公職選挙にネット投票は導入できるか

4月18日水曜日に国会議員会館でセミナー『インターネット投票の実現に向けて-諸課題と検討状況』を開催する。公職選挙で僕らは候補者名を投票用紙に自筆で記載するが、それが原因で多くのトラブルが起きる。先日も、東京・葛飾区議会議員選挙で、当選した区議の投票用紙を点検した結果、姓は正しいが名を間違えた2票が見つかり、1票差で次点者と当落が逆転した

自筆記載によるトラブルを避けると共に集計時間を短縮するなどの効果を狙って、地方選挙に限って投票所での電子投票を認める特例法が2002年に制定された。しかし、岐阜・可児市市議選(2003年)、神奈川・海老名市市長・市議選(2003年)、宮城・白石市市長選(2004年)で実施された電子投票でトラブルが相次ぎ、それ以降は実施されなくなった。

そして今、投票所での電子投票を越えて、インターネットを利用してどこでもいつでも投票できるネット投票の実現に向けた活動が胎動した。今回のセミナーでは公職選挙におけるネット投票導入の可能性について各党国会議員の意見を聞く。僕は司会を務めるが、次のようなことを聞きたい。

在外投票・障害者や高齢者の投票・離島や山間部での投票:外務省によると2016年10月時点で海外在留邦人の総数は約134万人、うち20歳未満は約30万人なので、100万人強には在外投票の権利がある。一方、総務省による2017年衆議院選挙報告を見ると、在外投票の有権者登録数は100,090人、投票者数21,180人に過ぎない。100万人のうち2万人しか投票しない在外投票制度は機能していない。障害者や高齢者、離島や山間部に住む人々も投票所に行けない・行きにくいという同様の問題を抱えている。ネット投票でこの問題を解決できないだろうか。

選挙事務の効率化・負担軽減:ネット投票が導入されれば、今は多くの公務員が動員されている開票事務の負担が軽減されるだろう。「政治山」が実施したネット調査によると、約2000名の回答者は投票の利便性と集計の効率化についてネット投票に軍配を上げた。一方で、投票の秘密保全と集計の正確性には不安を抱いている。国会議員はネット投票のメリット・デメリットのバランスをどう考えているのだろうか。

導入に向けて解決すべき課題と検討状況:公職選挙にネット投票を導入するためには何が課題なのか。ネットに無知な一部の議員の反対か。それとも、投票の秘密保全と集計の正確性に対する国民の不安だろうか。総務省に組織された「投票環境の向上方策等に関する研究会」での検討はどこまで進んでいるのだろうか。

セミナー後半では「選挙情報のオープンデータ化について」について議論をする。そこで議論したいのは次の二点である。

候補者情報の公開について:実は多くの地方選挙では選挙公報が発行されていない。候補者情報の公開が不十分な現状はどうすれば改善できるだろうか。

選挙公報のテキストデータ化・見える化・聞こえる化:選挙公報が発行される場合も、選挙管理委員会は候補者が作成した原版を集めて写真製版するだけなので、選挙公報がPDF形式で公開されたとしてもテキストは抽出できない。視覚障害者などに不親切であるし、後日、公約と実績を比較しようなどという場合にも公約をテキスト化するのに手間暇がかかる。官民データ活用推進基本法が制定されている今、選挙公報のオープンデータ化はどのようにしたら進むのか

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