ネットメディアの検閲団体は必要か?

ども宇佐美です。
音喜多先生との定例オフラインイベントの告知です。

今回も場所は六本木3丁目のDMM本社でして、4月19日の19:00からbuzzfeedの古田大輔編集長を招いて「ネット報道とフェイクニュース」をテーマについて、語り合おうと思っています。いつもの通り軽い飲食も提供させていただきますので、ちょっとした飲み会のような気分で来ていただければ思います。

https://peatix.com/event/371348/

ゲストに古田さんを招いたのはJIMAなるフェイクニュースの監視団体??の立ち上げメンバーに名を連ねていらっしゃることもあり、この辺りの意図を伺いたかったからです。リンクのニュースでも毎日新聞の小川一取締役と名を連ねて古田さんのコメントは以下のように引用されています。

毎日新聞社・小川一取締役:「フェイクニュースは言うまでもなく、世界を根底から腐らせる。本当に災厄だと思っています」

BuzzFeed Japan・古田大輔創刊編集長:「健全な民主主義社会の発展には正確な情報が欠かせません。インターネット上で情報を発信するメディアが信頼を獲得し、ネットをより良いものにする動きもまた、ネットから広がっていく。私たちの活動は、その力となるためのものです」

一応古田さん自身は自社メディアで「JIMAはネット警察にはならない」とおっしゃっているわけですが、私自身はこの団体にかなり違和感を感じていまして、小川さんの発言のトーンなどを見るにそのうち勝手にガイドラインを作った上で「俺たちの作ったガイドラインに従わないメディアはいい加減なメディアだ」とレッテルを貼るような動きをするのではないかと懸念しています。なおJIMAの発起人は以下のような面々が、それぞれ個人名義で名を連ねています。

  • 小川 一 毎日新聞取締役・編集編成、総合メディア戦略担当
  • 長田 真 DIGIDAY[日本版] 編集長
  • 工藤博司 J-CASTニュース編集委員
  • 阪上大葉 現代ビジネス 編集長
  • 竹下 隆一郎 ハフポスト日本版 編集長
  • 藤村厚夫 スマートニュース執行役員 メディア事業開発担当
  • 古田大輔 BuzzFeed Japan創刊編集長
  • 楊井人文 GoHoo編集長
  • 山田俊浩 東洋経済オンライン編集長

いずれも名のある方々だとは思うのですが、ただ「我々がネットメディアのルールを決めるんだ」というにはやや迫力不足の感も否めず、この辺りも本件の微妙さを物語っているように思います。

もちろん私とてフェイクニュースに対してネットメディアも何らかの対策を取らなければいけないという点では合意するところなのですが、個人的には許認可業種のマスメディアのBPOのような仕組みをそのままネットに持ち込もうというアプローチにかなりの違和感を覚えています。変にマスメディアを真似なくとも、ネットの世界は開かれていてtwitterでの炎上なども含めそれなりにフェイクニュースを駆逐する総合的な自治機能が萌芽しているのだから、そういう自浄作用を活かすようなメディア運営のあり方というものを考えてほしいと思っていまして、その辺りも議論できればと思っています。

ということでそれなりに面白いテーマかと思いますので、時間のある方はぜひお越しくださいませ。
https://peatix.com/event/371348/

ではでは、今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2018年4月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。