女性議員が、生後7ヶ月の赤ちゃんを連れて市議会議場に入ったところ、他の議員から退席を求める声があり、混乱したという事件がありました。
それについて、
1)思いは理解できるが手法が過激ではないか。
2)単なるパフォーマンスではないか。
あるいは、
1)こういう状況では日本の少子化が更に進んでしまう。改善すべきではないか。
などさまざまな意見が交わされています。
僕が思うのは、そもそも、なぜ議場に赤ちゃんを連れて行ってはいけないのか?
そして、実は、赤ちゃんにも大切な役割があるということです。
今の議会には、2つの大きな問題があると考えています。
1つ目は、構成員に偏りがあること
⇒ 市町村議員は「抽選」という選択肢があってもいい
2つ目は、対立ばかりで対話がほとんどないこと。
例えば原発問題や災害の避難の問題など、当事者だけで議論をすると、どうしても議論が先鋭化して対立する方向に向かってしまいます。
当事者以外の人が参加するからこそ、お互いに気づきが得られるのではないか。
まちづくりの会議も、おじさん、おじいちゃんだけでは、議論が煮詰まってしまうことが少なくありません。そこに小さな子供がいて、子どもなりに一生懸命に机にメモを取ったりするのを見て、あるいは、子どもの何気ない一言から会議の方向が変わります。
「会議に参加する」ということは、大人と同じように議論するということだけではありません。そこに子どもがいるからこそ、子どもたちのためにも、より良い未来をつくろうという機運が生まれてきます。それが、「社会の寛容性」ではないでしょうか。
この事件は、「社会の多様性と寛容性」を問うているのではないでしょうか。
もっと知りたい!
●市町村議員は「抽選」という選択肢があってもいい
● 釘山健一さん「楽しい会議による楽しいまちづくり〜地域のことは地域で語り合う仕組みを1年で作る極意」
<井上貴至 プロフィール>
<井上貴至の働き方・公私一致>
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<井上貴至の提言>
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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2017年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。