低コントラストで読めないサイト

記事『当事者がアクセシビリティを語る英国政府サイト』で、多様な障害を抱えた人々がウェブサイト閲覧で直面する問題を紹介した。他も調べたところ、雑誌Wired英語版「BACKCHANNEL」に『How the Web Became Unreadable』(ウェブはなぜ読めなくなったのか)という記事を見つけた。一年前の記事だが参考のために紹介する。

著者が問題にするのは背景とテキストのコントラストである。白い背景に黒文字、あるいは黒い背景に白文字ではコントラスト比は21である。これを白地にグレー文字に変えるとコントラスト比が低下する。ウェブアクセシビリティ技術基準ではコントラスト比4.5以上を求めているが、この最低条件に近いウェブが増え読みにくくなってきたというのが著者の主張である。著者はApple、Google、Twitterも「有罪」だという。

記事中ではGoogleでの実例を説明しているが一年前なので現状はどうか、該当ページを開いてみた。

Google CloudPlatformのトップページより一部をキャプチャ

文字「Build What’s Next」の背景は白いが、下の方の「Google Cloud」や「Cloud OnAir」はグレーの背景上に黒文字がありコントラスト比が低い。後に続く日本語「について学べる」「放送開始」ははっきり見えるが、なぜ前の英単語と太さや濃さが違うのだろう。

CSSの教科書、A. Schwartz著『The Magic of CSS』は「白と黒の鮮明なコントラストは、視覚的な”虚像”を作り出したり、眼の緊張を高めたりすることがあります。」と説明している。ウェブデザイナーが持つこのような「常識」が低コントラストの原因と記事は指摘する。

コントラストが問題でウェブが読めなくなる人々がいることについて、デザイナーの理解を求めたい。また、単にテキストの太さを変えるだけでも読めなくなる人もいることも知ってほしい。