こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
日本レスリング協会は、栄和人強化本部長による伊調馨選手への言動の一部についてパワハラの事実を認め、謝罪しました。栄氏は強化本部長の辞任届を協会に提出し、受理されました。
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— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) 2018年4月6日
第三者機関による調査で、レスリング協会がパワハラの事実を認めたことが大きなニュースとなっています。
すでに多くの有識者が指摘している通り、これを当事者である栄氏の個人的な問題とするのではなく、組織としてどのような改善が必要なのかという視点で見ていかなければならない思います。
パワハラ告発が表面化した直後、レスリング協会や関係者は即座に「パワハラはない」と否定しました。
パワハラ問題の根が深いのは、加害者本人や組織にその意識がまったくないという点にあることが改めて証明されたと言えるでしょう。
特に私が深刻さを感じたのは、この問題が報道された時に関係者が堂々と
「告発などせずに、協会や本人に相談してくれば良い。門戸はいつでも開かれている」
といった主旨の発言をしていたことについてです。
オープンであることを強調しながら公の場での議論を避け、クローズな場に引き込もうとするのは、問題を抱える組織が取りがちな典型的行動です。
「相談」ができないような環境・心理に追い込むことがパワハラであり、仮に相談したとしても、第三者の目が介在しないところでなされた事実は都合よく揉み消され、むしろ相談者の立場が悪くなることは明白でしょう。
会社などの組織でもだいたい、「常に経営室のドアはオープン」などと謳っている組織ほど、社員たちには言うに言われぬ不満がマグマのように溜まっているものです。
本当に構成員の不満や問題に寄り添う気があるのであれば、経営者自ら社員の方に歩み寄って話を聞くか、定期的に公の目や第三者の介在した「話しやすい場」を作る努力が必要ではないでしょうか。
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結局のところ私のいつも主張につながるのですが、こうした問題の解決に必要なものこそ「徹底した情報公開」「透明性の高い運営」です。
今回のレスリング協会の騒動については、パワハラという名を借りた権力闘争だという指摘も根強く存在します。
須藤元気氏、レスリングのパワハラ問題「内部抗争で裏で糸を引いている人がいる」(デイリースポーツ)
公の場で(少なくとも第三者の入った場で)議論や検証を進め、情報公開を積極的に進めていくことで、こうした疑惑についても払拭していくことができます。
外部から閉ざされた組織や世界は自浄作用が働かなくなり、蓄積し続ける不満や問題はいつしか何らかの爆発することになります。
しかしこれを属人的な問題に帰し、同じような組織運営を続けていれば、また同じことの繰り返しです。
馳浩衆議院議員もパワハラ認定を受けて「第三者的な相談できる場所が必要」と発言されています。
引き続き行なわれている内閣府の調査での結論を受けて、抜本的な改善がなされることを期待したいと思います。
それでは、また明日。
※アイキャッチ画像はWikipediaより(アゴラ編集部)
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年4月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。