やらせ質問疑惑で情報非開示の隠蔽体質:小池都政はどこへ向かうのか

音喜多 駿

東京都知事公式Facebookより:編集部

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

まず昨日投開票のあった練馬区議補選では、2名の候補者を立てていた都民ファーストの会がすべての議席を逃しました

もともとは都民ファーストの議員が「3枠」もっていたものに対する補選で、しかも練馬は小池知事の衆議院議員時代の選挙区。

まさに「ホーム中のホーム」という状況でこの結果は、言うまでもなく都民からの非常に厳しい審判です。

つい先日の都議会では複数の会派が反対を表明する中、強引に今年度予算を通した小池知事は、予算に反対した会派を「大義がない」と切って捨てました。

しかしながらそれは、もはや一般的な都民感覚ではありません。

対立する政治勢力を批判していれば支持が得られた時期はとっくに過ぎ去り、都民は都知事選・都議選でお約束をした

「情報公開」
「しがらみのない新しい政治」

が本当に行なわれるかどうかを、厳しく見ているのです。本当に「ふるい議会を新しく」したのかどうか、きちんと判断をしているのです。

拙著「贖罪」の中でも縷々指摘をしてきましたが、こうした真の「都民ファースト」の原点に還らない限り、都民からの信頼が回復することは決して無いでしょう。

そんな中で昨日も、小池知事&都民ファーストの原点を揺るがす事態が報道されています。

都議質問の作成者名に小池氏側近 やらせ指摘も文書非開示(共同通信

東京都の小池百合子知事が事実上率いる「都民ファーストの会」の都議が昨年9月の都議会委員会で、質問内容を事前に都にメールで送った際、文書の作成者名が小池氏に近い当時の都顧問小島敏郎氏だったことが15日、複数の関係者への取材で分かった。3月の都議会定例会で、自民党が「小島氏が原稿を渡したやらせ質問ではないかという疑念がある」と指摘。都は共同通信の開示請求に対し、メールの存在を認めつつ「議員からの信頼を損なう恐れがある」などとして非開示にした。(後略)

(上記記事より抜粋、強調筆者)

予算特別委員会の質疑において、自民党都議から都民ファーストの会議員による「やらせ質問」の疑惑が提起されていました。

ここに共同通信が踏み込んだ報道をしたことで、強固なエビデンスがあることが明らかになりました。

疑惑を晴らしたいのであれば、記事中にあるようにその「メール」の情報公開をすれば良いわけです。

ところがこれを、東京都=小池知事があれこれと理由をつけて非開示にしています(「不存在」ではなく、明確な意思を示す「非開示」。

これではまさしく、自分たち自身があれだけ批判をしていた「なれ合いの古い議会」「隠蔽体質」そのものではないでしょうか。

ちなみに執行機関と議会が癒着した類似例では、2005年に浜渦副知事(当時)が民主党議員に質問を依頼したことが発覚し、百条委員会にまで発展する大問題になっています。

「疑惑」再現 都議会百条委・調査から(都政新報2005

まさしく二元代表制の根幹を揺るがす事態であり、疑惑の払拭が急務と言えるでしょう。

繰り返しになりますが、都議選後に変節してここまで続いてきた言行不一致、ダブルスタンダードがどのように都民に受け取られるか、小池知事や都民ファーストの会には真摯に受け止めていただきたいと心から思うばかりです。

とりわけこの「やらせ質問」については、私も当時都民ファーストの会にいた議員の一人として、都知事あるいは都議から積極的な情報公開がなされることを強く期待いたします。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年4月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。