な問題が記載されているのでないかと国民は考えているのである。