小池知事の任期は残り約2年8ヶ月。「満員電車ゼロ」公約はどこまで達成できるか?

音喜多 駿

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日は約4ヶ月ぶりにMX「田村淳の訊きたい放題!」にお声がけいただき、出演して参りました。

前回の出演は7月の都議選直後。あれも1週間遅かったら出れなかったんだよな…^^;

テーマの一つが「東京の満員電車問題を考える」

満員電車ゼロを都知事選公約に掲げた小池知事ですが、具体的に着手しているのは「時差ビズ」というキャンペーンです。

協議会が今年4月に立ち上がり、7月から公式サイトまで作って気合十分で始まった本施策。すでに公式Twitterアカウントが2週間以上沈黙しているのは気になりますが…(フォロワーも270しかいない)。

 

参加企業や実際の実践者からは評価する声が上がっている一方、満員電車が解消に向かっているという実感を持っている方は少ないのではないでしょうか。

「クールビズ」に続く社会現象を狙って小池知事みずからCMに出演するなど精力的に活動をしているものの、世間の盛り上がりは今ひとつ。

結論から言えば、この「時差ビズ」だけで満員電車を解消に向かわせることは極めて難しいと思います。

要因は様々ありますが、小泉純一郎氏を始めとするインフルエンサーが次々にネクタイを外した姿を実践し、社会にインパクトを与えたクールビズに比べ、姿が「見せられない」時差ビズを社会現象にすることは困難です。

実際、小池知事は電車通勤してないですしね…。

「まずは時差ビズの効果検証から」

ということで、具体的な次の打ち手が見えない都政ですが、このスピード感では「満員電車ゼロ」はもちろんのこと、混雑緩和すら達成できずに知事の任期が終了してしまう恐れすらあります。

そこで私が次の一手として行うべきだと考えているのが、「時間帯別料金の導入」です。

仕組みは単純で、通勤時間のピークなど利用者が多い時間帯の運賃を上げるだけ。需要に合わせて料金を調整するわけですね。

例えば現在の通勤ラッシュ時間帯となっている7時半~9時の料金を2倍にすれば、相当な数の人がその時間を避けて通勤するようになります。一方で、料金にこだわらずに利用する人も一定数は必ず残りますから、乗車数は分散します。

従業員の交通費を負担する企業としても、固定費を安くするために「安い時間に通勤するように」という方針を打ち出すところが出てくると思います。

現在の時差ビズ啓発キャンペーンには中小企業の参加が鈍い問題点が指摘されていますが、従業員の交通費などは中小企業にとってインパクトが大きいですから、業界全体が変わるきっかけになる可能性もあります。

 

鈴木都議が指摘するように、すでにイギリスやシンガポールなどで実践されています。

まずは都が所管する都営地下鉄からこの「時間帯別料金」の社会実験をスタートし、2020年東京五輪を迎える準備を早急に整えるべきではないでしょうか。

そこで成功事例が作れれば、JRなどの民間鉄道事業者にも順次普及していくはずです。

都民益となる知事公約については、少しでも実現に近づくよう、議会からも改善案を提示していきたいと思います。

それでは、また明日


編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年11月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。